サロンの広告で失敗しないためのガイド — NG表現→OK表現、SNSの注意、機器・写真・お金のトラブル回避まで —

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GUARDIAN Marketing BLOG
ChatGPT Image 2025年9月30日 20_46_23

サロンの集客は、ホームページ、予約サイト、SNS、店内ポップ、動画など、いろいろな場所で言葉と写真が使われます。

実は、ちょっとした言い回しや写真の見せ方が原因で「薬機法(くすりの広告に関する決まり)」や「景表法(誇大広告を禁止する決まり)」に引っかかることがあります。

本ガイドは、むずかしい法律の言葉を抜きにして、何がダメ(NG)で、どう直せばOKかを具体例で説明します。

今日から使える言い換えテンプレとチェックリストつき。

まずは「これは広告に当たる?」の考え方から、一緒に確認しましょう。

まずここから:何が「広告」になるの?

「買ってほしい・来てほしい」と思わせる表示は、ほぼ広告です。

SNSや店内ポップ、口コミの転載も広告になることがあります。


広告の判定はカンタン3チェック

・人を誘うか?(来店・購入してほしい気持ちがある)

・商品やサービスが特定できるか?(何の話か分かる)

・誰が見ても宣伝だと分かるか?(告知の形になっている)

→ 3つがそろえば「広告」。場所は関係なし(HP・予約・SNS・動画・店内すべて対象)。


サロンで特に危ない4分野

・脱毛:「永久に無くなる」「医療レベル」など

・痩身:「1回で−○kg」「脂肪が燃える」など

・小顔・リフト:「たるみが治る」「シワが消える」など

・物販(サプリ・美容機器):「飲むだけで治る」「医療機器級」など

→ これらは医療っぽい言い回しや言い過ぎになりやすいので要注意。

NG→OK言い換え(保存版)

言い換え表現の例です。

必ずOK!という事ではありませんので、必ず専門家の指導を受けてください!


Web/LP/予約/チラシでよくあるNG→OK

NG:「シミが消える」 OK:「肌をなめらかに見せます」(※メイク効果/個人差あり)

NG:「1回で−5kg保証」 OK:「発汗やリフレッシュをサポート」(※体重の変化は保証しません)

NG:「毛根から永久に無くす」 OK:「自己処理がラクに感じる方も」(※仕上がり・期間は個人差あり)

NG:「医師も認めた効果」 OK:「当社調査で満足度○%」(※調査方法・人数・時期を明記)

NG:「日本一の効果」 OK:「当社比で○○の数値が向上」(※比較条件・時点を明記)


コツ:強い主張には、すぐ近くに条件や注意書きを置く(ページ下の小文字は×)。


SNS/動画/インフルエンサーでの言い換え

・#PRや提供の明記は必須(広告であることを隠さない)

・NG:「医師級の効果で毛が無くなる」 OK:「週○回のケアで“自己処理がラクに感じた”声も」(※個人差)

・ビフォーアフターは基本使わない。どうしても使うなら

   同じ人・同じ条件・無加工

   期間・回数・個人差を画面内に書く

・ハッシュタグも注意:「#シミゼロ」「#小顔確定」は避ける → 「#スキンケア #印象アップ」など中立に。

「どこまで言える?」の線引き(やさしく解説)

化粧品・医薬部外品・医療機器で言える範囲が違います。難しく考えず「印象の話ならOK寄り」と覚えましょう。


化粧品・医薬部外品のOK/NGざっくり表

・OK寄り:うるおいを与える/なめらかに見せる/香りでリフレッシュ

・グレー:炎症・真皮・メラニンをどうこうする等の科学っぽい断定

・NG寄り:治る/消える/改善する(病気や症状に効くと言っているように聞こえる)


ポイント:迷ったら**「感じ方」「見え方」で表現。条件(回数・期間・生活習慣)や個人差**を添える。


機器まわり(導入前にこれだけチェック)

・何の目的?(診断・治療・予防なら医療寄り)

・どう作用する?(身体の機能に影響?)

・承認・届出は?(メーカー資料で番号や区分を確認)

・広告は承認範囲の要約だけに(「医療級」「クリニックレベル」は使わない)

・型番と資料をひも付けて保管(あとで聞かれても出せるように)

景表法・医師法もいっしょにチェック

薬機法だけ守っても不十分。

**言い過ぎ(景表法)と医療行為っぽい言い方(医師法)**も同時に避けましょう。


「言い過ぎ」を避けるコツ(景表法

・比較や数字を出すときは、条件・対象・時期をセットで書く

・強い言葉を小さな注記で帳消しはダメ。近くに、はっきりと

・価格やキャンペーンは、本当にその価格? 期間・在庫も正確に


医療っぽく見せないコツ(医師法

・言葉:治療/診断/改善/炎症…など医療連想ワードは避ける

・写真:白衣・医療器具・手術灯のような演出は避ける

・監修表記:あっても効果保証ではないことを一言そえる

・相談フロー:症状の話は「必要なら医療機関へ」の案内を

もし違反したら…お金と時間のダメージ

お金の罰だけじゃありません。掲載停止・返金・口コミ悪化など、実務のダメージが大きいです。


何が起きる?どう備える?

・止まる売上:予約サイトや広告が止まる → 日商×停止日数で大損

・対応コスト:返金・問い合わせ対応・手数料・人件費

・評判ダウン:レビュー低下→CV(予約率)悪化が続く 備え:停止日数・単価・返金率などを入れる簡単な試算表を常備。「今その一文を直すべきか」を数字で判断。

仕組みで守る:チェックの流れと“証拠”の持ち方

担当が変わっても同じ品質に。誰が見ても分かるチェックの手順と、証拠の置き場所を決めます。


チェックの流れ(おすすめ

1,下書き作成(NG→OK表を見ながら)

2,一次チェック(危ない言葉・B/A・数字・価格)

3,最終チェック(注記が近くにあるか/SNSはハッシュタグまで)

4,承認(OKの印を残す)

5,公開後の見回り(コメント対応・修正)


 証拠(エビデンス)の置き方

・主張(どの文・どの画像か)と、根拠(調査・データ・資料)を1対1でメモ

・SNSは投稿IDとスクショを自動保存(週1でもOK)

・写真は撮影条件(光・角度・距離・加工の有無)をメモ → 何か言われても、3クリックで出せる状態が安心

入稿前チェック

「これだけ見ればOK」の最終ゲート。赤信号をまとめて潰します。


25項ミニチェック

1 医療っぽい言葉はない?

2 断定(消える・永久)はない?

3 比較は条件・対象・時期を書いた?

4 数字は出典・人数を書いた?

5 注記は近くて読みやすい?

6 B/Aは基本なし(使うなら厳しい条件表示)

7 画像の文字も同じ基準?

8 口コミの言い過ぎを転載してない?

9 #PRや提供の明記は?

10 表現は化粧品の範囲?

11 機器の承認や区分は確認済み?

12 権威づけで効果を保証してない?

13 価格・キャンペーンは事実どおり?

14 返金条件は具体的?

15 ハッシュタグの断定語はない?

16 画像の加工有無は適切?

17 言い換え案を検討した?

18 主張と根拠をひも付けた?

19 承認印は残した?

20 予約サイトでも注記が見える?

21 店内ポップは字が小さすぎない?

22 多言語で意味ズレない?

23 個人差の書き方は乱暴でない?

24 弱い根拠に頼った強い主張はない?

25 公開後の見回り計画はある?

「強く言わないのに刺さる」伝え方と改善の回し方

事実×体験×条件で伝えると、違反せずに選ばれます。テストしながら良い言い方を辞書に残しましょう。


強い言葉なしで選ばれるコツ

・事実(所要時間・設備・回数)+ 体験(すっきり、ラクに感じた)+ 条件(回数・ホームケア・個人差)

・生活のメリットで言い換える: 例)「自己処理がラクに」→「朝の準備が5分短縮へ」

・写真は生活感のある自然なものに(白衣・器具の演出はNG)


改善の回し方(A/B)

・見出し・写真・注記の位置を少しずつ変えて反応を見る

・SNSはサムネの文字量や**#PRの位置**、予約はメニュー名をテスト

・うまくいった言い方は言い換え辞書に追加 → みんなで共有

まとめ

・サロンの広告は、場所に関係なく広告になります。

・危ないのは医療っぽい言葉と言い過ぎ、そしてビフォーアフター。

・迷ったらNG→OKの言い換えと25項チェックを見て、注記を近くに置く。

・機器は導入前に目的・承認・広告の言い回しを確認。

・SNSは**#PR明記**、ハッシュタグやテロップも同じ基準で。

・公開後の見回りと、主張と根拠のひも付けで、いざという時に説明できます。

・そして、事実×体験×条件で“強く言わなくても選ばれる”伝え方にアップデートしましょう。