フィッシングメール対策設定ガイド【完全版】

フィッシングメールの被害を防ぐには、メールサービスの正しい設定が不可欠です。実は、Gmail・Outlookなどの主要メールサービスには強力な**フィッシング対策**機能が標準搭載されていますが、多くの人が初期設定のまま使用しています。2025年のデータでは、適切な設定を行うことで、**フィッシングメールの受信を90%以上削減**できることが分かっています。本記事では、Gmail、Outlook、Yahoo!メール等の主要サービスについて、画面を想定した詳細な設定手順と、設定後の確認方法まで完全解説します。所要時間は1サービスあたり10分程度です。

なぜメール設定が重要なのか【被害の9割はメール経由】

フィッシング詐欺の被害経路として、メールは依然として最大の侵入口です。2024年のフィッシング対策協議会の報告によると、フィッシング被害の約85%がメール経由で発生しています。

「フィッシング報告件数は2024年に171万件を超え、そのうちメール経由が約145万件を占めています」(フィッシング対策協議会 2024年年次報告より)

初期設定のままだと危険な3つの理由

多くの人がメールサービスを初期設定のまま使用していますが、これには重大なリスクがあります。

理由1:フィルター強度が「標準」に設定されている
初期設定では、迷惑メールフィルターの強度が「標準」になっています。これは利便性を優先した設定であり、巧妙なフィッシングメールをすり抜けさせてしまう可能性があります。設定を「高」または「積極的」に変更することで、検知率を大幅に向上できます。
理由2:二段階認証が無効になっている
アカウント作成時、二段階認証は有効になっていないことがほとんどです。万が一パスワードが漏洩した場合、二段階認証がなければ、攻撃者は即座にアカウントを乗っ取ることができます。これはアカウント乗っ取り(ATO)の典型的な手口です。
理由3:外部画像が自動読み込みされる
初期設定では、メール内の外部画像が自動的に読み込まれます。これにより、攻撃者はあなたがメールを開封したかどうかを追跡でき、さらに悪質なコンテンツを配信する足がかりにされます。

設定変更による効果

適切な設定を行うことで、フィッシングメールの被害リスクを大幅に低減できます。

項目 初期設定 推奨設定後 改善効果
迷惑メール受信数 100通/月 10通/月 90%削減
フィッシング検知率 70% 95% 25ポイント向上
誤検知率 5% 1% 4ポイント改善
所要時間 - 10分(初回のみ) 一度の設定で継続効果

10分の設定で1年間安心というコストパフォーマンスを考えれば、今すぐ設定を見直す価値は十分にあります。設定しないまま放置することで、フィッシングメールの被害に遭うリスクを自ら高めているのです。


【Gmail】完全設定ガイド(所要時間:10分)

Gmailは世界で最も利用されているメールサービスの一つであり、Googleの高度なセキュリティ技術が組み込まれています。ここでは、2025年11月時点の最新UIに対応した設定手順を解説します。

ステップ1:セキュリティ診断の実施(2分)

まず、Googleアカウント全体のセキュリティ状態を確認します。

設定手順

  1. ブラウザで gmail.com にアクセスしてログイン
  2. 画面右上のプロフィールアイコン(丸いアイコン)をクリック
  3. Googleアカウントを管理」を選択
  4. 左側メニューから「セキュリティ」をクリック
  5. 画面上部の「セキュリティ診断」を実行

確認すべき4つの項目

  • 2段階認証プロセス:有効になっているか
  • 最近のセキュリティイベント:不審なログインがないか
  • サードパーティアクセス:不要なアプリに権限を与えていないか
  • パスワード:最終変更から3ヶ月以内か

注意ポイント

不審なログイン履歴(知らない場所・デバイスからのアクセス)があれば、即座にパスワードを変更してください。これは不正アクセスの兆候である可能性があります。海外からのアクセスがあった場合は特に警戒が必要です。

ステップ2:迷惑メールフィルターの強化(3分)

Gmailには強力なフィルター機能があります。これを活用して、フィッシングメールを自動的に振り分けましょう。

基本設定手順

  1. Gmail画面右上の歯車アイコンをクリック
  2. すべての設定を表示」を選択
  3. フィルタとブロック中のアドレス」タブを選択
  4. 新しいフィルタを作成」をクリック

推奨フィルター5選

フィルタ1:緊急性を煽る件名をブロック
検索条件として、件名に「緊急」「重要」「アカウント停止」「本人確認」「24時間以内」を含むメールを指定します。実行する処理として「迷惑メールにする」にチェックを入れます。これにより、典型的なフィッシングメールの件名パターンを自動的にブロックできます。
フィルタ2:不審なドメインをブロック
過去に迷惑メールを送ってきたドメインを「From」欄に指定し、「削除する」を選択します。繰り返し迷惑メールを送信してくる送信元を完全にブロックできます。
フィルタ3:添付ファイル付きメールの警戒
添付ファイルがあり、かつ件名に「請求書」「見積書」を含むメールについて、「ラベルを付ける」で「要確認」ラベルを設定します。これにより、マルウェア感染リスクのある添付ファイルを事前に警戒できます。
フィルタ4:短縮URLを含むメールの警告
本文に「bit.ly」「tinyurl.com」「ow.ly」などの短縮URLサービスを含むメールに対して、「ラベル:URL注意」を付けます。短縮URLは悪意あるサイトへの誘導に悪用されることが多いためです。
フィルタ5:金融機関を装うメール
件名に「口座」「カード」「不正利用」を含み、かつ銀行の公式ドメイン以外から送信されたメールを迷惑メールに振り分けます。これは金融機関偽装フィッシング詐欺への対策として有効です。

ステップ3:二段階認証の設定(3分)

二段階認証は、パスワードに加えてもう一つの認証要素を要求することで、アカウントのセキュリティを大幅に強化します。

設定手順

  1. Googleアカウント管理画面で「セキュリティ」を選択
  2. 2段階認証プロセス」をクリック
  3. 使ってみる」を選択
  4. パスワードを再入力
  5. 電話番号を登録
  6. SMSで届いた確認コードを入力
  7. 有効にする」をクリック

推奨:認証アプリの追加設定

SMS認証だけでなく、Google Authenticatorなどの認証アプリも設定することを強くお勧めします。これにより、SIMスワップ攻撃によるSMS傍受のリスクを回避できます。

  1. 2段階認証設定画面で「認証システムアプリ」を選択
  2. スマートフォンにGoogle Authenticatorアプリをダウンロード
  3. 表示されるQRコードをアプリでスキャン
  4. アプリに表示される6桁のコードを入力

バックアップコードの保存(必須)

  1. バックアップコード」をクリック
  2. 10個のコードが表示される
  3. ダウンロード」または印刷して安全な場所に保管
  4. スマートフォンを紛失した際の緊急ログインに使用

バックアップコードは絶対に保存してください。スマートフォンの紛失や故障時に、アカウントにアクセスする唯一の手段となります。

ステップ4:その他の重要設定(2分)

外部画像の自動読み込みをオフにする

  1. 設定画面で「全般」タブを選択
  2. 画像」セクションを探す
  3. 外部画像を表示する前に確認する」を選択
  4. 画面下部の「変更を保存」をクリック

外部画像を自動読み込みすると、メール開封の追跡に悪用される可能性があります。この設定により、信頼できる送信元からのメールのみ画像を表示できます。

メール転送の確認

  1. 設定画面で「メール転送とPOP/IMAP」タブを選択
  2. 転送設定を確認
  3. 身に覚えのない転送先があれば即座に削除

不正な転送設定は、アカウント乗っ取りの典型的な手口です。攻撃者が密かに転送設定を追加し、あなたのメールを傍受している可能性があります。

接続済みアプリの見直し

  1. Googleアカウント管理画面で「セキュリティ」を選択
  2. サードパーティアクセス」をクリック
  3. 不要なアプリの「アクセス権を削除

設定完了後の確認テスト

設定が正しく機能しているか確認しましょう。

確認チェックリスト

  • □ 2段階認証が有効になっている
  • □ 迷惑メールフィルタが5つ以上設定されている
  • □ 外部画像の自動読み込みがオフ
  • □ メール転送設定に不審な点がない
  • □ バックアップコードを保存した

テスト方法

  1. 別のメールアドレスから自分宛にテストメール送信
  2. 件名に「緊急」「アカウント停止」等を含める
  3. 迷惑メールフォルダに振り分けられることを確認

【Outlook】完全設定ガイド(所要時間:10分)

Microsoft Outlookは、Outlook.com(Webメール)とデスクトップアプリの2種類があります。ここでは両方の設定方法を解説します。

ステップ1:セキュリティの基礎設定(3分)

Outlook.com(Webメール)の場合

  1. ブラウザで outlook.com にアクセスしてログイン
  2. 画面右上の歯車アイコンをクリック
  3. Outlookのすべての設定を表示」を選択
  4. 全般」→「プライバシーとデータ」を選択

推奨設定

設定項目 推奨値 理由
電子メールの内容をスキャンして広告をカスタマイズ オフ プライバシー保護
外部コンテンツを自動的にダウンロード オフ 追跡防止
メッセージを送信する前に確認 オン 誤送信防止

Microsoftアカウントのセキュリティ確認

  1. account.microsoft.com にアクセス
  2. セキュリティ」をクリック
  3. セキュリティの基本」を確認

以下の項目を確認してください。

  • ✅ 2段階認証:有効
  • ✅ サインインアクティビティ:異常なし
  • ✅ パスワード:最近変更済み

ステップ2:迷惑メール対策の設定(4分)

迷惑メールオプションの最適化

  1. 設定画面で「メール」→「迷惑メール」を選択
  2. 保護レベル」を設定

推奨設定:高

「高」を選択すると、ほとんどの迷惑メールをブロックできます。誤検知が増える可能性はありますが、フィッシング詐欺対策としては安全性を優先すべきです。

セーフリストとブロックリストの活用

差出人セーフリスト
信頼できる送信元(取引先、知人など)を登録します。セーフリストに登録されたアドレスからのメールは、迷惑メールフィルターをバイパスして確実に受信トレイに届きます。
ブロックリスト
繰り返し迷惑メールを送ってくるアドレスやドメインを登録します。ブロックリストのメールは自動的に削除されます。

フィッシング対策の詳細設定

  1. フィッシング」セクションを選択
  2. ☑ 「疑わしい電子メールメッセージをフィッシング詐欺として扱う」→ オン
  3. ☑ 「フィッシングの可能性があるメッセージを削除する」→ オン(推奨)

国際メール対策

取引のない国からのメールをブロックすることで、海外発のフィッシングメールを大幅に削減できます。

  1. 国際迷惑メール」セクションを選択
  2. ☑ 「特定のトップレベルドメインからのメールをブロック」
  3. 取引のない国のドメイン(.cn、.ru等)を選択

ステップ3:ルールの作成(2分)

Outlookのルール機能を活用して、フィッシングメールを自動的に隔離します。

推奨ルール3選

ルール名 条件 アクション
緊急装いメール隔離 件名に「緊急」「至急」を含む AND 差出人がセーフリストにない 「要確認」フォルダに移動
添付ファイル警告 添付ファイルあり AND 差出人が連絡先にない AND 件名に「請求書」を含む フラグを設定、分類「警告」
リンク多数メール 本文に5個以上のリンク AND 差出人が連絡先にない 迷惑メールフォルダに移動

ステップ4:Microsoftアカウントの2段階認証(1分)

設定手順

  1. account.microsoft.com → 「セキュリティ
  2. 2段階認証」を選択
  3. セットアップ」をクリック
  4. 認証方法を選択(Microsoft Authenticatorアプリ推奨

Authenticatorアプリの設定

  1. スマートフォンにMicrosoft Authenticatorをインストール
  2. アプリで「アカウント追加」を選択
  3. 表示されるQRコードをスキャン
  4. 表示される数字を入力して完了

予備の電話番号と回復用コードも必ず設定してください。

Outlookデスクトップ版の追加設定

Outlookアプリ(Windows/Mac)の場合

  1. ファイル」→「オプション」→「メール
  2. Outlook ウィンドウの外部コンテンツをダウンロードしない」にチェック

迷惑メールフィルター

  1. ホーム」タブ→「迷惑メール」→「迷惑メールのオプション
  2. レベル:「」を選択
  3. 「削除せずに迷惑メールフォルダーに振り分ける」を選択

【Yahoo!メール】設定ガイド(所要時間:8分)

Yahoo!メールは日本国内で広く利用されているサービスです。独自のセキュリティ機能を活用しましょう。

Yahoo!メール特有の設定

迷惑メール対策強化

  1. Yahoo!メールにログイン
  2. 設定(歯車アイコン)→「メールの設定
  3. 迷惑メール」タブを選択

推奨設定

  • ☑ 迷惑メールフィルター:
  • ☑ なりすましメール拒否:有効
  • ☑ 迷惑メール報告機能:有効

ドメイン指定拒否

  1. ドメイン・アドレスの管理」を選択
  2. 追加」をクリック
  3. 迷惑メールの送信ドメインを入力

繰り返し届く迷惑メールのドメインを登録することで、完全にブロックできます。

Yahoo! JAPAN IDのセキュリティ

ワンタイムパスワード設定

  1. Yahoo! JAPAN ID管理画面にアクセス
  2. ログインとセキュリティ」を選択
  3. ワンタイムパスワード」を設定

シークレットID(推奨)

シークレットIDを有効にすると、ログインIDが非公開になり、パスワードリスト攻撃への耐性が向上します。

  1. シークレットID」を有効化
  2. 任意のIDを設定

【企業メール】Google Workspace・Microsoft 365の管理者設定

企業でメールシステムを運用している場合、管理者による組織全体のセキュリティ設定が重要です。

Google Workspace管理者向け設定

管理コンソールでの設定

  1. admin.google.com にアクセス
  2. セキュリティ」→「詳細設定

組織全体の保護強化

スパムフィルタの詳細設定
管理コンソール → アプリ → Google Workspace → Gmail → スパム、フィッシング、不正なソフトウェア の順に進み、スパム設定を「積極的」に変更します。
添付ファイル保護
「添付ファイル」タブで、実行可能ファイル(.exe、.bat等)のブロックを有効にします。これによりマルウェア感染リスクを低減できます。
なりすまし対策
「認証」タブでSPF、DKIM、DMARCの設定を確認します。DMARCポリシーを「quarantine」または「reject」に設定することで、なりすましメールを効果的にブロックできます。詳細はDMARC/SPF/DKIM完全実装ガイドを参照してください。

2段階認証の組織全体への適用

  1. セキュリティ」→「2段階認証プロセス
  2. 2段階認証プロセスの適用を開始」を選択
  3. 猶予期間を設定(例:30日)
  4. 全ユーザーに通知

Microsoft 365管理者向け設定

セキュリティセンターでの設定

  1. security.microsoft.com にアクセス
  2. ポリシーとルール」→「脅威ポリシー

Exchange Online Protection(EOP)設定

ポリシー 推奨設定
スパム対策 しきい値:3(最も厳格)、アクション:検疫に移動
マルウェア対策 添付ファイルの種類でブロック(.exe、.scr等)
フィッシング対策 なりすまし保護を有効化、しきい値:2(積極的)

Microsoft Defender for Office 365

  1. 安全な添付ファイル」→ 有効化
  2. 安全なリンク」→ 有効化
    • ☑ ユーザーがクリックを追跡
    • ☑ 組織内メッセージにも適用

これらの設定により、ビジネスメール詐欺(BEC)標的型攻撃(APT)への防御力が向上します。


スマートフォンメールアプリの設定

外出先でメールをチェックする機会が多い現代では、スマートフォンのセキュリティ設定も重要です。

iPhone(iOS)の設定

Gmailアプリ(iOS版)

  1. アプリを開く → 左上のメニュー設定
  2. アカウントを選択
  3. 通知」→「優先度の高いメールのみ」を選択

標準メールアプリ

  1. 設定メール
  2. 外部画像を読み込む」→ オフ
  3. リモート画像を読み込む」→ オフ

プライバシー保護(iOS 15以降)

  1. 設定メールプライバシー保護
  2. メールアクティビティを保護」→ オン

この設定により、メール開封の追跡を防止できます。

Android端末の設定

Gmailアプリ(Android版)

  1. アプリメニュー → 設定
  2. 全般設定
  3. 画像」→「Wi-Fi接続時のみ」または「確認してから表示

通知設定の最適化

  1. 設定通知
  2. 重要度の高いメールのみ」を選択
  3. プレビュー表示をオフ(ロック画面での情報漏洩防止)

キャリアメールの設定

キャリア 設定手順 推奨設定
docomo ドコモメール設定 → 迷惑メール対策 「強」、なりすまし規制「高」
au メール設定 → 迷惑メールフィルター 「強」、なりすまし規制「設定」
SoftBank/Y!mobile My SoftBank → メール設定 迷惑メールブロック設定「強」

設定後の確認とテスト

設定が正しく機能しているかを確認するため、以下のテストを実施してください。

動作確認テスト(5分)

テスト1:迷惑メールフィルターの動作確認

  1. 別のメールアドレスからテストメールを送信
  2. 件名に「緊急」「アカウント停止」等を含める
  3. 迷惑メールフォルダに振り分けられることを確認

テスト2:二段階認証の確認

  1. 一度ログアウト
  2. 再ログイン時に認証コードが要求されるか確認
  3. 認証アプリのコードで正常にログインできるか

テスト3:外部画像の読み込み確認

  1. 広告メールを開く
  2. 画像が自動読み込みされていないか確認
  3. 「画像を表示」ボタンが表示されるか

誤検知への対処法

重要なメールが迷惑メールに入った場合の対処方法です。

Gmailの場合

  1. 迷惑メールフォルダを開く
  2. 該当メールを選択
  3. 迷惑メールではない」をクリック
  4. 差出人を連絡先に追加

Outlookの場合

  1. 迷惑メールフォルダを開く
  2. 該当メールを右クリック
  3. 迷惑メールではない」を選択
  4. 差出人を「差出人セーフリスト」に追加

定期的な見直し(月1回推奨)

月次確認項目チェックリスト

  • □ 迷惑メールフォルダの確認(誤検知チェック)
  • □ ブロックリストの見直し(不要なものを削除)
  • □ セーフリストの更新(新しい取引先追加)
  • □ ルール/フィルタの効果測定
  • □ 二段階認証の動作確認
  • □ ログイン履歴の確認

効果測定表

項目 設定前 設定後 削減率
迷惑メール受信数 _通/月 _通/月 _%削減
フィッシングメール _通/月 _通/月 _%削減
誤検知数 - _通/月 -

トラブルシューティング

よくある問題と解決方法

問題1:重要なメールが全て迷惑メールに入ってしまう
原因:フィルタ設定が厳しすぎる
解決策:フィルタの条件を緩和(「高」→「標準」に変更)し、重要な送信元を個別にセーフリスト登録してください。ドメイン単位での除外設定も有効です。
問題2:二段階認証でログインできなくなった
原因:スマホの紛失、機種変更、アプリ削除
解決策:保存しておいたバックアップコードを使用してログインしてください。コードがない場合は、SMS認証に切り替えるか、アカウント復旧手続きを実施します。
問題3:設定した覚えのないフィルタが存在する
原因:アカウント乗っ取りの可能性
対処法:即座にパスワードを変更し、不審なフィルタを全削除してください。ログイン履歴を確認し、二段階認証を再設定します。被害が疑われる場合は緊急対応ガイドを参照してください。
問題4:外部画像をブロックしたらメールが読みにくい
解決策:信頼できる送信元からのメールのみ「画像を表示」をクリックしてください。公式ニュースレター等は個別に許可設定することで、セキュリティと利便性のバランスを調整できます。
問題5:会社のメールで設定変更ができない
原因:管理者権限が必要
対処法:IT部門に設定変更を依頼してください。個人でできる範囲(フォルダ振り分け等)のみ実施し、会社のセキュリティポリシーを確認しましょう。詳しくは企業のフィッシング詐欺対策体制を参照してください。

サポート窓口一覧

公式サポート

サービス サポート窓口 対応時間
Google(Gmail) support.google.com/mail 24時間(Web)
Microsoft(Outlook) support.microsoft.com/outlook チャット:平日9-18時
Yahoo!メール help.yahoo.co.jp 24時間(Web)

無料相談窓口

  • 消費者ホットライン:188
  • IPA情報セキュリティ安心相談窓口:03-5978-7509
  • 最寄りのパソコン教室・カルチャーセンター

よくある質問(FAQ)

Q1: 設定したら重要なメールが届かなくなりませんか?
A: 適切に設定すれば、重要なメールが届かなくなることはほとんどありません。ただし、最初の1週間は毎日「迷惑メールフォルダ」を確認してください。もし重要なメールが誤って振り分けられていたら、「迷惑メールではない」をクリックすることで、システムが学習して次回からは正しく受信トレイに届くようになります。セーフリスト(信頼できる送信元リスト)に取引先や重要な連絡先を登録しておくことで、誤検知をさらに減らせます。
Q2: 設定が難しくて一人でできません。どうすればいいですか?
A: 以下の方法で設定をサポートしてもらえます。(1)家族や友人に手伝ってもらう、(2)契約している携帯キャリアのショップで無料サポートを受ける(docomo、au、SoftBankともに対応)、(3)地域のパソコン教室やカルチャーセンターで相談する(有料の場合あり)、(4)自治体の無料IT相談窓口を利用する。本記事の手順を印刷して持参すると、サポートがスムーズです。
Q3: 会社のメールも同じ設定をすべきですか?
A: 会社のメールは、IT部門が管理している場合が多いため、個人で勝手に設定変更すると問題になる可能性があります。まずは会社のIT部門やシステム管理者に「フィッシングメール対策の設定を強化したい」と相談してください。多くの企業では、組織全体のセキュリティポリシーがあり、管理者側で適切な設定が施されています。個人でできる範囲は、フォルダ振り分けルールの作成や、怪しいメールの報告程度にとどめましょう。
Q4: スマートフォンでも同じ設定が必要ですか?
A: はい、スマートフォンでも設定が必要です。特に外出先でメールをチェックすることが多い場合、スマホからのフィッシング被害も増えています。幸い、GmailやOutlookのアプリでは、パソコンで設定した内容が自動的に同期されるため、改めて全て設定し直す必要はありません。ただし、「外部画像の自動読み込み」や「通知設定」はアプリ固有の設定なので、本記事の「スマートフォンメールアプリの設定」セクションを参照して設定してください。
Q5: 設定後、どれくらいの効果がありますか?
A: 適切に設定すれば、フィッシングメールの受信を90%以上削減できます。ただし、効果は徐々に現れます。設定直後は、システムが学習するまで1〜2週間かかることがあります。この期間は、毎日迷惑メールフォルダを確認して、誤って振り分けられたメールがあれば「迷惑メールではない」をクリックしてください。1ヶ月後には、明らかに迷惑メールの受信が減少していることを実感できるはずです。本記事の「効果測定表」を使って、設定前後の比較をしてみてください。
Q6: 無料のメールサービスでも十分な対策ができますか?
A: はい、Gmail、Outlook、Yahoo!メールなどの主要な無料メールサービスは、非常に高度なフィッシング対策機能を標準で提供しています。有料版(Google One、Microsoft 365等)では、さらに高度な機能が使えますが、一般ユーザーであれば無料版の機能で十分です。重要なのは、提供されている機能を「適切に設定して使う」ことです。初期設定のまま使っている人が多いため、本記事の手順に従って設定を見直すだけで、大幅にセキュリティが向上します。
Q7: 二段階認証を設定すると、毎回コードを入力しなければいけませんか?
A: いいえ、毎回入力する必要はありません。二段階認証を設定しても、「信頼できるデバイス」として登録したパソコンやスマートフォンからは、次回以降コード入力なしでログインできます。初回ログイン時に「このデバイスを信頼する」を選択すれば、通常30日間はコード入力が不要です。ただし、新しいデバイスからのログインや、海外からのアクセス、長期間ログインしていない場合は、セキュリティのため再度コードが要求されます。この仕組みにより、利便性とセキュリティのバランスが保たれています。

まとめ:今すぐ実行すべき3つのこと

フィッシングメール対策は、たった10分の設定で大きな効果が得られます。

  1. 二段階認証を有効にする:これだけでアカウント乗っ取りのリスクを大幅に低減
  2. 迷惑メールフィルターを「高」に設定:フィッシングメールの受信を90%削減
  3. 外部画像の自動読み込みをオフ:追跡を防止

設定が完了したら、定期的な見直し(月1回)を忘れずに行ってください。フィッシング詐欺の手口は日々進化していますが、適切な設定と継続的な確認により、被害を未然に防ぐことができます。

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【重要なお知らせ】

  • 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況に対する助言ではありません
  • 実際に被害に遭われた場合は、警察(#9110)や消費生活センター(188)などの公的機関にご相談ください
  • 法的な対応が必要な場合は、弁護士などの専門家にご相談ください
  • 記載内容は作成時点(2025年11月)の情報であり、手口は日々進化している可能性があります


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システム開発/サーバ構築・保守/技術研究

CMSの独自開発および各業務管理システム開発を行っており、 10年以上にわたり自社開発CMSにて作成してきた70,000以上のサイトを 自社で管理するサーバに保守管理する。