2015.12.02
例えば問い合わせフォームのカスタマイズ
技術話問い合わせフォームって、殆ど全てと言ってよいほどのWebサイトに搭載されていますよね。
ECや会員制サイト等のような、ホームページの役割がサービス提供そのものでは無い場合は、問い合わせや資料請求がコンバージョン(=ホームページの成果)という事も多いです。
この問い合わせフォームの設置ですが、いくつかやり方があります。
CMSを使わず、静的なhtmlで構築されている場合は、問い合わせフォーム用のcgiやphpを設置する事が一般的です。
CMSを使っている場合は、CMSに問い合わせフォームの機能が搭載されている場合もあります。
いずれの場合でも、フォームの入力項目は「メールアドレス」「件名」「本文」が標準になっているケースが多いです。
単なる問い合わせの場合はこの構成で問題無いケースも多いと思いますが、大体の場合でこの構成では不十分です。
例えば、資料請求の場合なんかは、送付先の住所を入力してもらわなければ、資料をお送りする事が出来ません。
そこで、問い合わせフォームのカスタマイズが必要になってきます。
cgiやphpの設置で問い合わせフォームを提供する場合は、cgiやphpを直接改修する事で入力項目を増やします。
これには、当然の事ながら、プログラムの知識が必要になります。また、プログラムの知識があったとしても、それなりに面倒な仕事です。
では、CMSを使っている場合はどうでしょう。
実は、大多数のCMSに搭載されている標準的な問い合わせフォーム機能というのは、非常にシンプルになっていて、ブラウザ操作だけで入力項目を増やすような事は出来ない場合が殆どです。
ではどうするかというと、そういう事が出来るプラグインを導入したり、CMSそのものをカスタマイズして対応する事になります。
CMSのプログラムというのは、汎用的な作りになっていて、かなり複雑なものです。
ファイルの数も相当数あり、そもそもどのファイルを修正したら良いのか、初めのうちは見当もつきません。プロのプログラマでも、初めて触るCMSであれば、先ずは調査に時間をかける事になります。
問い合わせフォーム専用のcgiを修正するよりも、遥かに難しい仕事となります。
その面倒な仕事を回避するために、プラグインを導入という事になるのですが、実はこれもいくつかの問題があります。
一つは、同等機能のプラグインが複数あり、「どれを使ったらいいのか分からない」という状況に陥る事です。
これは、特に初心者にとっては非常に致命的な問題と私は捉えています。
ある程度のITリテラシーがあれば、googleで検索し、いくつかのプラグインを比較検討する事で、判断材料にするでしょう。
しかし、初心者の場合は何をどのように比較すれば良いのかすらわからないというのが実情かと思います。
プラグインという利便性を考慮しているはずの機構が、本末転倒な結果を生んでしまっています。
もう一つの問題は、導入してみたものの、実際にやりたい事が出来ないという事です。
(この問題についてはhttps://guardian.jpn.com/webknowhow/column/20151118/でも言及しています)
例えば、問い合わせ時に「免許証を添付」という要件があったとします。これは、画像ファイルを送信出来る必要があるという事になりますので、ファイルを送信できる問い合わせフォームが機能が必要という事になります。
WordPressには、「Contact Form 7」という有名なプラグインがあり、これを使う事でファイルの送信等も実現できます。
しかし、あくまでプラグインであるため、やはり初めてWordPressを使う人からすれば、その存在を検索する事から始める必要があります。
問い合わせフォームというWebサイトの基本的な構成要素ですが、最も多くの人が使っているCMSであるWordPressでさえ、標準機能としては搭載されていないというのが現状です。
OWLetでは、問い合わせフォームを設置し、入力項目をファイル送信も含め自由に設定するための機能が標準搭載されています。
一般的なCMSは、CMS(Contents Management System)の名の通り、コンテンツを管理する事が主旨であり、
問い合わせフォーム等のリッチな動的機能はある意味CMSの範疇外であり、そういう機能はプラグインやカスタマイズで対応というのも間違いではないと思いますが、
OWLetでは、CMSという既成概念に囚われず、Webサイトそのものをサービス提供メディアと捉え、最低限必要なものは可能な限り標準で提供するという思想で設計されています。
OWLetで標準提供されているGoogle Analyticsのレポート機能もそうなのですが、普通はあのような機能はプラグインでの提供となるはずです。
なぜならば、アクセス解析そのものはCMSとは切り離されて考えるのが普通だからです。
そして、OWLetの場合は、システムの基本的な構造からして、あらゆる機能を連動しやすい作りになっています。
アーティクルという機能でも、問い合わせフォームの入力項目の設定と同様に入力項目が自由に設定できるようになっていますが、内部的には同じプログラムが呼び出されて使用されています。
このように、柔軟な開発基盤があるからこそ、Webに関わるあらゆる要件に無理なく対応可能になっています。
この辺りが、そもそもCMSやブログというアプリケーションを作るという目的を持ってスタートしている他のシステムと大きく異なるところで、OWLetの場合はWebサイト毎に独自性を持たせつつ、多くの一般的なWebサイトに必要かつ標準機能として提供できるところは可能な限り標準機能とし、そのための基盤を構築するというところから開発をスタートしています。
そういう意味ではOWLetはCMSという括りでは言い表せないものなのかもしれません。
取締役 最高技術責任者 CTO
久保 一也