Q:マーケティング・コンサルティング隊 野木拓馬
「森(=全体)を見る」というのは、全体を把握してその上で目の前のことをどうさばいていくかを決めなければいけないってところだと思うんですけれども、どうしても日々の業務の中で目の前のことをやろうとしてそこに集中してしまって森(=全体)を見る視点を持つことがおろそかになってしまいます。
どうしたら常に全体を俯瞰できるような視点を持てるのかというところの考え方のコツをお伺いしたいです。
青山Answer:
君の段階で全体を俯瞰するのは無理です。戦闘しながら全体を俯瞰することを考えてみてください。
集中っていうゾーンに 入ったことがないでしょ。 集中すればするほど視野が広がるって意味がわからないと思います。9割以上の人は集中といったら没頭になるからです。
全体が見えなくなることを集中だと思い込んでいるから、そんな人が集中できるわけないんだよ。本来は、集中すればするほど抜け漏れがなくなって選択を誤らなくなります。
でもそのゾーンにも入れない拓馬に対して何を言ってあげたらいいかというと「戦う前に森を見なさい。」ということです。
戦闘の時は、目の前のことに集中したら良い。戦闘前にどれだけ森を見れるかが勝負ですよね。
今、拓馬が悩んでるところは結局スケジュールなんです。 スケジュール管理がうまくいかなくって、遅れが出たりとか抜け漏れが発生して「あちゃ〜」というのが毎日どこかで生まれてきているところ。「情報の置き場を決めときゃいいのにな、もったいないな」って思うわけですよ。
「あ、これやんなきゃ、でも今戦いの途中だから後でやろう」これは誰にだってあって、それが抜けてしまうんです。
そしてふと全体を見た時に思い出して、後に回したやつをやろうと思って取りかかろうと思ったら、「思いのほかこれはやばい、難しいぞ」とか、「時間かかるぞ」ということになって、今度調整が効かなくなってあたふたになるんですよ。 それは自分1人での処理能力の限界を意味している。 それは何にも卑下することなくって当たり前のことなんだよ。
だから情報の置き場を決めておくんです。
例えば私の場合、ある程度オープンにしていい情報であれば、情報の置き場として秘書のかなこさんをメモ代わりに使ってるわけですよ。
なんならかなこさんがよくできる人だから、かなこさんに向かってポイって投げてるだけなんだよ。 そしてかなこさんは「これはこういう風に私は解釈しました」という返事と共にあるべきところにきちっと整理してくれるんですよ。
僕はかなこさんという優秀な秘書がいるからそういう風な扱いをしてるんだけど、結論言うと同じです。
君の中で置く場所を決めていたとしても1人で処理できないとしたら、共有できる場所に情報を置くんですよ。それが癖付けられたら抜け漏れは生まれないですし、スケジュールもちゃんと組めます。
情報の置き場所をみんながなくしちゃってるから抜け漏れ、忘れ、とき既に遅しが生まれるんです。その時大事だと思ったのになんでか忘れちゃったと、言い訳のしようがないことがいっぱいあるよね。己れを過信するなよと。
またちゃんと見直すスケジュールを組んでないからまた漏れるんです。
何時になったらこれを見直そうと決めてないんです。定義せず、やるべきことに入れてないんですよ。 だから抜け落ちていくんです。
全体に言えることじゃないですか? 社会に出て一括めの言葉で言ったら「自己管理能力」「業務管理能力」って言われるんですよ。
情報の置き場を決めておきなさい。
そこに間違いなく置いておくんです。
後回しにするものは後回しにしちゃいけないっていうことじゃないんです。
後回しにしなきゃいけないことっていっぱいあるんですよ。 それを定期的にちゃんと見直すという自分との約束をしておくだけなんです。そうすると問題ごとを早い段階でチームで共有できるよね。だからチーム力を発揮することができるんです。