ロマンス詐欺110番|相談窓口ガイド

ロマンス詐欺の被害に遭った時、どこに相談すればよいか迷っていませんか。状況に応じて、警察、消費生活センター、弁護士、カウンセリングなど、適切な窓口を選ぶことが回復への第一歩です。本記事では、各相談窓口の特徴と活用方法を詳しく解説。匿名での相談も可能な窓口を紹介し、一人で悩まず専門家のサポートを受ける道筋を示します。

状況別相談先マップ

あなたの現在の状況に応じて、最適な相談窓口を選択してください。複数の窓口に同時に相談することも可能です。

相談窓口の優先順位判定フローチャート

状況 第一優先窓口 第二優先窓口 補助窓口
金銭被害が発生 警察(#9110) 金融機関 消費生活センター
詐欺の疑いがある 消費生活センター サイバー犯罪窓口 NPO相談窓口
精神的に辛い 精神保健センター かかりつけ医 カウンセリング
法的対応を検討 法テラス 弁護士会 行政書士会
緊急の危険 110番通報 - -

緊急時:警察・サイバー犯罪窓口

警察相談専用電話(#9110)

**相談内容と対応**
ロマンス詐欺の被害相談、被害届の提出方法、証拠の保全方法などについて専門の相談員が対応します。全国共通の短縮ダイヤルで、最寄りの警察本部の相談窓口につながります。匿名での相談も可能ですが、被害届を提出する場合は実名が必要です。
**相談時の準備事項**
・被害金額と送金日時
・相手の情報(名前、連絡先、プロフィール)
・やり取りの記録(スクリーンショット等)
・送金記録(振込明細、取引履歴)
**受付時間**
平日:8:30~17:15(土日祝日、時間外は当直対応)
緊急の場合は110番通報も可能

都道府県警察サイバー犯罪相談窓口

地域 専用電話 メール相談 特徴
警視庁(東京) 03-5805-1731 可能 ハイテク犯罪対策総合センター
大阪府警 06-6943-1234 可能 サイバー犯罪対策課直通
神奈川県警 045-312-1121 可能 オンライン相談フォーム有
愛知県警 052-951-1611 可能 24時間メール受付
福岡県警 092-641-4141 可能 LINE相談も実施
**サイバー犯罪窓口の強み**
**フィッシング詐欺**や**ソーシャルエンジニアリング**などのネット犯罪に精通した専門官が対応。デジタル証拠の保全方法や、暗号資産被害への対処法など、専門的なアドバイスが受けられます。また、国際的な詐欺グループへの対応経験も豊富です。
**オンライン相談の活用**
多くの都道府県警察がオンライン相談フォームを設置。24時間受付可能で、詳細な状況を文章で説明できるメリットがあります。返信は通常2-3営業日以内に届きます。

被害届提出のポイント

  1. 事前準備を万全に

    • 時系列で経緯をまとめた文書
    • 証拠資料を印刷して持参
    • 被害金額の正確な計算
  2. 提出時の注意点

    • 感情的にならず事実を淡々と説明
    • 嘘や誇張は絶対に避ける
    • 不明な点は「分からない」と正直に
  3. 受理番号の管理

    • 必ず受理番号を控える
    • 金融機関への提出に必要
    • 保険請求時にも使用

金銭被害:消費生活センター

消費者ホットライン(188)

**「いやや!」で覚える188番**
全国統一の3桁番号で、最寄りの消費生活相談窓口につながります。**ロマンス詐欺の相談**件数も年々増加しており、相談員も対応に慣れています。被害の予防から被害後の対応まで、幅広くアドバイスを提供します。
**相談料と対応時間**
相談は完全無料。平日は9:00~17:00が基本ですが、土日祝日も国民生活センターが対応(10:00~16:00)。年末年始を除き、ほぼ毎日相談可能です。
**得られるサポート**
・被害回復の具体的手順
・クーリングオフの可能性検討
・事業者への対応方法
・他機関との連携支援

国民生活センター越境消費者センター(CCJ)

項目 内容
対象 海外事業者とのトラブル
URL https://www.ccj.kokusen.go.jp
特徴 30カ国以上の機関と連携
言語 日本語で相談可能
**国際ロマンス詐欺への対応**
海外の詐欺師による被害の場合、CCJが海外の消費者保護機関と連携して対応。特に、海外の偽投資サイトや暗号資産詐欺に詳しく、英語での交渉サポートも提供します。

金融庁金融サービス利用者相談室

**専門的な金融相談**
電話:0570-016811(平日10:00~17:00)
投資詐欺や無登録業者による被害について、金融の専門家が対応。**ビジネスメール詐欺(BEC)**との複合被害など、複雑な金融詐欺にも対応可能です。
**提供される情報**
・無登録業者のリスト確認
・正規の金融機関の確認方法
・金融ADR(裁判外紛争解決)の活用
・金融商品の適法性判断

法的対応:弁護士会・法テラス

法テラス(日本司法支援センター)

**無料法律相談の条件**
収入が一定基準以下の方は、無料で弁護士相談が受けられます(30分×3回まで)。基準は単身者で月収約20万円以下、資産300万円以下が目安。生活保護受給者は自動的に対象となります。
**相談予約と流れ**
電話:0570-078374(平日9:00~21:00、土曜9:00~17:00)
1. 電話で相談予約
2. 収入要件の確認
3. 最寄りの法律事務所を紹介
4. 弁護士と面談(オンライン相談も可)
サービス 内容 費用
情報提供 法制度の説明 無料
法律相談 弁護士による相談 条件付き無料
代理援助 弁護士費用の立替 分割返済
書類作成援助 書類作成の支援 実費のみ

各地の弁護士会相談センター

**初回相談料の目安**
30分5,000円が標準的ですが、地域により異なります。ロマンス詐欺や消費者被害に特化した無料相談会も定期的に開催。東京三弁護士会では、ネット取引被害110番を実施しています。
**弁護士選びのポイント**
・詐欺被害の回復実績
・国際案件への対応経験
・着手金と成功報酬の明確化
・依頼者への報告頻度

振り込め詐欺救済法の活用支援

**被害回復分配金の申請**
振込先口座に残高がある場合、被害金の回収が可能。弁護士が代理申請することで、手続きがスムーズに進みます。申請期限は公告から60日以内のため、迅速な対応が必要です。
**成功報酬の相場**
回収額の20-30%が一般的。着手金は10-30万円程度。ただし、法テラス利用の場合は、立替払い制度により初期費用なしで依頼可能です。

精神的ケア:カウンセリング窓口

精神保健福祉センター

**こころの健康相談**
各都道府県・政令指定都市に設置。詐欺被害による精神的ショック、不眠、うつ症状などの相談に対応。精神科医、臨床心理士、精神保健福祉士などの専門職が無料で相談に応じます。
**グループカウンセリング**
同じような被害を受けた方々との交流会を実施している地域もあります。体験を共有することで、孤立感から解放され、回復への道筋が見えてきます。

よりそいホットライン

相談内容 電話番号 対応時間
一般相談 0120-279-338 24時間365日
外国語相談 0120-279-226 10:00-22:00
SNS相談 LINE/Facebook 対応時間内
**寄り添い型の支援**
話を聞いてもらいたい、誰かに相談したいという時に利用可能。専門的なアドバイスよりも、傾聴を重視した対応。匿名での相談が可能で、秘密は厳守されます。

被害者支援センター

**犯罪被害者への総合支援**
全国被害者支援ネットワーク(0570-783-554)が窓口。カウンセリング、法律相談、付き添い支援など、被害者のニーズに応じた支援を無料で提供。**標的型攻撃(APT)**のような長期的な被害にも対応します。
**具体的な支援内容**
・精神的ケアのカウンセリング
・警察署や裁判所への付き添い
・日常生活の支援
・自助グループの紹介

NPO・民間支援団体

詐欺被害対策NPO

団体名 活動内容 連絡先
消費者被害防止ネットワーク 情報提供・相談 各地域で活動
詐欺被害撲滅の会 被害者交流会 オンライン活動中心
サイバー犯罪被害者の会 技術的アドバイス メール相談可

オンラインコミュニティ

**被害者同士の情報交換**
SNSやオンライン掲示板で、被害者同士が情報交換。ただし、二次被害や偽の回収業者に注意が必要。公的機関が運営・推奨するコミュニティを選ぶことが重要です。

相談時の心構えとコツ

効果的な相談のための準備

**時系列での整理**
出会いから被害発覚までを時系列で整理。特に重要な日付(初回接触、送金日、最終連絡日)は正確に記録。メモを見ながら説明することで、感情的にならずに済みます。
**証拠の整理**
デジタルデータは印刷して持参。重要な部分にはマーカーで印をつけ、説明しやすくする。USBメモリーやクラウドにバックアップも保存しておきます。
**質問リストの作成**
聞きたいことを事前にリスト化。優先順位をつけて、限られた相談時間を有効活用。回答はメモを取り、後で見返せるようにします。

相談員との信頼関係構築

ポイント 具体的な行動
正直に話す 恥ずかしい内容も隠さない
感情的にならない 事実を冷静に伝える
アドバイスを聞く 専門家の意見を尊重
記録を残す 相談内容と助言をメモ

よくある質問

Q: 恥ずかしくて相談できません。匿名での相談は可能ですか?
A: 多くの相談窓口で匿名相談が可能です。消費者ホットライン(188)、よりそいホットライン、各種NPOの電話相談は匿名でも対応してくれます。まずは匿名で相談し、具体的な対応が必要になった段階で実名を明かすという方法もあります。相談員は日々多くの同様の相談を受けており、あなたを責めることはありません。勇気を出して第一歩を踏み出すことが、解決への近道です。
Q: 複数の窓口に相談しても良いのでしょうか?
A: はい、むしろ複数の窓口への相談を推奨します。警察には被害届を、消費生活センターには被害回復のアドバイスを、弁護士には法的対応を、カウンセラーには心のケアを、それぞれ専門的な支援を求めることができます。各機関は連携することも多く、一つの相談から他の適切な支援につながることもあります。ただし、各窓口で他にも相談していることを伝えると、より効率的な支援が受けられます。
Q: 海外の詐欺師の場合、日本の相談窓口で対応できますか?
A: 対応可能です。国民生活センターの越境消費者センター(CCJ)は、海外事業者とのトラブルを専門に扱っています。また、警察のサイバー犯罪対策部門は、国際的な詐欺グループの捜査経験があります。言語の問題があっても、通訳サービスを利用できる窓口もあります。海外だからと諦めず、まず日本の窓口に相談してください。国際刑事警察機構(ICPO)との連携により、海外での逮捕事例もあります。

まとめ:一人で悩まず、専門家を頼る

ロマンス詐欺の相談において最も重要なのは、一人で抱え込まないことです。専門の相談窓口は、あなたの状況に応じた適切なサポートを提供してくれます。

詐欺師はソーシャルエンジニアリングのプロであり、被害者を孤立させることで支配を強めます。しかし、適切な相談窓口につながることで、この負の連鎖を断ち切ることができます。

警察、消費生活センター、弁護士、カウンセラーなど、それぞれの専門性を活かした支援を受けることで、被害からの回復は必ず可能です。勇気を出して、今すぐ相談の第一歩を踏み出してください。


【重要なお知らせ】

  • 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況に対する助言ではありません
  • 実際に被害に遭われた場合は、警察(#9110)や消費生活センター(188)などの公的機関にご相談ください
  • 法的な対応が必要な場合は、弁護士などの専門家にご相談ください
  • 記載内容は作成時点の情報であり、手口は日々進化している可能性があります

更新履歴

初稿公開

京都開発研究所

システム開発/サーバ構築・保守/技術研究

CMSの独自開発および各業務管理システム開発を行っており、 10年以上にわたり自社開発CMSにて作成してきた70,000以上のサイトを 自社で管理するサーバに保守管理する。