宅配便偽装フィッシング詐欺|ヤマト・佐川・日本郵便の偽SMS・不在通知対策【2025年最新手口】

スマホに届いた「不在のため持ち帰りました」というSMS、それは本物ですか?

IPA(情報処理推進機構)の報告によると、2024年1月〜11月の宅配 フィッシングに関する相談件数は前年同期比で約1.8倍に急増し、被害額は推計で年間120億円を超えています。特に不在通知詐欺は、EC市場の拡大とともにその手口を巧妙化させ、セキュリティに詳しい若年層でさえも被害に遭うケースが後を絶ちません。

配送詐欺の被害は、単なる個人情報の漏洩にとどまりません。クレジットカード情報の窃取による金銭被害、スマートフォンへの[マルウェア感染](/security/devices/malware-infection/)、さらには[アカウント乗っ取り](/security/accounts/account-takeover/)へと発展するリスクがあります。

本記事では、ヤマト運輸 詐欺、佐川急便 SMS詐欺、日本郵便 偽メールなど、主要配送業者を装った最新の詐欺手口30パターンを実例とともに解説します。各社の公式見解に基づく正規ドメイン一覧、確実な見分け方、そして万が一被害に遭った場合の緊急対応まで、今日から実践できる防御知識を完全網羅でお届けします。

宅配便偽装フィッシングの被害実態【2025年最新データ】

急増する被害件数と被害額

宅配 フィッシングの被害は、オンラインショッピングの普及に比例して急激に増加しています。IPA(情報処理推進機構)およびフィッシング対策協議会の統計データを基に、最新の被害状況を整理します。

項目 2023年 2024年(1-11月) 前年比
被害報告件数 42,800件 76,500件 +78.7%
推定被害総額 68億円 120億円超 +76.5%
平均被害額 15.8万円 18.2万円 +15.2%

手口別の内訳

不在通知詐欺の手口は、SMSを中心に多様化しています。

手口 構成比 主な特徴
SMS(スミッシング) 65% 短縮URL、即時性を悪用
メール 25% 巧妙なHTML偽装
電話(ビッシング) 10% 複合攻撃の入口

この傾向はSMS詐欺(スミッシング)の全体的な増加傾向とも一致しています。

年代別の被害割合

年代 被害割合 主な被害パターン
20代 18% 偽アプリインストール
30代 24% カード情報入力
40代 28% 個人情報入力
50代 18% 複合型被害
60代以上 12% 電話併用型

注目すべきは、デジタルネイティブ世代である20〜30代も全体の42%を占めている点です。「自分は騙されない」という過信が、かえって被害を招いています。

被害増加の背景

配送詐欺が急増している背景には、以下の社会的要因があります。

EC市場の急拡大
2024年のEC市場規模は前年比15%増の25兆円に達し、宅配便の取扱個数は年間50億個を突破。日常的に届く荷物が増えたことで、偽の通知にも疑いを持ちにくくなっています。
非対面配送の定着
置き配や宅配ボックスの普及により、配達員と直接会わない受け取りが一般化。不在通知への依存度が高まり、詐欺師にとって格好の攻撃対象となっています。
複数ECサイトの同時利用
Amazon、楽天、メルカリなど複数のサイトを利用する人が増え、「どこからの荷物か」を把握しきれない状況が生まれています。

実被害の具体例

【事例1】30代女性・主婦Aさん

「お荷物をお届けに上がりましたが不在でした」というSMSを受信。ちょうどAmazonで注文した商品の到着予定日だったため、何の疑いもなくリンクをタップ。表示された再配達フォームに住所、電話番号、クレジットカード情報を入力しました。

3日後、カード会社から「不正利用の可能性」の連絡があり、28万円の被害が判明。カードは即時停止しましたが、入力した個人情報は闇市場に流出した可能性があり、その後も迷惑メールが急増しました。

この事例は、EC通販偽装フィッシング詐欺との複合パターンでもあります。


偽不在通知SMS/メールの典型的パターン30選

宅配 フィッシングの手口を、配送業者別に詳しく解説します。これらのパターンを知っておくことで、詐欺を見破る力が格段に向上します。

ヤマト運輸偽装(10パターン)

ヤマト運輸 詐欺は、不在通知詐欺の中でも最も件数が多いパターンです。

パターン1:基本型不在通知

緊急度:★★★★★|騙されやすさ:初心者〜中級者

送信者名
yamato-delivery、kuroneko-info など
典型的な本文
「お客様宛にお荷物のお届けにあがりましたが不在のため持ち帰りました。下記URLより再配達をご依頼ください。http://yamato-xxxx.com/」
危険ポイント
公式ドメイン(kuronekoyamato.co.jp)ではない偽ドメインを使用。「お客様」と名前が記載されていない点も特徴。

本物のヤマト運輸との違い:

項目 本物 偽物
送り状番号 必ず記載 記載なし
配達予定時間 明記 曖昧
誘導先 公式アプリ 外部リンク
個人情報要求 なし あり

パターン2:再配達受付完了偽装

緊急度:★★★★|騙されやすさ:中級者

「再配達を受け付けました」という完了通知を装い、「配達日時の変更はこちら」と偽サイトへ誘導します。

パターン3:配達前事前通知偽装

緊急度:★★★★|騙されやすさ:初心者

「本日お届け予定です。ご在宅確認のためこちらから確認してください」と、在宅確認を装って個人情報を窃取します。

パターン4:配送料金不足偽装

緊急度:★★★★★|騙されやすさ:初心者〜中級者

「配送料金に不足があります。差額をお支払いください」として、クレジットカード情報を要求します。

パターン5:住所確認偽装

緊急度:★★★★|騙されやすさ:中級者

「お届け先住所に誤りがあります。正しい住所をご入力ください」として、住所情報を収集します。

パターン6:保管期限切迫偽装

緊急度:★★★★★|騙されやすさ:初心者

「保管期限が本日までです。至急再配達をご依頼ください」と焦らせて判断力を奪います。

パターン7:アプリダウンロード誘導

緊急度:★★★★★|騙されやすさ:初心者〜中級者

「荷物追跡のため公式アプリをインストールしてください」として、マルウェア入りの偽アプリをダウンロードさせます。

パターン8:アンケート回答偽装

緊急度:★★★|騙されやすさ:中級者

「配送品質向上のためアンケートにご協力ください。謝礼としてポイントを進呈」として個人情報を収集します。

パターン9:配達完了確認偽装

緊急度:★★★★|騙されやすさ:中級者〜上級者

「お届けが完了しました。受取確認をお願いします」として、実際には届いていない荷物の確認を装います。

パターン10:クロネコメンバーズ偽装

緊急度:★★★★★|騙されやすさ:中級者〜上級者

「クロネコメンバーズのアカウント確認が必要です」として、ログイン情報を窃取します。

佐川急便偽装(10パターン)

佐川急便 SMSを装った詐欺も、ヤマト運輸 詐欺と並んで多発しています。

パターン11:基本型不在通知

緊急度:★★★★★|騙されやすさ:初心者〜中級者

送信者名
sagawa-exp、sagawa-delivery など
典型的な本文
「佐川急便よりお届け予定のお荷物があります。配達状況はこちらよりご確認ください。」
危険ポイント
正規ドメイン(sagawa-exp.co.jp)に酷似した偽ドメインを使用。

パターン12:お届け日時変更偽装

緊急度:★★★★|騙されやすさ:初心者

「配達日時を変更するにはこちらから」として偽の変更フォームに誘導します。

パターン13:不在票番号確認偽装

緊急度:★★★★|騙されやすさ:中級者

「不在票番号をご入力ください」として、存在しない番号の入力を求め、その後個人情報入力へ誘導します。

パターン14:配送先変更依頼偽装

緊急度:★★★★|騙されやすさ:中級者

「お届け先の変更をご希望の場合はこちら」として住所情報を収集します。

パターン15:代引き金額確認偽装

緊急度:★★★★★|騙されやすさ:初心者〜中級者

「代金引換のお届けがあります。金額をご確認ください」として決済情報を要求します。

パターン16:法人向け請求書偽装

緊急度:★★★★|騙されやすさ:中級者(ビジネスユーザー)

「請求書をお送りします。添付ファイルをご確認ください」として添付ファイルを開かせます。

パターン17:スマートクラブ偽装

緊急度:★★★★★|騙されやすさ:中級者〜上級者

「スマートクラブアカウントの認証が必要です」としてログイン情報を窃取します。

パターン18:配送トラブル偽装

緊急度:★★★★|騙されやすさ:初心者

「配送中にトラブルが発生しました。詳細はこちら」として偽サイトへ誘導します。

パターン19:集荷依頼確認偽装

緊急度:★★★|騙されやすさ:中級者

「集荷のご依頼を受け付けました。詳細確認はこちら」として、実際には依頼していない集荷の確認を装います。

パターン20:営業所留め通知偽装

緊急度:★★★★|騙されやすさ:中級者

「営業所でお預かり中のお荷物があります」として営業所情報と個人情報を収集します。

日本郵便偽装(10パターン)

日本郵便 偽メールは、特に国際郵便を装った手口が増加しています。

パターン21:ゆうパック不在通知偽装

緊急度:★★★★★|騙されやすさ:初心者〜中級者

送信者名
japanpost-info、yuupack-delivery など
典型的な本文
「ゆうパックのお届けにお伺いしましたが、ご不在でした。再配達はこちらから。」
危険ポイント
正規ドメイン(post.japanpost.jp)ではない偽ドメインを使用。

パターン22:書留配達通知偽装

緊急度:★★★★★|騙されやすさ:初心者

「書留郵便が届いています。受取確認が必要です」として本人確認情報を要求します。

パターン23:国際郵便税関通知偽装

緊急度:★★★★★|騙されやすさ:初心者〜中級者

「国際郵便物が税関で保留されています。関税のお支払いが必要です」として決済情報を窃取します。(詳細は後述)

パターン24:郵便局留め通知偽装

緊急度:★★★★|騙されやすさ:中級者

「郵便局でお預かり中の郵便物があります。受取には確認が必要です」として個人情報を収集します。

パターン25:配送遅延謝罪偽装

緊急度:★★★|騙されやすさ:中級者

「配送遅延のお詫びとして補償を行います。受取口座をご登録ください」として口座情報を窃取します。

パターン26:ゆうびんID偽装

緊急度:★★★★★|騙されやすさ:中級者〜上級者

「ゆうびんIDのセキュリティ確認が必要です」としてログイン情報を窃取します。

パターン27:年賀状・はがき配達偽装

緊急度:★★★|騙されやすさ:初心者(季節限定)

年末年始に「年賀状のお届け状況をお知らせします」として偽サイトへ誘導します。

パターン28:レターパック追跡偽装

緊急度:★★★★|騙されやすさ:中級者

「レターパックの配達状況が更新されました」として追跡を装い偽サイトへ誘導します。

パターン29:e転居サービス偽装

緊急度:★★★★★|騙されやすさ:中級者

「転居届の確認が必要です」として新旧住所の両方を収集します。

パターン30:My Post偽装

緊急度:★★★★★|騙されやすさ:中級者〜上級者

「My Postアカウントに不正アクセスがありました」としてログイン情報を窃取します。


配送業者別の公式見解と正規連絡方法【重要】

宅配 フィッシングを見破るための最重要情報として、各配送業者の公式対応を整理します。

各社の公式連絡方法一覧

配送業者 公式SMS送信 公式メール 公式アプリ 確認方法
ヤマト運輸 ○(メンバーズ登録者のみ) クロネコヤマト公式アプリ 送り状番号で追跡
佐川急便 ○(スマートクラブ会員のみ) スマートクラブアプリ お問い合わせ送り状No.
日本郵便 ○(追跡サービス登録者) 日本郵便アプリ 追跡番号確認
Amazon配送 ×(アプリ通知のみ) Amazonアプリ 注文履歴で確認
楽天配送 × 楽天市場アプリ 購入履歴確認

絶対に覚えるべき正規ドメイン一覧

この一覧は印刷して手元に置くことを推奨します。

配送業者 正規ドメイン 偽ドメインの例
ヤマト運輸 kuronekoyamato.co.jp yamato-delivery.com
佐川急便 sagawa-exp.co.jp sagawa-express.net
日本郵便 post.japanpost.jp japanpost-delivery.com
重要な判断基準
上記の正規ドメイン以外から送られてきたSMS・メールは、すべて偽物の可能性があります。

各社の注意喚起ページ

各配送業者は公式サイトで不在通知詐欺への注意喚起を行っています。

各社の緊急連絡先

配送業者 電話番号 受付時間
ヤマト運輸 0120-01-9625 8:00〜21:00
佐川急便 0120-33-4235 8:00〜20:00
日本郵便 0120-23-28-86 8:00〜21:00(平日)

関税・国際配送を装う詐欺の巧妙化【NEW】

近年急増しているのが、国際郵便の関税支払いを装った配送詐欺です。

国際郵便偽装の典型的な手口

典型的な件名
「【日本郵便】国際郵便物の税関手続きについて」「【重要】関税のお支払いが必要です」
典型的な本文
「お客様宛の国際郵便物が税関で保留されています。関税980円のお支払いが必要です。48時間以内にお手続きください。」

危険ポイント:

特徴 説明
少額設定 数百円〜数千円で警戒心を下げる
期限設定 「48時間以内」で焦らせる
追跡番号 形式が不自然(桁数や文字種が異なる)
支払い方法 クレジットカード情報を直接要求

EMSや国際宅配便の偽装パターン

サービス 偽装パターン 正規ドメイン
FedEx 配送状況確認、関税通知 fedex.com
DHL 税関手続き、住所確認 dhl.com
UPS 配達予定通知、追加料金請求 ups.com

正規の関税支払い方法

本物の関税支払いは以下の方法で行われます:

  1. 配達員への現金支払い: 配達時に配達員が関税額を徴収
  2. 税関からの正式通知書: 郵送で届く正式な通知
  3. 後納制度: 事前申請による後払い(法人向け)

重要: 正規の手続きでは、SMSやメール内のリンクから直接クレジットカード情報を入力させることはありません。

詳しくはフィッシング詐欺とは?完全ガイドも参照してください。


偽サイトの見分け方と確実な確認手順【実践ガイド】

宅配 フィッシングから身を守るための具体的な確認手順を解説します。

STEP 1:URL確認の必須テクニック

5秒でできるURL確認法:

  1. ブラウザのアドレスバーを長押し
  2. URL全体をコピー
  3. 公式ドメインと完全一致するか確認

危険なURLの特徴:

パターン 危険度
ハイフン挿入 yamato-delivery.com ★★★★★
偽ドメイン追加 kuronekoyamato.co.jp.delivery.com ★★★★★
短縮URL bit.ly/xxxxx ★★★★★
IPアドレス直指定 http://123.456.78.90 ★★★★★
HTTPSなし http://〜(sなし) ★★★★

安全なURLの条件:

  • httpsで始まる
  • 正規ドメインのみ(上記一覧参照)
  • SSL証明書が有効

STEP 2:送り状番号での確認手順【絶対安全】

この方法なら100%安全に確認できます。

  1. SMSやメールのリンクは絶対にクリックしない
  2. ブラウザを開き、「ヤマト運輸」などと直接検索
  3. 公式サイトの「荷物追跡」「荷物お問い合わせ」を選択
  4. 送り状番号を入力して確認
  5. 番号が存在しない → 100%偽物と判断
項目 内容
所要時間 2分
安全度 100%
難易度 ★☆☆☆☆(超簡単)

STEP 3:公式アプリでの確認

ダウンロード方法
必ずApp Store(iPhone)またはGoogle Play(Android)から直接検索してダウンロード。SMSやメールのリンクからは絶対にダウンロードしない。
確認ポイント
提供元が公式(ヤマト運輸株式会社、佐川急便株式会社など)であることを確認。レビュー数と評価もチェック。
メリット
アプリ内で荷物追跡から再配達依頼まですべて完結。偽サイトに誘導されるリスクがゼロ。

詳しい見分け方はフィッシング詐欺かどうか確かめる方法を参照してください。


スマートフォンでの防御設定【iPhone/Android別】

不在通知詐欺を未然に防ぐためのスマートフォン設定を解説します。

iPhone(iOS)の設定

設定1:不明な差出人をフィルタ

設定手順: 設定 → メッセージ → 不明な差出人をフィルタ → ON

効果: 連絡先に登録されていない番号からのSMSを別フォルダに自動分離

設定2:iMessageのフィルタリング

設定手順: 設定 → メッセージ → 既知の送信者のみに通知 → ON

効果: 連絡先以外からのメッセージ通知を抑制

設定3:迷惑電話防止アプリの導入

推奨アプリ: Whoscall、電話帳ナビ

所要時間: 設定完了まで約5分

Androidの設定

設定1:Googleのスパムフィルタ

設定手順: メッセージアプリ → 設定 → スパム保護 → ON

効果: 自動的に迷惑SMSを検出してフィルタリング

設定2:キャリア別迷惑メール設定

キャリア 設定名 設定方法
docomo ドコモメール設定 My docomo から設定
au 迷惑メールフィルター auお客さまサポートから設定
SoftBank 迷惑メールブロック設定 My SoftBankから設定

設定3:セキュリティアプリの導入

推奨: Google Play Protect(標準機能・追加設定不要)

これらの設定は個人のフィッシング詐欺対策完全ガイドでも詳しく解説しています。


偽サイトにアクセス・情報入力してしまった場合の緊急対応

配送詐欺の被害に遭ってしまった場合の時系列別対応を解説します。

0-5分以内:最優先行動

チェック 行動内容
インターネット接続を切断(Wi-Fi OFF、機内モード ON)
入力した情報を紙にメモ(入力日時、サイトURL、入力内容)
スクリーンショットを保存(証拠として重要)

5-10分以内:金銭被害の防止

クレジットカード情報を入力した場合
即座にカード裏面の電話番号に連絡し、カード利用停止を依頼。不正利用がないか確認を求める。
銀行口座情報を入力した場合
銀行に電話して状況を説明し、口座監視の強化を依頼。

10-30分以内:端末の安全確保

端末 対応
iPhone 基本的にウイルススキャン不要(iOSの仕様上)。ただし不審なアプリがないか確認
Android Google Play Protectを実行。身に覚えのないアプリは即削除

30分-1時間以内:公式への報告

報告先 連絡先
配送業者 ヤマト:0120-01-9625、佐川:0120-33-4235、日本郵便:0120-23-28-86
フィッシング対策協議会 https://www.antiphishing.jp/report/
警察相談ダイヤル #9110

やってはいけないNG行動

  • ❌ 偽サイトに再度アクセスする
  • ❌ SMSに返信する
  • ❌ 添付ファイルを開く
  • ❌ 「確認のため」と称する電話に応答する
  • ❌ 一人で抱え込む

詳細な緊急対応手順はフィッシング被害直後30分の緊急対応を参照してください。


家族・高齢者に教えるべき3つのシンプルルール

宅配 フィッシングから家族を守るための、シンプルで覚えやすい3つのルールを紹介します。

ルール1:SMSのリンクは絶対に押さない

家族への説明例:

「お母さん、スマホに宅配便のメッセージが来ても、そこに書いてあるリンクは絶対に押さないでね。荷物が本当に来るなら、玄関に不在票が入ってるから。確認したい時は、私に電話してね。」

覚えやすいフレーズ:

リンクを押す前に、家族に電話

ルール2:電話番号をメモして直接電話

緊急連絡先リスト(印刷推奨):

配送業者 電話番号
ヤマト運輸 0120-01-9625
佐川急便 0120-33-4235
日本郵便 0120-23-28-86

使い方:

  1. このリストを電話の横に貼る
  2. 不在通知が来たら、この番号に電話
  3. 送り状番号を伝えて確認

ルール3:お金や個人情報は絶対に入力しない

配送業者が絶対に要求しない情報:

  • ❌ クレジットカード番号
  • ❌ 銀行口座情報
  • ❌ 暗証番号・パスワード
  • ❌ マイナンバー

これらを求められたら100%詐欺です。


配送業者を装うフィッシング詐欺の今後の予測

不在通知詐欺は今後さらに巧妙化すると予測されています。

AI音声技術の悪用

予測される手口
配送ドライバーの声を模倣したAI音声による電話。「本人確認のため」と称して個人情報を聞き出す。
対策
電話で個人情報を伝える前に、必ず折り返し確認を行う。公式の電話番号にかけ直して本人確認を求める。

偽アプリのさらなる巧妙化

予測される手口
公式アプリに酷似したUIを持つ偽アプリが、App StoreやGoogle Playの審査をすり抜けて配布される。
対策
提供元(デベロッパー)が公式企業であることを厳重に確認。ダウンロード数やレビューの内容もチェック。

IoT機器との連携詐欺

予測される手口
スマートロックや宅配ボックスのシステムを悪用した詐欺。「解錠コード」を装って認証情報を窃取。
対策
IoT機器には必ず[多要素認証](/security/accounts/mfa-bypass/)を設定。不審な解錠要求には応じない。

これらの新しい脅威については業界別フィッシング詐欺対策でも継続的に情報を更新しています。


よくある質問(FAQ)

Q1: 本物の不在通知との見分け方は?
A: 最も確実な方法は、SMSやメールのリンクを使わず、公式サイトで送り状番号を直接検索することです。本物であれば必ず荷物が見つかります。また、玄関ポストに不在票が入っているか確認してください。デジタル通知だけでなく、物理的な不在票があるかどうかが重要な判断材料になります。正規の配送業者は、SMSだけで連絡を完結させることは基本的にありません。
Q2: リンクをクリックしただけで被害に遭いますか?
A: リンクをクリックしただけで、情報入力をしていなければ、直接的な被害リスクは低いです。ただし、一部の悪質なサイトでは、アクセスしただけでマルウェアがダウンロードされる場合があります。念のため、ウイルススキャン(Androidの場合)を実行し、不審なアプリがインストールされていないか確認してください。iPhoneの場合は仕様上リスクは低いですが、Safariの履歴とWebサイトデータを削除することをおすすめします。
Q3: 家族が騙されてカード情報を入力してしまったらどうすれば?
A: まず落ち着いて、カード裏面に記載されている電話番号にすぐ連絡してください。24時間対応の緊急ダイヤルがあります。カードの利用停止を依頼し、不正利用がないか確認を求めてください。その後、入力した情報(サイトURL、入力日時、入力内容)をメモし、警察(#9110)やフィッシング対策協議会に報告してください。ご家族を責めず、一緒に対応することが大切です。
Q4: 配送業者からSMSが来ることはありますか?
A: はい、正規のSMSが届くことはあります。ただし、ヤマト運輸の「クロネコメンバーズ」、佐川急便の「スマートクラブ」、日本郵便の「追跡サービス」に事前登録している場合に限られます。登録した覚えがないのにSMSが届いた場合は、詐欺の可能性が高いです。また、正規のSMSでも、リンクをクリックせず公式アプリや公式サイトから確認する習慣をつけてください。
Q5: 偽サイトにアクセスした後、何日間注意すべきですか?
A: 最低でも1ヶ月間は警戒を続けてください。特に以下の点に注意が必要です。クレジットカードの明細を毎日確認し、身に覚えのない請求がないかチェック。迷惑メールや不審な電話の増加にも注意してください。個人情報が漏洩した場合、それを悪用した二次被害が数週間〜数ヶ月後に発生することもあります。不安な場合は、カードの再発行やパスワードの変更を検討してください。
Q6: 警察に通報すべきケースはどんな時ですか?
A: 以下の場合は警察への通報を強くおすすめします。実際に金銭被害が発生した場合、クレジットカードの不正利用が確認された場合、個人情報が悪用されて二次被害が発生した場合、同じ手口で繰り返し狙われている場合。警察相談ダイヤル(#9110)では、被害届の提出が必要かどうかも含めて相談できます。被害額が少額でも、情報提供は他の被害者を減らすことに貢献します。
Q7: 不審なSMSは削除すべきですか?それとも保存すべきですか?
A: 可能であれば、スクリーンショットを撮って保存してから削除することをおすすめします。スクリーンショットは、警察への相談やフィッシング対策協議会への報告の際に証拠として役立ちます。保存する際は、送信元番号、本文全体、受信日時がわかるように撮影してください。削除だけだと、後から被害届を出す際に証拠がなくなってしまう可能性があります。

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重要なお知らせ

  • 本記事は2025年11月時点の情報に基づいています
  • 詐欺の手口は日々進化しており、記載内容が全ての事例を網羅するものではありません
  • 実際に被害に遭われた場合は、警察(#9110)や消費者生活センター(188)にご相談ください
  • 本記事の内容に基づく判断により生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねます
  • 各配送業者の最新情報は、必ず公式サイトでご確認ください

データ出典

  • IPA(情報処理推進機構)「安心相談窓口だより」
  • フィッシング対策協議会「フィッシングレポート2024」
  • 警察庁「サイバー犯罪の情勢と対策」
  • 各配送業者公式サイト


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📊 業界別年間被害額(2025年)

  • 金融業界:6,200億円
  • EC・通販:450億円
  • 医療機関:120億円
  • その他:230億円

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初稿公開

京都開発研究所

システム開発/サーバ構築・保守/技術研究

CMSの独自開発および各業務管理システム開発を行っており、 10年以上にわたり自社開発CMSにて作成してきた70,000以上のサイトを 自社で管理するサーバに保守管理する。