デザイナー・エンジニア間で起こる“すれ違い”とその解消法

date_range 2025/11/14
人事ブログ
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Web制作やアプリ開発の現場では、デザイナーとエンジニアの間で「言った・言わない」や「伝わっていなかった」といった“すれ違い”が頻繁に起こります。
どちらも専門性の高い職種でありながら、なぜこれほど意思疎通が難しいのでしょうか。
その背景には、職種間理解のギャップやツール・用語の違い、そして“見えているゴール”のズレが潜んでいます。


本記事では、現場で起こりやすい代表的なすれ違いパターンとその原因を整理しながら、社内連携をスムーズにするための実践的な工夫をご紹介します。
お互いの立場を尊重し合い、チームワークを高めるヒントを探っていきましょう。

よくある“すれ違い”のパターン5選

デザイナーとエンジニアの間で発生する“すれ違い”は、どちらかが悪いわけではなく、立場や役割の違いから自然に生まれるものです。
ここでは、実際の現場でよくある5つのすれ違いパターンを取り上げ、社内連携やチームワークを阻害しないためのヒントを探ります。


意図が伝わらない「余白・バランス」の話
デザイナーが細部までこだわって設計した余白や配置バランスが、実装段階で無視されることがあります。
エンジニア側では「そこに工数をかけるのは非効率」と判断する場合もありますが、デザインにはユーザー体験を考慮した意図があります。
こうしたズレは、職種間理解が足りないまま進行することで起こりがちです。


「できないこと」を後出しされる
「このアニメーションは難しい」「この実装はパフォーマンスに影響する」——デザイナーが作成した後に制約が提示されると、再調整に時間とコストがかかります。
これは、初期段階での技術的な擦り合わせが不十分なまま進めてしまうことで起こります。
社内連携を強化するには、企画やワイヤーフレームの段階から技術的観点での対話が不可欠です。


コンポーネント化 vs. デザインの一貫性
エンジニアは「再利用性」を重視してUIコンポーネントを設計しますが、デザイナーは「画面ごとの最適な見せ方」を求める傾向があります。
例えば、ボタンの配置やモーダルの挙動などで「ちょっと違う」表現をしたいとき、開発側では統一化の意識が強く働きます。
ここでも、お互いの優先事項を理解し合う職種間理解が問われます。


ツールや用語の理解不足
「Figmaでコメントしたのに見てもらえなかった」「CSSの命名ルールが意味不明だった」など、使っているツールや用語の違いによって、すれ違いが発生することもあります。
たとえば、デザイナーがイラストレーター的な感覚で指示を出しても、エンジニアにはその意図が伝わりにくいことも。
ツール環境をすり合わせたり、基本用語を共有したりすることがチームワーク強化の第一歩です。


「確認したはず」が確認できていない

「レビュー済み」のはずなのに、実装されたものがデザインと違う。

これは、チェック基準の違いによるすれ違いです。開発者が「OK」と思っても、デザイナーから見ると「微妙に違う」ケースは少なくありません。

こうした食い違いを減らすには、確認時のスクリーンショット添付やチェックリストの活用が有効です。役割を越えて認識を揃えることが、スムーズな社内連携につながります。

なぜすれ違うのか?背景にある3つの“前提の違い”

デザイナーとエンジニアのすれ違いは、単なるコミュニケーションミスではなく、それぞれの「仕事の前提」が異なることに起因しています。
以下の3つの視点から、職種間理解を深めることが、社内連携やチームワーク改善の第一歩になります。


評価軸の違い
デザイナーはユーザー体験や見た目の美しさを重視し、「どれだけ伝わるか」「使いやすいか」といった完成度を評価軸としています。
一方エンジニアは、実装の安定性・保守性・パフォーマンスに価値を置きます。
「動くこと」が最優先になるため、視点の違いが意思決定の分岐点になるのです。


プロセスの違い

デザインは変更が前提のクリエイティブワークです。 途中で試行錯誤が入り、より良い方向に調整する柔軟性が求められます。 一方で、開発工程では変更がコストとして跳ね返ってきます。設計の一部を変えるだけで、コード全体への影響が発生することも少なくありません。 職種間でプロセスの構造が違うことを意識することで、チームワークの齟齬を防ぎやすくなります。


ツール・技術知識の非対称
FigmaやSketchといったデザインツールと、エンジニアが使うGitHubやVSCodeでは、操作の前提や見ている情報の層が大きく異なります。
相手の作業環境や思考フローに疎いままでは、確認不足や解釈ミスが起こりやすくなります。
社内連携を強化するためには、ツール間の“翻訳者”となれる意識がチーム内に必要です。

すれ違いを減らすための具体的アプローチ

前提の違いを踏まえたうえで、現場ですぐに実践できるすれ違い回避の方法を紹介します。
小さな改善の積み重ねが、職種間理解を深め、社内連携とチームワークの質を大きく変えてくれます。


プロジェクト初期に「共通認識」を作る
まず重要なのは、プロジェクトの立ち上げ段階で制約条件や重要なUI意図を明文化しておくことです。
「後で伝える」ではなく「最初に確認し合う」ことで、認識のズレを未然に防げます。
デザインガイドラインやコンポーネント仕様書などをチーム全体で共有することも、スムーズな社内連携につながります。


レビュー・確認の粒度を揃える

「レビューしたはずなのに、意図と違う実装に…」という事態を防ぐには、確認の基準を揃える必要があります。

たとえば、デザイナーは「ここは要チェック」とポイントを明示したり、エンジニアは実装前に「この表現、仕様的に不安があります」と共有するなど、双方が“ズレやすい部分”を先回りして伝えると効果的です。


お互いの専門領域を“浅く広く”知る
すべてを理解し合う必要はありませんが、デザイナーが簡単なCSSを試してみる、エンジニアがFigmaを少し操作してみるといった“浅い経験”が、相手の苦労や視点への共感を生みます。
これが職種間理解を育て、チームワークの土台となります。


チャットやツールを「温度感」ある使い方に

テキストでのやり取りが多くなる現場では、言葉の裏にある意図や背景を意識的に添えることが大切です。

単なる「指示」ではなく、「なぜこうしたいのか」「どこが懸念点なのか」といった温度感のある伝え方を心がけることで、すれ違いのリスクは大きく減ります。


まとめ

デザイナーとエンジニアの“すれ違い”は、どの現場でも起こりうる自然な現象です。
なぜなら、評価軸や作業プロセス、使用するツールが異なり、それぞれの職種に固有の視点があるからです。
大切なのは、互いの違いを理解し、歩み寄る姿勢を持つこと。職種間理解が深まれば、社内連携はスムーズになり、結果としてチームワークの質も高まっていきます。
すれ違いを「相手のせい」にするのではなく、解消のヒントと捉えて改善に向き合うことが、より良いものづくりへの第一歩です。

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