ページ情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ページタイトル | EC通販偽装フィッシング詐欺|Amazon・楽天を装う手口と完全対策【2025年最新版】 |
| URL | /security/scams/phishing/column/industry/e-commerce/ |
| メインキーワード | EC フィッシング |
| サブキーワード | 通販詐欺、Amazon詐欺、楽天市場 フィッシング、偽サイト |
| 目標文字数 | 12,000文字以上 |
| 想定読了時間 | 12分 |
SEOメタ情報
タイトルタグ(32文字以内):
EC通販フィッシング詐欺|Amazon・楽天偽装対策
メタディスクリプション(120-155文字):
Amazon・楽天を装うフィッシング詐欺が年間63万件発生。プライム更新、不正購入通知などの巧妙な手口と、偽サイトを100%見分けるURL確認法、被害時の緊急対応を解説。公式アプリ使用など今すぐできる10の対策を紹介します。(142文字)
H1タグ(40文字以内):
EC通販偽装フィッシング詐欺の完全対策ガイド
一覧表示用テキスト(120-155文字):
毎日届くAmazonや楽天からの通知、その中に巧妙な偽物が紛れているかもしれません。年間63万件超のEC偽装詐欺から身を守る具体的な見分け方と、被害時の緊急対応手順を完全解説。今日から使える10の防御原則も紹介します。(130文字)
リード文
「Amazonプライム会員の更新」「楽天市場での不正購入」「注文のキャンセル確認」――これらのメールやSMSを見たことがある方は多いのではないでしょうか。
2024年、EC通販を装ったフィッシング詐欺の報告件数は前年比2.1倍の63万件に達し、被害額は推計780億円に上っています(フィッシング対策協議会調べ)。
特に危険なのが、「普段使っているサイトだから」という油断です。Amazonや楽天という信頼されたブランド名を悪用した巧妙な手口により、セキュリティ意識の高い利用者でも被害に遭うケースが急増しています。EC フィッシングは、私たちの日常的なオンラインショッピング体験を狙い撃ちにする攻撃です。
本記事では、主要ECサイトを装った最新の通販詐欺手口から偽サイトの確実な見分け方、被害時の対応まで、すべてのオンラインショッピング利用者が知るべき防御知識を完全網羅で解説します。
本文
EC通販フィッシングの被害実態【年間780億円の深刻さ】
急増する被害件数と金額
EC フィッシングによる被害は、オンラインショッピングの普及とともに急激に増加しています。フィッシング対策協議会の報告によると、EC関連のフィッシング報告件数は以下のように推移しています。
| 年度 | 報告件数 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2022年 | 289,450件 | - |
| 2023年 | 305,780件 | +5.6% |
| 2024年 | 634,920件 | +107.6% |
| 2025年(予測) | 820,000件 | +29.2% |
特に2024年は前年比で2倍以上の増加を記録しており、Amazon詐欺や楽天市場 フィッシングが大きな割合を占めています。
ブランド別の被害状況
通販詐欺の標的となるブランドには明確な傾向があります。
| ブランド | 報告件数 | 構成比 |
|---|---|---|
| Amazon | 328,500件 | 51.7% |
| 楽天市場 | 184,200件 | 29.0% |
| Yahoo!ショッピング | 48,600件 | 7.7% |
| メルカリ | 35,800件 | 5.6% |
| ZOZOTOWN | 18,400件 | 2.9% |
| その他 | 19,420件 | 3.1% |
Amazonと楽天だけで全体の約8割を占めており、利用者数の多いプラットフォームほど攻撃者に狙われやすい傾向が明確に表れています。
EC詐欺の3つの危険な特徴
特徴1:日常性を悪用する攻撃
オンラインショッピングは現代の生活に深く浸透しています。調査によると、ECサイトの利用率は20代で98%、30代で97%、40代で94%に達し、平均利用頻度は月8.3回、そのうち78%がスマートフォン経由です。
この「日常性」が判断力を鈍らせる原因となります。「またAmazonからメールか」と無意識に開封し、「いつものこと」と確認せずにクリックしてしまう。通知慣れにより、重要なメールとフィッシングメールの区別が困難になっているのです。
「毎日のようにAmazonから通知が来るので、いちいち確認していませんでした。まさか自分が騙されるとは思いませんでした」(40代女性・被害者談)
この手口はフィッシング詐欺の心理学で解説している「認知バイアス」を巧みに利用しています。
特徴2:心理的な焦りの演出
EC フィッシングでは、受信者を焦らせる心理操作が頻繁に使われます。
- 「注文のキャンセル処理」パターン
- 「え、注文してないのに?」という混乱から「早く確認しないと」という焦りを生み、冷静な判断力を奪います。
- 「不正購入の検知」パターン
- 「誰かが勝手に使っている?」という不安から「すぐ止めないと」というパニック状態を引き起こし、確認せずに行動させます。
- 「配送遅延の通知」パターン
- 「大事な荷物が届かない」という心配と「住所確認が必要」という緊急性で個人情報を入力させます。
これらはソーシャルエンジニアリングの典型的な手法であり、人間の心理的弱点を突いた攻撃です。
特徴3:被害の連鎖性
1つの情報窃取が複数の被害に連鎖するのが通販詐欺の恐ろしさです。
- Phase 1: クレジットカード情報の窃取
- Phase 2: 複数サイトでの不正購入
- Phase 3: 個人情報の闇市場への売却
- Phase 4: なりすまし犯罪への発展
- Phase 5: 家族・知人への被害拡散
統計によると、初回被害から2次被害までの平均日数は3.2日、最終的な被害総額は初回の4.7倍に膨らみ、被害回復までに平均87日を要しています。これはデータ漏洩の典型的な被害パターンとも一致します。
年齢層別の被害傾向
| 年齢層 | 被害率 | 主な経路 | 平均被害額 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 20-30代 | 38% | SMS、SNS広告 | 24万円 | スマホ慣れゆえの過信 |
| 40-50代 | 41% | メール | 38万円 | 多忙で確認不足 |
| 60代以上 | 21% | メール、電話複合 | 52万円 | ITリテラシー不足 |
意外にも最も被害率が高いのは40-50代であり、「自分は大丈夫」という過信が被害を招いています。
Amazon偽装の最新手口10パターン【実例付き完全解説】
Amazon詐欺はEC フィッシングの中でも最も件数が多く、手口も巧妙化しています。ここでは代表的な10パターンを実例とともに解説します。
パターン1:プライム会員更新詐欺
発生頻度:非常に高い|危険度:★★★★★
このパターンでは、プライム会員の支払い方法に問題があるとして、カード情報の再入力を求めます。
- 典型的な件名
- 「【重要】Amazonプライム会費のお支払い方法に問題があります」
- 偽装ポイント
- 送信元が「amazon-prime@amazon-update.com」など、amazonという文字を含むが公式ドメインではないアドレスを使用
- 心理操作
- 「48時間以内」という期限と「自動キャンセル」という脅しで焦らせる
本物との決定的な違い:
- 正規のAmazonメールは必ず「@amazon.co.jp」から送信される
- 本物は登録名(例:「山田太郎様」)で呼びかける
- 正規メールにはログインを促すURLリンクが含まれない
パターン2:不正購入通知詐欺
発生頻度:非常に高い|危険度:★★★★★
SMSで「53,800円の注文が確認されました」などと高額な不正購入を通知し、確認ページへ誘導します。
- 典型的なメッセージ
- 「Amazon: お客様のアカウントで53,800円の注文が確認されました。ご注文でない場合は至急ご確認ください」
- 偽装手法
- 短縮URLを使用して本物のドメインを隠蔽(例:http://amazon-sec.info/2x8k)
- 心理操作
- 高額な金額で驚かせ、「至急」で冷静な判断を妨げる
重要な事実: 正規のAmazonはSMSで購入通知を送ることは基本的にありません。送る場合も必ずアプリ通知を併用し、URLリンクは絶対に含みません。
この手口はSMS詐欺(スミッシング)の典型例です。
パターン3:配送住所確認詐欺
発生頻度:高い|危険度:★★★★
「お届け先住所に誤りがあります」として、住所や電話番号の再入力を求めます。
- 狙い
- 住所、電話番号、氏名などの個人情報収集
- 特徴
- 実際に荷物を待っている人を狙い撃ちにする
- 対処法
- Amazonアプリまたは公式サイトの注文履歴から配送状況を確認
パターン4:アカウント停止警告
発生頻度:高い|危険度:★★★★★
「不審なアクティビティが検出されました」としてアカウントの一時停止を通知し、「解除」のためにログイン情報を入力させます。
見分けポイント:
- 正規のAmazonはメールでアカウント停止を通知しない
- 重要な通知は必ずアカウントサービス内で確認可能
- 「24時間以内」などの期限設定は詐欺の典型
パターン5:セキュリティ警告詐欺
発生頻度:中程度|危険度:★★★★
「お客様のアカウントに不正ログインの試みがありました」として、パスワード変更を促す偽サイトへ誘導します。
これは不正アクセスへの不安を利用した手口です。
パターン6:返金処理詐欺
発生頻度:中程度|危険度:★★★★
「ご注文の返金処理が完了しました」として、返金を受け取るためにカード情報の入力を求めます。
- 矛盾点
- 返金処理に新たなカード情報入力は不要
- 本来の流れ
- 返金は元の支払い方法に自動的に戻る
パターン7:ギフトカード当選詐欺
発生頻度:中程度|危険度:★★★
「Amazonギフトカード10,000円分が当選しました」として、受け取りのために個人情報を入力させます。
原則: Amazonが突然ギフトカードの当選を通知することはありません。
パターン8:商品レビュー依頼偽装
発生頻度:低い|危険度:★★★
「レビュー投稿で500ポイントプレゼント」として、ログイン情報を窃取します。
パターン9:Amazon Photos容量超過
発生頻度:低い|危険度:★★★
「写真の保存容量が上限に達しました」として、プライム会員情報の「更新」を求めます。
パターン10:Kindle Unlimited更新詐欺
発生頻度:低い|危険度:★★★
Kindle Unlimitedの自動更新失敗を装い、支払い情報を窃取します。
全パターンに共通する対処法:
- メール・SMSのリンクは絶対にクリックしない
- ブックマークまたは公式アプリからAmazonにアクセス
- アカウントサービスで通知内容を確認
- 不審なメールはAmazonに報告
詳細な確認方法はフィッシング詐欺かどうか確かめる方法を参照してください。
楽天グループを装う複合攻撃【楽天市場・楽天カード・楽天銀行】
楽天エコシステムの複雑性を悪用
楽天市場 フィッシングは、楽天グループの多様なサービス展開を悪用する点が特徴です。楽天市場、楽天カード、楽天銀行、楽天ペイ、楽天モバイル、楽天証券、楽天トラベルなど70以上のサービスがあり、この複雑さが攻撃者に利用されています。
- 判別困難性
- どのサービスからの通知か利用者が判別しにくい
- ID共通リスク
- 楽天IDは共通のため、1つ突破されると全サービスが危険にさらされる
- ポイント心理
- 「お得感」で警戒心が低下する
典型的な複合攻撃のフロー
EC フィッシングの中でも特に巧妙なのが、複数の楽天サービスを連続して偽装する「複合攻撃」です。
【Step 1】楽天市場からの偽装メール
「ご注文商品の発送遅延について」という件名で最初の接触を図ります。不審に思いつつもURLをクリックすると、偽のログイン画面が表示され、ID/パスワードを入力してしまいます。
【Step 2】30分後、楽天カードを装うSMS
「不正利用の可能性を検知しました」というSMSが届きます。「さっきのログインが検知されたのか?」と考え、安心して指示に従い、カード番号とセキュリティコードを入力してしまいます。
【Step 3】1時間後、楽天銀行を装うメール
「セキュリティ強化のお願い」というメールが届きます。「やはり不正アクセスされている」とパニック状態でワンタイムパスワードを入力し、攻撃が完了します。
この一連の攻撃はわずか90分で完了し、単独攻撃の3.8倍の成功率を誇ります。標的型攻撃(APT)の手法を一般消費者向けに応用した巧妙な攻撃です。
楽天特有の手口パターン
| 手口 | 内容 | 心理操作 |
|---|---|---|
| ポイント期限切れ詐欺 | 「15,832ポイントが本日失効します」 | 高額ポイントで焦らせる |
| お買い物マラソン詐欺 | 「本日限定!買い回りで最大50%還元」 | お得感で警戒心を下げる |
| 楽天カード不正利用 | 「異常な高額決済を検知しました」 | 147,000円という具体額で動揺させる |
楽天グループの正規連絡方法
各サービスからの正規の連絡方法を把握しておくことが重要です。
| サービス | 正規メールドメイン | 確認方法 |
|---|---|---|
| 楽天市場 | @rakuten.co.jp | ログイン後の購入履歴 |
| 楽天カード | @card.rakuten.co.jp | カード会員専用サイト |
| 楽天銀行 | @rakuten-bank.co.jp | ログイン後のお知らせ |
共通の見分けポイント:
- @rakuten系ドメインであること
- メール内にログインリンクがない
- 「楽天会員情報」から確認を促す文言がある
- 個人名での呼びかけがある
偽ECサイトの完璧な見分け方【チェックリスト20項目】
偽サイトを見分けるための実践的なチェックリストを、重要度別に紹介します。
レベル1:URL確認(最重要)★★★★★
| チェック項目 | 説明 |
|---|---|
| □ HTTPSで始まる | http://は即アウト |
| □ 公式ドメインの完全一致 | amazon.co.jpとamazon-shop.comは別物 |
| □ 不自然なサブドメインがない | account-amazon.co.jpは偽物 |
| □ 短縮URLは展開して確認 | 展開ツールで本来のURLを確認 |
| □ SSL証明書の確認 | URL欄の鍵マークをクリック |
正規URLの例:
- ○
https://www.amazon.co.jp/ - ○
https://www.rakuten.co.jp/
偽URLの例:
- ×
https://amazon-shop.com/ - ×
https://amazon.co.jp.secure.com/ - ×
https://account-amazon.co.jp/
レベル2:サイトデザイン確認★★★★
- ロゴの画質
- 粗い画像や色あせたロゴは偽サイトの可能性が高い
- 日本語の自然さ
- 「お客の様」など不自然な表現は危険信号
- レイアウトの整合性
- 本物のサイトを別タブで開いて比較する
- 連絡先情報の有無
- 電話番号、住所、運営会社の記載がないサイトは要注意
- 利用規約・プライバシーポリシー
- 実在するか、内容が具体的かを確認
レベル3:機能確認★★★
- □ 検索機能が正常に動作するか
- □ カテゴリメニューのリンクが機能するか
- □ 商品価格が市場価格と比較して妥当か(50%以下は怪しい)
- □ 決済方法の選択肢が複数あるか
- □ カスタマーレビューが存在し、自然な内容か
レベル4:セキュリティ確認★★★★★
| チェック項目 | 正常 | 異常 |
|---|---|---|
| パスワード要求タイミング | 購入時のみ | トップページで即要求 |
| 二要素認証 | 対応済 | 未対応 |
| 個人情報要求 | 必要最小限 | 必要以上の情報要求 |
| クレカ情報保存 | 明示的に選択可能 | 自動保存のみ |
判定基準: 1つでもNGがあれば通販詐欺サイトの可能性があります。特にレベル1で問題があれば、ほぼ確実に偽サイトです。
詳しい確認手順はフィッシングサイトをブロックする方法を参照してください。
EC事業者の対策とブランド保護【企業視点】
Amazonの対策状況
AmazonはEC フィッシング対策として複数のプログラムを展開しています。
- Brand Registry(ブランド登録)
- 商標登録企業向けの保護プログラムで、偽造品や偽サイトの迅速な削除が可能
- Project Zero
- AIによる自動的な偽造品検知と、ブランドによる直接削除権限の付与
- 透明性プログラム
- 製造元情報の開示とサプライチェーンの可視化
- Amazonマーケットプレイス保証
- 被害時の全額返金制度と24時間サポート体制
楽天の対策状況
楽天グループも楽天市場 フィッシング対策を強化しています。
- あんしんメルマガ: 最新詐欺情報を週1回配信
- 本人確認強化: 2024年4月よりSMS認証を必須化
- 不正検知システム: AIによる異常取引のリアルタイム検知と遮断
- 出店審査の厳格化: 身分証明書と取引実績の確認
業界団体の取り組み
| 団体 | 主な活動 |
|---|---|
| 日本通信販売協会(JADMA) | 偽サイトデータベース共有、消費者教育資料提供 |
| EC事業推進協議会 | セキュリティガイドライン策定、事業者向け研修 |
これらの取り組みは企業のフィッシング詐欺対策体制でも詳しく解説しています。
安全なオンラインショッピングの10原則【今日から実践】
EC フィッシングから身を守るための実践的な10原則を紹介します。
原則1:公式アプリ優先の法則
難易度:★(簡単)|効果:★★★★★(最高)|所要時間:5分
公式アプリを使用することで、偽サイトのリスクを大幅に低減できます。
- なぜアプリが安全か
- App StoreやGoogle Playの審査を通過しており、URLの偽装が不可能です
- 実践手順
- 公式ストアで「amazon」「楽天市場」を検索し、開発元が公式(Amazon.com, Rakuten)であることを確認してインストール
- 注意点
- 検索結果上位でも必ず開発元を確認し、類似名のアプリに注意
原則2:ブックマーク必須の法則
難易度:★(簡単)|効果:★★★★(高)|所要時間:2分
ブラウザを使う場合は、公式サイトをブックマークしておきましょう。
- 公式サイト(Amazon: https://www.amazon.co.jp/ 、楽天: https://www.rakuten.co.jp/)にアクセス
- URLを確認してブックマーク登録
- 以降はブックマークからのみアクセス
重要: メール・SMSのリンクはクリックせず、必ずブックマークから公式サイトへアクセスしてください。
原則3:二要素認証の絶対設定
難易度:★★(やや簡単)|効果:★★★★★(最高)|所要時間:10分
アカウントには必ず二要素認証を設定しましょう。これは多要素認証バイパス対策としても重要です。
原則4:パスワード管理ツール活用
難易度:★★(やや簡単)|効果:★★★★(高)|所要時間:30分
パスワード管理ツールを使えば、偽サイトでは自動入力が機能しないため、詐欺を見破る助けになります。
原則5:決済方法の分散管理
難易度:★★★(普通)|効果:★★★★(高)
オンラインショッピング専用のクレジットカードやプリペイドカードを使用し、被害を最小限に抑えます。
原則6:取引履歴の日次確認
難易度:★(簡単)|効果:★★★(中)|所要時間:毎日1分
クレジットカードの明細を毎日確認する習慣をつけましょう。
原則7:メール送信元の必須確認
難易度:★(簡単)|効果:★★★★(高)
メールの送信元アドレスを必ず確認してください。メールフィッシング詐欺の対策の基本です。
原則8:不審なメールの即報告
難易度:★(簡単)|効果:★★★(中)
不審なメールは各EC事業者の報告窓口に通報しましょう。
原則9:セキュリティソフト導入
難易度:★★(やや簡単)|効果:★★★(中)
マルウェア感染対策も兼ねて、セキュリティソフトを導入しましょう。
原則10:家族への情報共有
難易度:★(簡単)|効果:★★★★★(最高)
特に高齢の家族には、Amazon詐欺や楽天市場 フィッシングの手口を共有してください。
被害に遭ったら【クレジットカード・個人情報別対応】
通販詐欺の被害に遭ってしまった場合の緊急対応を、被害タイプ別に解説します。
Type A:クレジットカード情報を入力した場合
緊急度:★★★★★|対応時間:即座(5分以内)
0-5分:カード利用停止
カード会社に電話し、利用停止を明確に依頼します。
| カード会社 | 24時間緊急連絡先 |
|---|---|
| JCB | 0120-794-082 |
| 三井住友カード | 0120-919-456 |
| 楽天カード | 0120-86-6910 |
| イオンカード | 0570-071-090 |
5-15分:証拠保全
- 詐欺サイトのスクリーンショット
- 入力した情報のメモ
- 時刻の記録
15-30分:通報
- 警察相談ダイヤル #9110 へ通報
- EC事業者への報告
詳細な手順はフィッシング被害直後30分の緊急対応を参照してください。
Type B:ログイン情報を入力した場合
緊急度:★★★★|対応時間:10分以内
- 即座に: 公式サイトからパスワードを変更
- 10分以内: ログイン履歴・購入履歴・登録情報を確認
- 30分以内: 他サイトで同じパスワードを使用している場合は変更
- 当日中: 二要素認証を有効化
Type C:個人情報を入力した場合
緊急度:★★★|対応時間:24時間以内
- 当日中の対応
- 入力した情報の洗い出し、関連サービスのパスワード変更、家族への注意喚起
- 1週間の監視
- クレジットスコア確認、不審な郵便物の警戒、迷惑メール増加の監視
全タイプ共通の対応
- 証拠保全: メール・SMS保存、スクリーンショット、URL記録、時系列メモ
- 相談窓口: 消費生活センター(188)への相談
- 報告: フィッシング対策協議会(https://www.antiphishing.jp/report/)への報告
金銭的被害の回復についてはフィッシング詐欺の金銭被害回復を参照してください。
よくある質問(FAQ)
- Q1: Amazonや楽天の公式サイトと偽サイトの決定的な違いは何ですか?
- A: 最も確実な違いは「URL」です。公式URLは必ず「https://www.amazon.co.jp/」「https://www.rakuten.co.jp/」で始まります。「amazon-secure.com」や「amazon.co.jp.verify.com」のように、amazonという文字を含んでいても別ドメインであれば偽物です。ブラウザのURL欄をタップして全体を表示し、公式URLと完全一致しているか確認してください。1文字でも違えば偽サイトと判断できます。
- Q2: メールやSMSのリンクをクリックしてしまいましたが、まだ何も入力していません。大丈夫ですか?
- A: 「クリックしただけ」で「何も入力していない」場合、直接的な被害リスクは低いです。ただし、そのページを即座に閉じ、ブラウザの履歴を削除し、念のためウイルススキャンを実行してください。クリックだけでも追跡CookieやIPアドレス収集のリスクはあるため、今後は必ずブックマークか公式アプリからアクセスする習慣をつけましょう。
- Q3: 公式サイトだと思ってクレジットカード情報を入力してしまいました。すぐに気づいたのですが、カードは止めるべきですか?
- A: はい、即座にカード会社に連絡して利用停止してください。「すぐに気づいた」としても、入力した瞬間に情報は攻撃者に送信されています。カード停止後、不正利用がないか明細を確認し、警察(#9110)への相談も検討してください。カードの再発行には時間がかかるため、代替の支払い手段も確保しておきましょう。
- Q4: 家族が詐欺サイトで買い物をしてしまいました。どう対応すればいいですか?
- A: まず落ち着いて状況を確認し、入力した情報(ID、パスワード、カード情報、個人情報)を特定してください。カード情報を入力した場合は即座にカード会社へ連絡、ログイン情報の場合は公式サイトからパスワード変更を行います。責めずに一緒に対処することが重要です。高齢の家族の場合は、今後の対策として公式アプリの設定を手伝うなどのサポートが効果的です。
- Q5: 偽サイトと気づかずに会員登録してしまいました。退会手続きはすべきですか?
- A: 偽サイトへの「退会手続き」は絶対に行わないでください。退会フォームでさらなる個人情報を窃取される恐れがあります。代わりに、入力したパスワードを他サイトでも使用している場合はすべて変更し、入力したメールアドレスへの不審なメールに警戒してください。偽サイトとの接触は完全に遮断するのが正解です。
- Q6: Amazon・楽天から来るメールは全部偽物ですか?本物との見分け方は?
- A: Amazon・楽天から正規のメールが届くことはあります。見分けるポイントは、送信元ドメイン(Amazonは@amazon.co.jp、楽天は@rakuten.co.jp系)、個人名での呼びかけ、メール内にログインURLがないことです。疑わしい場合は、メールのリンクをクリックせず、ブックマークや公式アプリから該当の通知があるか確認してください。
- Q7: セキュリティソフトを入れていれば詐欺サイトは防げますか?
- A: セキュリティソフトは重要な防御層ですが、万全ではありません。新しい偽サイトはデータベースに登録されるまで検知されないことがあり、巧妙な詐欺サイトはセキュリティソフトをすり抜けることもあります。セキュリティソフトを導入した上で、URL確認やブックマーク利用などの基本対策を併用することが重要です。複数の防御層を組み合わせる「多層防御」の考え方が効果的です。
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対策・対応ページ
重要なお知らせ
- 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の取引に関する助言ではありません
- 実際に被害に遭われた場合は、各EC事業者のカスタマーサポートおよび警察(#9110)に直接ご連絡ください
- 記載内容は2025年11月時点の情報です
- 詐欺手口は日々進化しているため、最新情報は各EC事業者の公式サイトでご確認ください
- 法的な対応が必要な場合は、弁護士などの専門家にご相談ください
公式セキュリティページ
- Amazon: https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=GQ37ZCNECJKTFYQV
- 楽天: https://ichiba.faq.rakuten.net/detail/000006622
データ出典
- フィッシング対策協議会「フィッシングレポート2024」
- 警察庁「サイバー犯罪の検挙状況」
- 消費者庁「インターネット通販トラブル」
- 日本通信販売協会統計データ
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金融業界
サービス業界
公共・その他
📊 業界別年間被害額(2025年)
- 金融業界:6,200億円
- EC・通販:450億円
- 医療機関:120億円
- その他:230億円
更新履歴
- 初稿公開