高齢者のフィッシング詐欺対策|シニア世代を守る簡単ガイド【家族向け設定マニュアル付】

フィッシング詐欺の被害者のうち、60代以上の方が約30%を占めています。しかも、平均被害額は78万円と、現役世代の2倍以上。「スマホやパソコンは苦手だから…」と不安に思われている方、離れて暮らす親御さんが心配な方も多いのではないでしょうか。

でも、ご安心ください。詐欺師の手口は巧妙ですが、たった3つのシンプルなルールを守るだけで、多くの被害を防ぐことができます。難しい操作は必要ありません。

この記事では、高齢者ご本人向けの「覚えやすい3つのルール」、ご家族向けの「代わりに設定できる10の方法」、そして「よくある詐欺の手口と見分け方」を、やさしい言葉で解説します。冷蔵庫に貼れる印刷用チェックリストもご用意しました。

一人で悩まず、家族や地域の力を借りて、一緒に守っていきましょう。

なぜ高齢者が狙われやすいのか【知ることから始める】

「なぜ私たちが狙われるの?」——まずは、その理由を知ることから始めましょう。敵を知れば、守り方も見えてきます。

高齢者の被害実態【2025年最新データ】

フィッシング詐欺の被害は、年齢に関係なく誰にでも起こりえます。しかし、統計を見ると、高齢者の方は特に狙われやすく、被害も大きくなりやすいことがわかります。

項目 高齢者(60代以上) 現役世代(20-50代)
被害に遭った割合 全体の30% 全体の70%
1件あたりの平均被害額 78万円 28万円
お金が戻ってきた割合 15% 40%

高齢者は被害に遭いやすく、被害額も大きく、お金を取り戻すのも難しいのが現実です。だからこそ、「被害に遭わないこと」が何より大切です。

狙われる5つの理由【優しい説明】

詐欺師はなぜ高齢者を狙うのでしょうか。その理由を知っておくと、「自分も気をつけよう」という意識が高まります。

理由1:スマートフォンやパソコンに不慣れ
「メールとLINEくらいしか使わない」「よく分からないボタンを押してしまう」——そんな方は少なくありません。詐欺師は、その「分からない」という気持ちを利用します。分からないから、言われるままにリンクを押してしまうのです。
理由2:警戒心が薄い
長い人生の中で培った「人を信じる心」は、本来とても素晴らしいものです。しかし、詐欺師はその優しさを悪用します。「銀行からの連絡だから」「役所からだから」と信じてしまい、なりすましに気づきにくいのです。
理由3:資産を持っている
退職金、長年の貯金、不動産——高齢者の方は、若い世代より多くの資産をお持ちのことが多いです。詐欺師にとって、それは「狙う価値がある」ということ。悲しいことですが、これが現実です。
理由4:相談相手が少ない
一人暮らしの方、配偶者に先立たれた方は、「ちょっとおかしいな」と思っても相談する相手がいないことがあります。そのため、騙されていることに気づくのが遅れてしまいます。
理由5:優しくて断れない性格
「相手に悪いから」「困っているなら助けたい」——そんな優しい気持ちを、詐欺師は利用します。心の優しさは素晴らしいことですが、知らない相手には「断る勇気」も必要です。

実例から学ぶ:田中さん(75歳・仮名)の被害

※以下は典型的な被害パターンを基に構成した架空の事例です。

田中さん(75歳)は、ある朝、スマートフォンに届いた1通のメールを見て驚きました。

メールの内容:
「年金事務所からのお知らせです。年金の受け取りに問題が発生しました。本日中に以下のリンクから確認手続きを行ってください。手続きが完了しない場合、年金の支払いが停止される可能性があります。」

田中さんは慌てました。年金が止まったら生活できません。メールに書いてあるリンクを押すと、年金事務所のような画面が表示されました。

言われるままに「マイナンバー」「銀行口座番号」「暗証番号」を入力してしまいました。

2時間後、銀行口座から180万円が引き出されていることに気づきました。

なぜ田中さんは騙されてしまったのでしょうか:

  1. 「年金が止まる」という言葉で慌ててしまった
  2. 画面が本物そっくりだったので信じてしまった
  3. 誰にも相談せず、一人で対応してしまった

田中さんのせいではありません。 詐欺師はプロです。誰でも騙される可能性があります。大切なのは、「こういう手口がある」と知っておくことです。

フィッシング詐欺の基本については「フィッシング詐欺とは?」、メールを使った詐欺については「メールフィッシング詐欺の全て」で詳しく解説しています。


高齢者の方ご本人へ|3つの「絶対にしないこと」【シンプルなルール】

難しいことは必要ありません。たった3つのルールを覚えてください。これだけで、多くの詐欺被害を防ぐことができます。


ルール1|メールやLINEのリンクを押さない

リンクとは、メールやLINEの中にある青い文字ボタンのことです。

なぜ押してはいけないのか

リンクを押すと、偽物のサイトに飛ばされることがあります。

そこで個人情報を入力すると、お金を盗まれます。

本物の銀行や役所のサイトに見えても、実は偽物かもしれません。

どうすればいいのか

リンクは押さずに、電話で確認しましょう。

  • 銀行からのメール → 銀行に電話して確認
  • 年金事務所からのメール → 年金事務所に電話して確認
  • カード会社からのメール → カード会社に電話して確認

電話番号の調べ方(重要)

メールに書いてある電話番号は使わないでください。

それも偽物かもしれません。

正しい電話番号の調べ方:

  1. 通帳、年金手帳、カードの裏を見る
  2. そこに書いてある電話番号にかける
  3. 「こういうメールが来たのですが、本物ですか?」と聞く

所要時間はたった5分。でも、180万円を守れます。


ルール2|個人情報を教えない

教えてはいけない情報

以下の情報は、電話でもメールでも、絶対に教えないでください。

  • マイナンバー(12桁の番号)
  • 銀行の口座番号
  • 銀行の暗証番号(4桁の数字)
  • クレジットカードの番号
  • LINEやメールに届いた認証番号

覚え方

「お金に関係する番号は、誰にも教えない」

これだけ覚えてください。

もし聞かれたら

こう言いましょう:

「すぐには答えられません。家族に相談してから連絡します。」

本物の銀行や役所なら、必ず待ってくれます。

「今すぐ教えてください」と言われたら、それは詐欺です。


ルール3|急がない・慌てない

詐欺師がよく使う言葉

詐欺師は、あなたを慌てさせようとします。

  • 今日中に対応してください」
  • すぐに手続きしないと停止されます」
  • 至急ご連絡ください」

こういう言葉が出てきたら、要注意です。

どうすればいいのか

慌てないでください。

まず、家族に電話してください。

娘さん・息子さんの電話番号:_______________

↓

一緒に確認しましょう。

本物の銀行や役所なら

  • 「急いでください」とは言いません
  • 必ず書面(封筒)でも通知が来ます
  • 電話を切っても、怒りません

【印刷用】3つのルール チェックリスト

この紙を切り取って、冷蔵庫に貼っておきましょう。

┌─────────────────────────────────────┐
│                                     │
│  【詐欺から身を守る3つのルール】    │
│                                     │
│  □ リンクを押さない                │
│                                     │
│  □ 個人情報を教えない              │
│                                     │
│  □ 急がない・慌てない              │
│                                     │
│  □ 迷ったら家族に電話              │
│                                     │
│  家族の電話番号:__________________ │
│                                     │
└─────────────────────────────────────┘

フィッシング対策の基本については「フィッシング対策の基本5原則」もご覧ください。


ご家族の方へ|親のスマホを守る10の設定【代行OK】

ここからは、ご家族の方に向けた内容です。

高齢の親御さんに「自分で設定して」と言っても、難しいのが現実です。あなたが代わりに設定してあげてください。

すべての設定を合わせても、約1時間で完了します。月1回の訪問時や、帰省のタイミングで実施しましょう。


設定1|スマホを最新版に更新【重要度★★★★★】

なぜ必要か

古いスマホは、セキュリティに穴があり、詐欺師に狙われやすいです。最新版にすることで、その穴をふさぎます。

設定方法:iPhone

  1. 「設定」(歯車のマーク)をタップ
  2. 「一般」をタップ
  3. 「ソフトウェアアップデート」をタップ
  4. 「ダウンロードしてインストール」をタップ
  5. 完了まで待つ(10〜20分程度)

設定方法:Android

  1. 「設定」をタップ
  2. 「システム」をタップ
  3. 「システムアップデート」をタップ
  4. 「今すぐダウンロード」をタップ
  5. 完了まで待つ(10〜20分程度)

親への説明

「スマホが新しくなって、安全になったよ」

所要時間:15分


設定2|画面ロック(パスコード・指紋)設定

なぜ必要か

スマホを落としたり、盗まれたりしても、他の人が中を見られなくなります。

設定方法:iPhone

  1. 「設定」→「Face IDとパスコード」(または「Touch IDとパスコード」)
  2. 「パスコードをオンにする」
  3. 6桁の数字を設定(親御さんが覚えやすい数字)
  4. 指紋認証も設定(親御さんの指を登録)

設定方法:Android

  1. 「設定」→「セキュリティ」
  2. 「画面ロック」→「PIN」または「指紋」
  3. 6桁の数字を設定
  4. 指紋認証も設定

親への説明

「スマホに鍵がかかったよ。指を置けば開くから簡単だよ」

所要時間:5分


設定3|知らない電話番号を着信拒否

なぜ必要か

登録していない番号からの電話を鳴らなくすることで、詐欺電話を減らせます。

設定方法:iPhone

  1. 「設定」→「電話」
  2. 「不明な発信者を消音」をオン

設定方法:Android

  1. 「電話」アプリを開く
  2. 右上の「︙」→「設定」
  3. 「ブロック中の番号」→「不明な発信者」をオン

親への説明

「登録してある人(家族・友人)からしか電話が鳴らなくなったよ。大事な電話は留守電に入るから大丈夫」

所要時間:3分


設定4|LINEのセキュリティ設定

なぜ必要か

LINEを使った詐欺が増えています。知らない人からのメッセージを防ぎます。

設定方法

  1. LINEを開く
  2. 「ホーム」画面の右上「設定」(歯車マーク)をタップ
  3. 「プライバシー管理」をタップ
  4. 「IDによる友だち追加を許可」→オフ
  5. 「メッセージ受信拒否」→オン
  6. 「アカウント」に戻り「ログイン許可」→オフ

親への説明

「知らない人からのLINEが来なくなったよ。家族や友達からは届くから安心してね」

所要時間:5分


設定5|メールの迷惑メールフィルタ強化

なぜ必要か

詐欺メールを自動的にブロックできます。

設定方法

携帯会社(ドコモ・au・ソフトバンク・楽天)によって異なります。

共通の手順:

  1. 各携帯会社の「設定」アプリまたはWebサイトを開く
  2. 「迷惑メール対策」を探す
  3. フィルター強度を「強」に設定

分からない場合:
携帯ショップに行って「迷惑メールフィルタを強くしてください」と伝えれば、設定してもらえます。

所要時間:5分


設定6|銀行・カードの利用通知設定

なぜ必要か

お金が使われるたびにメールが届くので、不正利用にすぐ気づけます。

設定方法

  1. 親御さんの銀行・クレジットカード会社に電話
  2. 「利用の都度、メールで通知してほしい」と依頼
  3. 親御さんのメールアドレスを登録
  4. あなた(家族)のメールアドレスも登録(可能であれば)

親への説明

「お金を使うと、お知らせが来るようになったよ」

所要時間:15分(電話)


設定7|簡単な緊急連絡先ショートカット

なぜ必要か

困ったとき、すぐに電話できるようにします。

設定方法:iPhone

  1. 「連絡先」アプリで、家族・警察・銀行を登録
  2. よく使う連絡先を「よく使う項目」に追加
  3. ホーム画面にウィジェットを追加

設定方法:Android

  1. 「連絡先」アプリで登録
  2. ホーム画面にショートカットを配置

親への説明

「困ったら、この大きなボタンを押して電話してね」

所要時間:10分


設定8|位置情報共有(見守り)

なぜ必要か

万が一迷子になったとき、居場所がわかります。

設定方法:iPhone

  1. 「探す」アプリを開く
  2. 「自分」タブ→「位置情報を共有」
  3. あなた(家族)を追加

設定方法:Android

  1. 「Googleマップ」アプリを開く
  2. プロフィールアイコン→「位置情報の共有」
  3. あなた(家族)と共有

親への説明

「迷子になっても、すぐに見つけられるようにしたよ」

所要時間:5分


設定9|定期的な通帳記帳・明細確認

なぜ必要か

不審な引き出しがあれば、早期に発見できます。

やること

  • 月1回、一緒に銀行へ行って通帳記帳
  • 身に覚えのない引き出しがないか確認
  • クレジットカードの明細も一緒にチェック

所要時間:30分/月


設定10|「困ったらすぐ電話」の徹底

なぜ必要か

これが最も大切な設定です。

やること

スマホのホーム画面に、大きな文字のメモを貼る:

┌─────────────────────────┐
│ 困ったら すぐに電話    │
│                         │
│ 息子:090-XXXX-XXXX    │
│ 娘:080-XXXX-XXXX      │
│ 警察:#9110            │
└─────────────────────────┘

親への説明

「少しでも変だなと思ったら、すぐに電話してね。何度でも大丈夫だから」

所要時間:3分


【印刷用】家族向け設定チェックリスト

┌─────────────────────────────────────────────┐
│【親のスマホ設定チェックリスト】             │
│                                             │
│ □ 設定1:スマホを最新版に更新              │
│ □ 設定2:画面ロック設定                    │
│ □ 設定3:知らない電話の着信拒否            │
│ □ 設定4:LINEセキュリティ設定              │
│ □ 設定5:迷惑メールフィルタ強化            │
│ □ 設定6:銀行・カードの利用通知            │
│ □ 設定7:緊急連絡先ショートカット          │
│ □ 設定8:位置情報共有                      │
│ □ 設定9:通帳確認(月1回)                 │
│ □ 設定10:「困ったら電話」の約束           │
│                                             │
│ 実施日:____年__月__日              │
│ 次回確認:____年__月__日            │
└─────────────────────────────────────────────┘

より詳しい個人向け対策は「個人のフィッシング詐欺対策完全ガイド」をご覧ください。


よくある手口と見分け方【実例で学ぶ】

高齢者を狙う詐欺には、いくつかの「よくあるパターン」があります。手口を知っておけば、騙されにくくなります。


手口1|年金・健康保険を装った詐欺

こんなメール・電話が来ます

メール:
「年金事務所です。マイナンバーの更新が必要です。以下のリンクから手続きしてください。」

電話:
「健康保険組合です。保険証が使えなくなります。今すぐ手続きが必要です。」

見分け方

  • ✅ 年金事務所・役所は、メールで個人情報を聞きません
  • ✅ 必ず書面(封筒)でも通知が来ます
  • ✅ 「今日中に」「すぐに」は詐欺の言葉です

対処法

  1. メールは削除、電話は切る
  2. 年金手帳や保険証に書いてある電話番号を調べる
  3. その番号に自分からかけて確認する

手口2|孫・息子を装った詐欺(オレオレ詐欺)

こんな電話・LINEが来ます

電話:
「おばあちゃん、オレだよ。事故起こしちゃって、示談金が必要なんだ。誰にも言わないで。」

LINE:
「母さん、携帯変えた。急ぎでお金振り込んで。」

見分け方

  • ✅ 本物の孫・息子なら、もっと詳しく話せます(昨日何食べた?など)
  • ✅ 声が少し違う気がする → 詐欺です
  • ✅ 「誰にも言わないで」→ 必ず詐欺です

対処法

  1. 電話を一度切る
  2. 孫・息子の本当の電話番号にかけ直す
  3. 「さっき電話した?」と確認する

手口3|宅配便・不在通知の詐欺

こんなSMSが来ます

「お荷物をお届けに上がりましたが、ご不在でした。再配達はこちら(リンク)」

見分け方

  • ✅ ヤマト・佐川・日本郵便は、SMSでリンクを送りません
  • ✅ 心当たりのない荷物 → 詐欺です
  • ✅ リンクは絶対に押さない

対処法

  1. SMSは無視・削除
  2. 本当に荷物が来るか心配なら、ヤマト・佐川に電話で確認

詳しくは「宅配便偽装フィッシング詐欺」をご覧ください。


手口4|PayPay・楽天を装った詐欺

こんなメールが来ます

「PayPayに不正アクセスがありました。以下のリンクから確認してください。」

見分け方

  • ✅ PayPayを使っていないのにメールが来る → 詐欺
  • ✅ リンク先は本物そっくりの偽サイト
  • ✅ そこで情報を入力するとお金を盗まれます

対処法

  1. メールは削除
  2. PayPayアプリを直接開いて確認
  3. 何も問題なければ、それは詐欺メールでした

手口5|「当選しました」詐欺

こんなメール・SMSが来ます

「おめでとうございます!Amazonギフト券10万円分が当選しました!」
「懸賞に当選しました。受け取りはこちら。」

見分け方

  • ✅ 応募していないのに当選 → 100%詐欺
  • ✅ 「受け取り手数料が必要」→ 詐欺
  • ✅ 個人情報を入力させる → 詐欺

対処法

無視・削除

「うまい話には裏がある」——これを忘れないでください。


【印刷用】見分け方カード

この紙を、電話の横に置いておきましょう。

┌─────────────────────────────────────────┐
│【📧 メールが来たら】                    │
│ □ 知っている相手からか?              │
│ □ 心当たりがあるか?                  │
│ □ リンクは押さない                    │
│ □ 家族に電話して確認                  │
├─────────────────────────────────────────┤
│【📞 電話がかかってきたら】              │
│ □ 知っている声か?                    │
│ □ 焦らせていないか?                  │
│ □ お金の話は要注意                    │
│ □ 一度切って、かけ直す                │
├─────────────────────────────────────────┤
│【📱 SMSが来たら】                       │
│ □ リンクは押さない                    │
│ □ 削除する                            │
│ □ 家族に相談                          │
└─────────────────────────────────────────┘

電話を使った詐欺については「音声フィッシング(ビッシング)」、SMSを使った詐欺については「SMS詐欺(スミッシング)」で詳しく解説しています。


被害に遭ってしまったら【すぐにやること】

「もしかして、騙されたかもしれない…」

そう気づいたら、すぐに行動してください。 早く動けば、被害を小さくできる可能性があります。


すぐにやること(5分以内)

この順番で電話してください。

1️⃣ 家族に電話

「詐欺に遭ったかもしれない」と伝えてください。

一人で抱え込まないでください。

2️⃣ 銀行に電話(口座を止める)

通帳に書いてある銀行の電話番号にかけてください。

「口座を止めてください」 と言えば、対応してもらえます。

3️⃣ クレジットカード会社に電話(カードを止める)

カードの裏に書いてある電話番号にかけてください。

「カードを止めてください」 と言えば、対応してもらえます。

4️⃣ 警察に電話

#9110(警察相談電話)

「詐欺に遭いました」と伝えてください。


落ち着いてから(1時間以内)

5️⃣ 証拠を残す

  • 詐欺メール・SMSは削除しない
  • 電話の日時をメモ
  • 振り込んだ金額をメモ

6️⃣ 消費者ホットラインに電話

188(イヤヤ!と覚えてください)

相談員が丁寧に対応してくれます。


大切なこと【自分を責めないで】

❤️ 自分を責めないでください

詐欺師はプロです。警察官や弁護士でも騙されることがあります。あなたのせいではありません。

❤️ 恥ずかしがらないでください

家族や警察に、正直に話してください。隠していると、被害が大きくなる可能性があります。

❤️ 諦めないでください

早く対応すれば、お金が戻ってくる可能性があります。


【印刷用】緊急連絡先リスト

この紙を、冷蔵庫に貼っておきましょう。

┌─────────────────────────────────────────┐
│【詐欺に遭ったら、この順番で電話】       │
│                                         │
│ 1. 家族                                │
│    息子・娘:_________________________ │
│                                         │
│ 2. 銀行                                │
│    ○○銀行:_________________________ │
│                                         │
│ 3. クレジットカード                    │
│    ○○カード:_______________________ │
│                                         │
│ 4. 警察相談                            │
│    #9110                               │
│                                         │
│ 5. 消費者ホットライン                  │
│    188(イヤヤ)                       │
│                                         │
└─────────────────────────────────────────┘

緊急時の詳しい対応は「フィッシング被害直後30分の緊急対応」、通報先については「フィッシング詐欺の通報先一覧」をご覧ください。


地域での見守りと支援制度【一人じゃない】

一人暮らしの高齢者の方、近くに家族がいない方も、地域の力を借りることができます。


地域包括支援センターの活用

どんなところ?

高齢者の困りごとを相談できる場所です。

各市区町村に必ずあります。

相談できること

  • 詐欺の心配
  • スマートフォンの使い方
  • 見守りサービス
  • お金の管理の不安

費用

無料です。

探し方

市役所・区役所に電話して、「地域包括支援センターを教えてください」と言えば、教えてもらえます。


民生委員・見守りサービス

民生委員さん

地域の高齢者を見守ってくれるボランティアの方です。定期的に訪問して、様子を確認してくれます。

市役所・区役所に問い合わせれば、担当の民生委員さんを紹介してもらえます。

見守りサービス

  • 郵便局の見守りサービス:月1回の訪問
  • 電力会社の見守りサービス:電気の使用状況で安否確認
  • 自治体の見守りアプリ:スマホで安否確認

費用の目安:月額500円〜1,000円程度


成年後見制度

どんな制度?

判断能力が低下した場合、家族や専門家がお金の管理を手伝う制度です。

利用を検討すべき方

  • 認知症の症状がある
  • 一人で判断するのが不安
  • 詐欺に何度も遭っている

相談先

  • 地域包括支援センター
  • 社会福祉協議会
  • 弁護士・司法書士

よくある質問(FAQ)

Q: スマホは難しくて、使いこなせません。どうすれば?
A: 大丈夫です。すべての機能を使う必要はありません。「電話」「LINE」「カメラ」の3つだけ使えれば十分です。他の設定は、お子さんやお孫さんに手伝ってもらいましょう。月に1回、訪問時に一緒に確認してもらえば安心です。完璧を目指さなくて大丈夫ですよ。
Q: 銀行から本当にメールが来ることはないのですか?
A: 銀行からメールが来ることはあります。ただし、「口座番号を入力してください」「暗証番号を教えてください」というメールは、100%詐欺です。本物の銀行は、メールで個人情報を聞くことは絶対にありません。不安な時は、メールは無視して、銀行に直接電話で確認しましょう。
Q: 電話の声が息子に似ていました。本当に詐欺だったのでしょうか?
A: 詐欺師は、若い男性の声で電話をかけます。「お母さん」「おばあちゃん」と呼べば、誰かの息子・孫に聞こえます。本物のお子さんなら、もっと詳しい話ができるはずです(「昨日何食べた?」など)。少しでも「変だな」と感じたら、一度電話を切って、本物の息子さんの電話番号にかけ直しましょう。
Q: 孫が「誰にも言わないで」と言いました。家族に言ってはいけませんか?
A: 「誰にも言わないで」は、詐欺の典型的な言葉です。本物のお孫さんなら、他の家族(お孫さんの親)に相談するはずです。必ず、他の家族に電話で確認してください。「黙っていて」と言われたら、99%詐欺だと思ってください。
Q: PayPayやLINE Payは使わない方がいいですか?
A: 使い方を理解していれば、便利で安全なサービスです。ただし、不安なら無理に使う必要はありません。現金やクレジットカードで十分です。もし使いたい場合は、お子さんに設定を手伝ってもらい、少額(1〜2万円)だけチャージして使いましょう。
Q: 詐欺に遭ったことが恥ずかしくて、家族に言えません
A: 恥ずかしいことは何もありません。詐欺師はプロです。警察官や弁護士でも騙されることがあります。早く家族に伝えることで、被害を小さくできます。黙っていると、被害が大きくなる可能性があります。勇気を出して、家族に電話してください。きっと助けてくれます。あなたは悪くありません。
Q: 一人暮らしで、近くに家族がいません。どうすれば?
A: 地域包括支援センター、民生委員さん、近所の信頼できる友人に相談しましょう。また、見守りサービス(郵便局・電力会社など)の利用も検討してください。一人で抱え込まないでください。地域には、あなたを助けたいと思っている人がたくさんいます。まずは市役所に電話して、「相談したいことがある」と伝えてみてください。
Q: 認知症の症状があります。詐欺から守れますか?
A: 家族と地域包括支援センターに相談してください。成年後見制度を利用すれば、お金の管理を家族や専門家に任せられます。また、銀行に「高額引き出し時は家族に連絡してください」と依頼することもできます。一人で悩まず、早めに相談してください。守る方法はあります。

重要なお知らせ

  • 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況に対する助言ではありません
  • 実際に被害に遭われた場合は、警察(#9110)や消費生活センター(188)などの公的機関にご相談ください
  • 法的な対応が必要な場合は、弁護士などの専門家にご相談ください
  • 記載内容は作成時点(2025年11月)の情報であり、手口は日々進化している可能性があります


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システム開発/サーバ構築・保守/技術研究

CMSの独自開発および各業務管理システム開発を行っており、 10年以上にわたり自社開発CMSにて作成してきた70,000以上のサイトを 自社で管理するサーバに保守管理する。