UI/UX改善アイデアをAIに相談してみたら意外な結果に

date_range 2025/11/21
GUARDIAN Creative BLOG
記事no184

ある日、自社のWebサービスに関する定例レビューで、こんな声が上がりました。
「なんだか使いにくい」「操作の流れが直感的じゃない」「離脱率も気になりますね」
——そう、まさにUI/UX改善が急務の状態でした。
もちろん、これまでもユーザーアンケートやアクセス解析を通じて、改善に努めてきたつもりです。
それでも、何かが足りない。「ユーザー視点に立てているつもり」が、かえって見えにくい盲点を生んでいるように感じていました。
そこでふと頭をよぎったのが、AI活用という選択肢。
ChatGPTをはじめとする生成AIに、UI/UXの改善アイデアを相談してみたらどうなるのか?機械に“ユーザー視点”が本当にわかるのか?
半信半疑ながら試してみた結果、返ってきたのは思いもよらない切り口と実践的なヒントでした。

実際にAIに相談してみた|使用したツールとプロンプト公開

今回活用したのは、対話型AIであるChatGPT(GPT-4)です。
もともとライティングや企画立案で使うことはありましたが、UIやUXの改善という具体的な課題に対して、どこまで使えるのかは未知数でした。


まずは、現在運用しているWebアプリの課題点を簡潔に整理し、以下のようなプロンプトで相談をスタートしました。


使用プロンプト例
「BtoC向けのWebサービスで、ユーザー登録時に離脱が多発しています。ユーザー視点で見たときに、どのようなUI/UXの課題が考えられますか?改善のヒントを教えてください。」


このように、課題+目的+ユーザー視点というキーワードを含めて具体的に伝えると、AIはより的確な回答を返してくれます。


驚いたのは、AIの返答が単なるUIパーツの修正提案ではなく、「なぜその導線がユーザーにとって不自然に感じられるのか」という心理的な背景にまで言及していた点です。


たとえば「登録フォームの入力ステップが明示されていないため、完了までの見通しが立たず、ユーザーが不安を感じて離脱する可能性がある」といった指摘は、まさに“ハッとさせられる視点”でした。


人間が気づきにくい視点を提示してくれる。それがAI活用の大きなメリットかもしれません。

返ってきた改善アイデアに驚愕!意外な視点とは?

ChatGPTに相談して返ってきた改善提案は、私たちが日頃見逃しがちな“ユーザー心理の機微”を突いたものでした。


たとえば、ユーザー登録時の離脱に関する相談に対して、AIはこう答えました。


AIの提案(一部抜粋)
「登録フォームに『あと◯ステップ』という進行状況バーを追加すると、ユーザーは完了までの見通しを得やすくなります。また、メールアドレスやパスワード入力よりも、まず“興味を引く一問”から始めることで心理的ハードルを下げることも有効です。」


このように、ただ「簡略化しましょう」と言うのではなく、ユーザーの不安・迷い・関心にフォーカスして改善策を提示してくれる点に驚きました。


さらに別のケースでは、「FAQページがあるにもかかわらず問い合わせが多い」という課題に対して、AIは次のような分析をしてくれました。


AIの提案
「FAQページが“情報を詰め込んだ倉庫”になっていませんか?検索性やカテゴリ分類の明確化、そして“ユーザーが質問を探す文脈”を意識した構成が重要です。」


この発想は、まさにユーザー視点の再発見。
私たちはFAQの内容を増やすことばかりに目が向いていましたが、「探しやすさ」や「質問する気持ちに沿った配置」までは深く考えられていなかったのです。


こうした提案を受けて感じたのは、AIが「人間が慣れすぎて見逃しているUXの盲点」に光を当ててくれる存在だということです。


UX改善といえば、ユーザーテストやABテストが王道ですが、AI活用はその“前段階”として、思考を広げるヒントの宝庫になるかもしれません。

本当に改善できた?AI提案をUIに反映してみた結果

AIからの提案を受けて、私たちはWebサービスのいくつかのUIを実際に修正してみました。
中でも大きな変更となったのが、「登録フォームの見直し」です。


まず、フォームの冒頭に「全3ステップ・約1分で完了」と明記し、進捗バーを追加。
さらに、最初の設問を「このサービスで一番期待していることは?」というライトな選択肢に変更しました。
これにより、ユーザーが心理的に入りやすくなり、完了率の向上を狙いました。


結果として、施策実施前と比較して登録完了率が約18%向上。
さらに、フォームの途中離脱率も大きく改善されました。


また、FAQページについてもAIの提案を取り入れ、「利用シーン別」にカテゴリを再編成し、検索窓を上部に固定表示するように変更。
その結果、ユーザーからの直接問い合わせ件数が緩やかに減少し、「探しやすくなった」との声も寄せられました。


もちろん、これらはあくまで“ひとつの改善事例”にすぎません。
しかし、AIの提案が実際の成果に直結したことは、チームにとっても大きな驚きと自信につながりました。


次は、なぜAIがこれほどユーザー視点を的確に捉えられたのか。その理由に迫っていきます。

なぜAIは“気づかなかった視点”を持っていたのか

AIからの提案が意外にも的確だった理由を考えてみると、そこには“人間の思い込み”を排除した発想がありました。


私たちは日常的にサービスを運営しているがゆえに、ある種の“業界内常識”や“自社の文脈”にとらわれがちです。
たとえば、「登録フォームはこの順番が普通」「FAQは一覧にしておけば親切」など、過去の経験に基づいた設計が当たり前になってしまうのです。


一方、AIはこれらの前提に縛られず、膨大な事例とデータの中から、純粋に“ユーザーにとって合理的かどうか”を基準にアイデアを出してきます。


また、ChatGPTのような生成AIは、世界中のUI/UXに関するナレッジや事例を学習しており、「この課題に対して、こういうアプローチもある」という多角的な引き出しを持っています。


つまり、AIは“専門家のように”でもあり、“初心者のように”でもある——その独特な視点が、私たちにとっての新しい気づきを生み出したのです。

まとめ

「ユーザー視点で考えているつもりなのに、うまくいかない」——そんな壁にぶつかったとき、AIは“思考の外側”への扉を開いてくれる存在でした。
UI/UX改善において、AIはすべての正解を持っているわけではありません。それでも、固定観念を崩し、新しい気づきをもたらすトリガーにはなり得ます。
あなたも一度、AIにUXの悩みを打ち明けてみてはいかがでしょうか?
意外な答えが、ブレイクスルーのきっかけになるかもしれません。