個人情報(PII)漏洩を初心者でも分かりやすく解説

あなたの名前、住所、生年月日が、今この瞬間も闇市場で売買されているかもしれません。個人情報(PII)漏洩は、一度発生すると取り返しがつかない深刻な問題です。データ・プライバシーを守ることに失敗すると、なりすまし被害、不正な借金、ストーキングなど、あなたの人生を脅かす犯罪に巻き込まれる可能性があります。本記事では、どのように個人情報が漏れるのか、漏れたらどんな被害があるのか、そして自分と家族を守るためにできることを、専門知識がなくても理解できるように解説します。デジタル社会を安全に生きるための必須知識を身につけましょう。

個人情報(PII)漏洩とは?

個人情報(PII:Personally Identifiable Information)漏洩とは、氏名、住所、電話番号、マイナンバー、クレジットカード番号など、個人を特定できる情報が不正に外部へ流出することです。データ・プライバシーを守る上で最も重要な脅威の一つで、サイバー攻撃、内部不正、設定ミス、人為的ミスなど様々な原因で発生します。漏洩した個人情報は、なりすまし、詐欺、ストーキングなどの犯罪に悪用され、被害者の生活に長期間にわたって深刻な影響を与えます。

個人情報(PII)漏洩を簡単に言うと?

家の鍵と住所が書かれたメモを落としてしまうようなものです。そのメモを拾った悪い人は、あなたの家に侵入できるだけでなく、あなたになりすまして借金をしたり、あなた宛ての郵便物を盗んだりできます。個人情報(PII)漏洩も同じで、名前や生年月日、マイナンバーなどの「デジタルの鍵」が外に漏れると、あなたの銀行口座、SNSアカウント、通販サイトなどに不正にアクセスされたり、あなたの名前で勝手に契約を結ばれたりする危険があります。一度漏れた情報は回収できないため、影響が何年も続くのが怖いところです。

個人情報(PII)漏洩で発生する被害は?

個人情報(PII)漏洩により、金銭的被害、プライバシー侵害、精神的苦痛など多岐にわたる被害が発生します。データ・プライバシーを守ることに失敗すると、漏洩した情報は闇市場で売買され、複数の犯罪者に渡って繰り返し悪用されます。特に、マイナンバーや運転免許証番号などの変更困難な情報が漏洩した場合、生涯にわたってリスクを抱えることになります。

個人情報(PII)漏洩で発生する直接的被害

なりすましによる金銭被害

漏洩した氏名、生年月日、住所を使って本人になりすまし、クレジットカードの不正作成や消費者金融での借入が行われ、身に覚えのない請求が届く

アカウントの不正利用

メールアドレスや電話番号が流出し、各種オンラインサービスのパスワードリセット機能を悪用され、SNSや通販サイトのアカウントが乗っ取られる

医療情報の悪用

健康保険証番号や診療記録が漏洩し、保険の不正利用や、偽の処方箋での薬物入手、医療詐欺に利用される

個人情報(PII)漏洩で発生する間接的被害

継続的な詐欺被害のリスク

一度漏洩した個人情報は削除できないため、振り込め詐欺、投資詐欺、ロマンス詐欺など、様々な詐欺のターゲットリストに永続的に載り続ける

社会的信用の毀損

なりすましによってSNSで不適切な発言をされたり、犯罪に関与したかのような情報を流されたりして、就職や結婚に影響が出る

子供や家族への波及被害

家族構成の情報が漏洩すると、子供の学校や配偶者の職場が特定され、ストーキングや嫌がらせの対象になる

個人情報(PII)漏洩の対策方法

個人情報(PII)漏洩を防ぐには、データの暗号化、アクセス制限、最小限の情報収集が基本となります。データ・プライバシーを守るために、個人情報を扱うシステムでは、必要最小限の情報のみを収集し、暗号化して保管し、アクセスできる人を限定することが重要です。また、定期的な棚卸しで不要な情報を削除し、従業員への教育を徹底することで、人為的ミスによる漏洩を防ぐことができます。

個人情報(PII)漏洩の対策を簡単に言うと?

貴重品の管理に例えると、まず必要のない貴重品は持ち歩かない(最小限の情報収集)、持ち歩く時は鍵付きのケースに入れる(暗号化)、信頼できる人にしか見せない(アクセス制限)、定期的に整理して不要なものは処分する(データの削除)ということです。また、家族全員に「知らない人に個人情報を教えない」というルールを徹底する(従業員教育)ことも大切です。個人としては、むやみに個人情報を提供せず、必要な場合も最小限にとどめ、怪しいサイトやメールには絶対に情報を入力しないことが、自分の情報を守る第一歩です。

個人情報(PII)漏洩に関連した攻撃手法

データ・プライバシーを守る観点から、個人情報(PII)漏洩と密接に関連する3つのリスクを解説します。

データ漏洩

個人情報(PII)漏洩の最も一般的な発生経路です。サイバー攻撃や内部不正によるデータ漏洩事件では、必ずと言っていいほど大量の個人情報が含まれており、データ漏洩対策と個人情報保護は不可分の関係にあります。

誤送信/誤公開

人為的ミスによる個人情報(PII)漏洩の代表例です。メールの宛先間違い、Webサイトでの誤った公開設定など、単純なミスが大規模な個人情報流出につながることが多く、技術的対策と運用ルールの両面から防ぐ必要があります。

シャドーIT・無許可SaaS

管理されていないツールやサービスの利用により、個人情報(PII)が意図せず外部に保存され、漏洩リスクが高まります。従業員が便利さを求めて使う無許可のクラウドサービスに顧客情報をアップロードし、そこから漏洩する事例が増加しています。

個人情報(PII)漏洩のよくある質問

個人情報は氏名や住所など個人を特定できる情報、プライバシー情報は趣味嗜好や行動履歴など私生活に関する情報です。ただし、実務上は両方とも保護すべき重要な情報として扱われます。

企業からの漏洩通知、身に覚えのない請求や契約、不審なログイン通知などが兆候です。また、定期的に信用情報機関で自分の信用情報を確認することも推奨されます。

パスワードの即座の変更、クレジットカードの利用停止・再発行、金融機関への連絡、被害届の提出などを速やかに行います。また、今後の詐欺に備えて家族にも情報共有することが重要です。

はい、写真の背景から自宅や勤務先が特定されたり、位置情報が埋め込まれていたりする場合があります。投稿前に背景の確認と位置情報の削除を必ず行ってください。

法令や業界ガイドラインで定められた期間、または利用目的の達成に必要な期間のみ保管が認められています。不要になった個人情報は速やかに削除する義務があります。

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京都開発研究所

システム開発/サーバ構築・保守/技術研究

CMSの独自開発および各業務管理システム開発を行っており、 10年以上にわたり自社開発CMSにて作成してきた70,000以上のサイトを 自社で管理するサーバに保守管理する。