アドウェアとは?
アドウェアとは、ユーザーの同意なく、または不適切な方法で大量の広告を表示するソフトウェアのことです。パソコン・スマホの危険(端末の脅威)の中でも最も身近な脅威の一つで、無料ソフトにバンドルされていたり、偽のダウンロードボタンから侵入したりします。単なる迷惑な広告表示だけでなく、ブラウジング履歴の収集、個人情報の窃取、システムパフォーマンスの低下を引き起こし、より危険なマルウェアの侵入経路となることもあります。「広告を見せるだけ」という軽い印象とは裏腹に、プライバシーとセキュリティに深刻な影響を与える脅威です。
アドウェアを簡単に言うと?
家の中に勝手に入り込んで、壁中にチラシを貼りまくる迷惑な営業マンのようなものです。最初は「無料で便利なツールをあげます」と言って家に入れてもらいますが、一度入ると、テレビを見ている時も、料理をしている時も、寝ている時も、ずっと商品の宣伝をし続けます。しかも、あなたが何を見て、何を買って、どこに行くかをこっそりメモして、その情報を使ってさらにしつこく広告を見せてきます。追い出そうとしても、どこに隠れているか分からなかったり、ドアの鍵を勝手に変えられたりして、なかなか出て行ってくれません。迷惑なだけでなく、プライバシーも脅かされる厄介な存在なのです。
アドウェアで発生する被害は?
アドウェアにより、作業効率の大幅低下、プライバシーの侵害、セキュリティリスクの増大などが発生します。パソコン・スマホの危険(端末の脅威)として、一見無害に見えるため軽視されがちですが、個人情報の収集、ブラウザの乗っ取り、悪質なサイトへの誘導など、深刻な被害につながる可能性があります。特に、アドウェアが他のマルウェアと連携した場合、端末の完全な乗っ取りにつながることもあります。
アドウェアで発生する直接的被害
- ブラウジング体験の完全破壊
ポップアップ広告が画面を埋め尽くし、まともにWebサイトが見られなくなり、作業や調べ物が全くできなくなって生産性が著しく低下する
- 個人情報・閲覧履歴の収集
検索キーワード、訪問サイト、オンラインショッピングの履歴などが収集され、プロファイリングされて闇市場で売買される
- システムリソースの大量消費
広告表示と情報収集のために常にCPUとメモリを消費し、パソコンやスマホの動作が極端に遅くなり、バッテリーも急速に消耗する
アドウェアで発生する間接的被害
アドウェアの対策方法
アドウェアへの対策は、信頼できるソースからのソフトウェア入手、インストール時の注意深い確認、アンチウイルスソフトの活用が基本となります。パソコン・スマホの危険(端末の脅威)から守るために、カスタムインストールでバンドルソフトを除外、ブラウザの広告ブロック機能の活用、定期的なシステムスキャンが重要です。また、不審な挙動の早期発見、不要なブラウザ拡張機能の削除により、アドウェアの侵入と被害を最小限に抑えることができます。
アドウェアの対策を簡単に言うと?
家に入れる物と人を厳しくチェックすることに例えると、まず玄関(ダウンロード元)では、信頼できる人(公式サイト)からしか物を受け取りません。荷物を開ける時(インストール時)は、中身を一つ一つ確認し、「おまけ」と称して入っている怪しいもの(バンドルソフト)は全て断ります。警備員(アンチウイルス)を雇って定期的に家を見回ってもらい、勝手に入り込んだ営業マン(アドウェア)がいないかチェックします。窓にはカーテン(広告ブロッカー)をつけて、外からチラシを投げ込まれないようにします。そして、少しでも変だと思ったら(動作が遅い、広告が多い)、すぐに大掃除(スキャン)をする習慣をつけることで、快適な生活(PC環境)を保つことができます。
アドウェアに関連した攻撃手法
パソコン・スマホの危険(端末の脅威)において、アドウェアと密接に関連する3つの攻撃手法を解説します。
- マルウェア感染
アドウェアはマルウェアの入り口として機能することが多く、最初は軽微な広告表示から始まり、徐々により危険なマルウェアをダウンロードします。アドウェアとマルウェアの境界は曖昧で、アドウェアが進化してスパイウェアやランサムウェアになることもあります。
- スパイウェア/キーロガー
アドウェアとスパイウェアは密接な関係にあり、多くのアドウェアがスパイウェア機能を持っています。広告を表示しながら裏でキーロガーとして動作し、パスワードやクレジットカード情報を盗む二重の脅威となります。
- ドライブバイダウンロード/マルバタイジング
アドウェアが表示する広告自体が、ドライブバイダウンロードやマルバタイジングの攻撃ベクターとなります。アドウェアによって表示された悪意ある広告から、クリックしなくても追加のマルウェアが自動ダウンロードされる連鎖感染が発生します。
アドウェアのよくある質問
全てが危険ではありませんが、注意が必要です。公式サイトからダウンロードし、インストール時は「カスタムインストール」を選んで不要なソフトのチェックを外すことが重要です。
はい、特にAndroidは感染リスクが高いです。公式ストア以外からのアプリインストールは避け、アプリの権限要求をよく確認することが大切です。iOSも完全に安全ではありません。
ウイルスは自己複製して感染を広げますが、アドウェアは主に広告表示が目的で自己複製しません。ただし、最近は両方の特性を持つマルウェアも増えています。
広告ブロッカーは有効ですが、それだけでは不十分です。アドウェア本体は端末に残り続けるため、アンチウイルスソフトでの検出と削除が必要です。
コントロールパネルからのアンインストール、ブラウザのリセット、アンチマルウェアソフトでのスキャン、レジストリクリーナーの使用を順番に行います。最悪の場合はOSの初期化が必要です。
すぐにIT部門に報告してください。アドウェアを通じて企業ネットワークに侵入される可能性があるため、早期対応が重要です。個人での対処は避けるべきです。
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