Webフォントで印象が変わる!2025年注目のタイポグラフィトレンド

date_range 2025/06/30
GUARDIAN Marketing BLOG
タイポグラフィトレンド

Webフォントの進化により、これまで以上に文字の持つ力がデザインに影響を与える時代が到来しています。
フォント選びひとつで「信頼感」や「親しみやすさ」など、訪問者に与える印象が大きく変わるため、タイポグラフィは単なる装飾ではなく、ブランディング戦略の中核を担う存在になりつつあります。
特に2025年は、デバイスやユーザー環境の多様化に対応したフォント設計や、ブランドらしさを際立たせる個性的なタイポグラフィが注目される年です。

本記事では、そんな時代に押さえておきたいWebフォントの基礎知識と、最新トレンド5選を中心に、効果的なフォント活用のヒントをご紹介していきます。

Webフォントの基礎知識と最新動向

タイポグラフィの印象を左右する最も基本的な要素が「フォントの種類」です。
一般的に、モダンで読みやすい印象を与えるサンセリフ体、クラシックで格式高いセリフ体、柔らかく親しみやすい印象の手書き風フォント、コードやテクニカルな雰囲気に合うモノスペース体などがあり、目的やターゲットに応じて使い分けることが重要です。

これらのフォントをWeb上で自在に活用するために欠かせないのがWebフォントです。
かつてはユーザーのPCにインストールされているフォントに依存していましたが、現在ではGoogle FontsやAdobe Fontsなどのサービスを通じて、サーバー側からフォントデータを配信できるようになり、デザインの自由度が大きく広がりました。
これにより、ブランドイメージに合ったタイポグラフィをより戦略的に用いることが可能になり、ブランディングの質も格段に向上しています。

ただし、Webフォントにはページの読み込み速度への影響という課題もあります。
これを解決する鍵として、最近注目を集めているのが可変フォント(Variable Fonts)です。
1つのファイルで太さや幅を柔軟に変えられるため、複数のフォントファイルを読み込む必要がなく、表示速度と表現力を両立できます。

さらに2025年のトレンドとしては、ダークモード対応フォントや、よりアクセシビリティに配慮した読みやすいデザインの登場も期待されています。
視認性の高さと個性の両立は、今後のタイポグラフィ表現において重要なテーマとなるでしょう。

2025年注目のタイポグラフィトレンド5選

タイポグラフィは、もはや見た目を整えるための要素ではありません。
Webフォントの進化により、文字そのものが「ブランドの表現手段」として強く機能するようになりました。
2025年は、さらに多様で洗練されたタイポグラフィ表現が求められる年になるでしょう。
ここでは、今年注目の5つのトレンドを紹介します。


レトロ×モダンの融合フォントが再燃
70〜90年代のタイポグラフィを現代風にアレンジしたレトロモダンなWebフォントが再び人気を集めています。
角丸や太めのセリフ体をベースにしつつ、シンプルでフラットなデザインと組み合わせることで、懐かしさと新しさを同時に表現。
レトロな世界観を演出しながらも、野暮ったくならない絶妙なバランスが、ファッション・カルチャー系のブランディングで注目されています。

可変フォントで柔軟な表現を実現
可変フォント(Variable Fonts)は、太さ・幅・傾きなどを一つのフォントファイル内で自在にコントロールできる革新的な技術です。
2025年はこの技術の活用が本格化し、Webサイト内でのタイポグラフィ表現がより滑らかかつ動的になっていきます。
特に、ユーザーインターフェースの反応や、デバイスによって文字のウェイトを変化させるデザインが増えています。

ジェンダーニュートラルな書体の需要増
性別を感じさせない中性的なデザインが重視される今、フォントにもその流れが波及しています。
クセのない線ややわらかさをもつ書体は、あらゆるターゲット層に自然に馴染み、ブランディングでも高く評価されています。
たとえば、ミニマルかつ中立的なサンセリフ体は、企業のコーポレートサイトやスタートアップのLPなどで重宝されています。

スマートデバイスに最適化されたタイポグラフィ
スマートフォンやタブレットの普及により、Webフォントもモバイルファーストが前提となりつつあります。
2025年は、視認性を保ちつつも美しく見えるフォントが求められる傾向が顕著です。
文字の大きさや行間の最適化に加え、明朝体やセリフ体でもスマホで読みやすい工夫が凝らされるなど、タイポグラフィの設計力が問われる時代になっています。

カスタムフォントでブランド独自の個性を発信
ブランド独自の世界観を強く打ち出すために、完全オリジナルのカスタムWebフォントを採用するケースが増えています。
NetflixやAppleなどがすでに実践しているように、フォントそのものがブランドアイデンティティとなり、ユーザーに深く印象付ける手段として機能します。
2025年は国内企業でもこの流れが加速し、ブランディングにおける「文字の存在感」はますます重要になるでしょう。

印象を左右するフォント活用のコツ
効果的なタイポグラフィは、単におしゃれなフォントを使うだけでは成立しません。
Webフォントを選ぶ際は、サイトの目的やターゲット層に合わせて、可読性・視認性・雰囲気のバランスを見極めることが大切です。
たとえば、信頼感を求めるならセリフ体、親しみやすさを演出したいなら手書き風フォントなど、使い分けることで印象は大きく変わります。
また、見出しと本文でフォントを使い分けたり、余白や行間を工夫したりすることで、情報が整理され、より伝わりやすいデザインになります。
タイポグラフィを戦略的に活用することは、ブランドの世界観を的確に伝えるブランディング手法のひとつでもあります。

2025年のタイポグラフィは、単なるデザイン要素にとどまらず、Webサイトやサービスのブランド価値を視覚的に伝える重要な手段となっています。
トレンドを追うだけでなく、自社や自身のコンテンツに合ったフォントを選び、「伝わる」文字を意識することが、これからの時代には欠かせません。
Webフォントの選定や表現次第で、ユーザーの印象や行動が変わる――それほどにタイポグラフィの影響力は大きくなっています。