SNS 世代における購買行動について
【目次】
1.消費者の購買行動について |
2.SNS 世代の特徴と購買行動の関連性 |
3.ULSSASULSSAS(ウルサス)モデルの解析について |
4.まとめ |
1.消費者の購買行動について
近年、SNS の普及は私たちの生活に大きな変化をもたらしました。
特に、若年層を中心としたSNS 世代においては、購買行動にも顕著な影響が見られます。
この記事では、SNS 世代がどのように商品やサービスを選んでいるのか、その購買行動モデルについて掘り下げてみていきたいと思います。
2.SNS 世代の特徴と購買行動の関連性
SNS 世代とは、インターネットやSNS が生活の一部として根付いている若年層のことを指します。
情報収集の主なツールとしてはSNS を活用し、商品を選ぶ際においても、口コミやレビュー、インフルエンサーの影響を大きく受ける傾向にあります。
このように、SNS 世代の購買行動はSNS の影響を大きく受けており、新たな購買モデルも提唱されています。
それがULSSASULSSAS(ウルサス)モデルです。
消費者の購買行動を理解するためのフレームワークで、時代とともに変化する消費者の心理や行動パターンを捉えるために開発されたこのモデルは、特にデジタルマーケティングの分野での応用が注目されています。
ウルサスモデルは、消費者の購買行動を「UGCUGC(ユーザー生成コンテンツ)」「LikeLike(いいね!)」「Search1Search1(SNSSNSでの検索)」「Search2Search2(検索エンジンでの検索)」「ActionAction(購買)」「SpreadSpread(拡散)」の66つのステージで表したものです。
・UGCUGC(ユーザー生成コンテンツ):ユーザーが気に入った商品などをSNS で投稿する、レビューする。 |
・LikeLike(いいね!):UGC を見たユーザーが投稿に対してアクションを起こす。他のユーザーの「いいね!」「シェア」「リツイート」などでリーチが伸び、さらに他の多くのユーザーから注目される。 |
・Search1Search1(SNS での検索):「いいね!」等がついたUGC を見たユーザーが、SNS 上で商品等を検索する。 |
・Search2Search2(検索エンジンでの検索):さらに具体的な情報を求めるユーザーが、Google などの検索エンジン上で商品等を指名検索する。 |
・ActionAction(購買):「購買」というアクションが起きる。 |
・ SpreadSpread(拡散):「購買」のアクションを起こした人たちがSNS で購入した商品を投稿し、投稿がさらに「いいね!」「シェア」によって拡散される。新たなUGC が生み出されることで、ULSSAS のサイクルが回る。 |
2004 年に電通によって提唱された、下記のAISAS に対し、大きく変化していることが分かります。
・AttentionAttention(認知):消費者が商品やサービスの存在に気付く |
・InterestInterest(関心):商品やサービスに興味を持ち、詳細を知りたいと思う |
・SearchSearch(検索):インターネットや口コミを通じて情報収集を行う |
・ActionAction(行動):商品やサービスを購入する |
・ShareShare(共有):購入した商品やサービスの感想を周囲に共有する |
SNS 世代では、テレビCM や雑誌広告といったこれまでの媒体よりも、SNS 上での実体験 に基づく情報を重視する傾向にあります。
また、SNSSNS世代の購買行動には即時性があり、リアルタイムで情報を得て、その場で購入に至ることが多いです。
これは、簡単にポチポチ購入できるオンラインショッピングが相まって、購買プロセスを加速化させています。
さらにInstagramInstagramではビジュアルに訴える商品が、TwitterTwitterでは瞬時のトレンドやニュースに関連する商品が注目を集めるなど、プラットフォームごとの特性が購買行動に影響を与えています。
3.ULSSASULSSAS(ウルサス)モデルの解析について
前述したULSSAS の詳細について6 つ紹介していきたいと思います。
- 1 「UGCUGC(ユーザー生成コンテンツ)」 消費者が自分の経験や考えをSNS やブログ、レビューサイトなどに投稿する行動を指します。
この行動は、他の消費者の意思決定に大きな影響を与えることが知られており、良質なUGC は商品の信頼性を高める一因となります。
(例)レストランの食事の写真やレビューがInstagram に投稿され、それが他のユーザーの興味を引くことで、新たな顧客を惹きつける効果が期待できます。
-2「LikeLike(いいね!)」 消費者がSNSSNS上で友人や他のユーザーが共有したコンテンツに対して「いいね!」や「ハート」を押す行動を指します。
このアクションが、製品やサービスに対する肯定的な印象を広めることに繋がります。
(例)あるファッションブランドの新作が発表された際に、多くの「いいね!」がつけば、それがトレンドになる可能性が高まります。
-3「Search1Search1(SNSSNSでの検索)」 消費者がSNSSNS上で特定のハッシュタグやキーワードを用いて情報を検索する行動を指します。
この行動は、消費者が興味を持った商品やサービスについてより深く知るための手段となります。
(例)欲しい化粧品に関するハッシュタグをInstagramInstagramで検索することで、実際の使用者の意見や画像を見ることができ、製品に対する理解を深めることができます。
-4「Search2Search2(検索エンジンでの検索)」 消費者がGoogleGoogleやYahoo!Yahoo!などの検索エンジンを用いて情報収集を行う行動を指します。
この段階で消費者は、商品のスペック、価格比較、購入方法など、より具体的な情報を求める傾向にあります。
(例)欲しい化粧品の料金や、公式サイトを見たり、自分の肌質等にあったより具体的なレビューを読んだりするために検索エンジンを利用するケースが考えられます。
-5「ActionAction(購買)」 消費者が実際に商品やサービスを購入する行動を指します。
この段階での購入行動は、前述した段階を経て、消費者が得た情報や感情が影響を及ぼすと考えられます。
(例)ある化粧品の口コミが良いため、試してみたいと思いオンラインショップで購入に至るケースなどが考えられます。
6「SpreadSpread(拡散)」 購入した製品やサービスに対する満足や不満を、消費者がSNSSNSなどで共有し、情報を拡散する行動を指します。
それが新たなUGCUGCを生み出すことで、購買サイクルが再び始まるという流れです。
(例)ある化粧品を使用した感想がTwitterTwitterで拡散され、それを見た他の人々がその化粧品を購入するケースなどが考えられます。
また、この拡散の影響力を強く持ち、多くのフォロワーを持つ人物のことをインフルエンサーと呼び、インフルエンサーの活用もマーケティング戦略の重要な要素となっています。
インフルエンサーを活用することにより、ブランドの認知度の向上やポジティブなイメージの構築、そして最終的には売上の増加に繋がることが期待されています。
4.まとめ
【前編】では、テレビや新聞などのマスメディアが主な情報源だった時代のモデルであるAIDMA から、時代の変化とともに生まれたAISAS についての解説を行いました。
そして今回の【後編】では、SNS 世代に特化した購買行動モデルについて解説してきました。
AISAS と比較して、今回紹介したULSSASULSSAS(ウルサス)は検索が2種類もあることがとても特徴的だと感じました。
Instagram では、ただ単に日常生活を切り取り写真で共有するものから、ハッシュタグでトレンドを検索できるようになったり、旅行でおすすめのスポット、グルメだったりと可能性をどんどん広げてきました。 インフルエンサーという存在が多くの人々に影響を与えるようになるなど、SNS が普及したことによる我々の購買行動モデルは大きく変化したことが分かりました。
変化し続ける購買モデルに沿って、マーケティング戦略をしっかりと考えていくことが今後も重要です。
NEW
-
date_range 2024/06/21
-
date_range 2024/06/21
議事録の作成方法とその...
-
date_range 2024/06/21
SNS 世代における購買行...
-
date_range 2024/06/21
変化する消費者の購買行...
-
date_range 2024/06/21
マーケティングに欠かせ...