ランサムウェアとは?仕組み・感染経路・対策・復旧方法を徹底解説

ある日突然、パソコンの画面に「あなたのファイルはすべて暗号化されました。復号するには身代金を支払ってください」というメッセージが表示されたら──それがランサムウェアです。思い出の写真、仕事の資料、すべてが読み取れなくなり、攻撃者は暗号資産での支払いを要求します。近年は、データを盗み出して「支払わなければ公開する」と二重に脅迫する手口も標準化しています。パソコン・スマホの危険(端末の脅威)の中でも最も経済的被害が大きいサイバー攻撃であり、企業だけでなく個人、医療機関、自治体も標的になります。WannaCryやRyukといった有名なランサムウェアは、世界中で数千億円規模の被害をもたらしました。この記事では、ランサムウェアの歴史と進化、感染経路と攻撃プロセス、具体的な被害事例から、身代金を支払わずに済むための包括的なセキュリティ対策、そして万が一感染した場合の対応手順まで、初心者にも分かりやすく完全解説します。

ランサムウェアとは何か?基本を理解する

ランサムウェアの定義

ランサムウェアは、「Ransom(身代金)」と「Software(ソフトウェア)」を組み合わせた造語で、コンピュータやファイルを人質に取り、身代金を要求するマルウェア(悪意のあるソフトウェア)の一種です。

感染すると、パソコンやサーバーに保存されているファイルが暗号化され、開くことができなくなります。攻撃者は、ファイルを元に戻すための「復号鍵」と引き換えに、身代金(多くの場合は暗号資産)を要求します。

暗号化型ランサムウェア
ファイルを暗号化し、復号のための身代金を要求するタイプ。現在最も一般的な形態です。
ロック型ランサムウェア
パソコンの画面をロックし、操作できない状態にするタイプ。比較的古い形態で、現在は減少傾向にあります。

ランサムウェアに関する専門用語については、ランサムウェア用語集50選で詳しく解説しています。

なぜランサムウェアは特別に恐れられるのか

サイバー攻撃には様々な種類がありますが、ランサムウェアが特に恐れられる理由は以下の点にあります。

「身代金ビジネス」というビジネスモデル
攻撃者にとって、ランサムウェアは直接的に金銭を得られる手段です。この「収益性の高さ」が、攻撃を激化させる原因となっています。RaaS(Ransomware as a Service)と呼ばれる、攻撃ツールを貸し出すサービスまで存在し、技術力の低い犯罪者でも攻撃を行えるようになっています。
被害の「可視化」
情報漏洩などの被害は発生しても気づかないことがありますが、ランサムウェアはファイルが開けなくなる、業務が止まるという形で被害が明確に可視化されます。事業継続に直接的な影響を与えるため、組織にとって深刻な脅威です。
情報漏洩リスク(二重恐喝)
近年のランサムウェアは、暗号化だけでなく、データを窃取した上で「身代金を払わなければ公開する」と脅迫する二重恐喝が主流です。バックアップから復旧できても、情報漏洩のリスクは残ります。

ランサムウェアが他のマルウェアとどう違うのかは、なぜランサムウェアは特別なのか|マルウェアとの違いで詳しく解説しています。

ランサムウェアの主な種類

ランサムウェアには、攻撃手法や脅迫方法によっていくつかの種類があります。

種類 特徴 身代金を払わない場合のリスク
暗号化型 ファイルを暗号化 データにアクセス不可
ロック型 画面をロック 端末が使用不可
二重恐喝型 暗号化+データ窃取・公開脅迫 データ公開・情報漏洩
三重恐喝型 二重恐喝+DDoS攻撃や顧客への連絡 業務妨害・風評被害の拡大
ノーウェアランサム 暗号化せずデータ窃取のみで脅迫 情報漏洩のみ

特に二重恐喝型は、2024年時点で被害の約8割を占めるとされています。種類ごとの詳しい特徴と対策は、ランサムウェアの種類と攻撃手法|暗号化型・二重恐喝・RaaSで解説しています。

身代金の要求と支払い

ランサムウェア攻撃者は、ファイルの復号と引き換えに身代金を要求します。

典型的な身代金額
個人向けの場合は数万円程度、企業向けの場合は数百万円から数億円にのぼることもあります。攻撃者は被害組織の規模や支払い能力を調査した上で、金額を設定することが多いとされています。
支払い方法
ほとんどの場合、ビットコインなどの暗号資産での支払いを要求されます。暗号資産は匿名性が高く、追跡が困難なためです。
支払いが推奨されない理由
身代金を支払っても、データが復旧する保証はありません。また、支払いは犯罪組織への資金提供となり、さらなる攻撃を助長します。加えて、「身代金を払う組織」として再び標的にされるリスクもあります。

身代金要求を受けた場合の対応については、身代金要求メールが届いたら|対応と判断の考え方で詳しく解説しています。


ランサムウェアの仕組み|暗号化から身代金要求まで

暗号化の仕組み(簡潔に)

ランサムウェアがファイルを「人質」に取る仕組みは、暗号化技術を悪用したものです。

暗号化とは、データを特別な「鍵」を使って読めない形に変換することです。正しい鍵を持っていれば元に戻せますが、鍵がなければ読むことはできません。ランサムウェアは、被害者のファイルを攻撃者だけが持つ鍵で暗号化し、その鍵と引き換えに身代金を要求します。

身近なもので例えると、自宅の鍵を勝手に付け替えられ、「鍵が欲しければ金を払え」と要求されるようなものです。

暗号化の技術的な詳細については、ランサムウェアの仕組み|暗号化から身代金要求までの流れで解説しています。

攻撃の流れ(タイムライン)

ランサムウェア攻撃は、一般的に以下の段階で進行します。

Step 1:侵入
攻撃者は、VPN機器の脆弱性、フィッシングメール、リモートデスクトップ(RDP)など、様々な方法でネットワークに侵入します。この段階では、被害組織側は侵入に気づいていないことがほとんどです。
Step 2:潜伏・準備
侵入後、攻撃者は数日から数週間かけてネットワーク内を探索し、重要なシステムやデータを特定します。バックアップサーバーを見つけ出し、復旧を妨げるために破壊することも多いです。認証情報を窃取し、管理者権限を奪取することもこの段階で行われます。
Step 3:暗号化実行
準備が整うと、一斉にファイルの暗号化を実行します。多くの場合、業務が停止する影響が最大化される週末や休日の夜間に実行されます。
Step 4:身代金要求
暗号化完了後、身代金を要求する「脅迫文(ランサムノート)」が表示されます。支払い方法、期限、連絡先などが記載されています。二重恐喝の場合は、データ公開の脅迫も行われます。

二重恐喝・三重恐喝とは

現在のランサムウェア攻撃は、単なる暗号化にとどまらない複合的な脅迫を行います。

二重恐喝(ダブルエクストーション)
暗号化に加え、データを窃取した上で「身代金を払わなければリークサイト(公開サイト)で公開する」と脅迫します。バックアップから復旧できても、情報漏洩のリスクは消えません。
三重恐喝(トリプルエクストーション)
二重恐喝に加え、被害組織にDDoS攻撃を仕掛けたり、被害組織の顧客・取引先に直接連絡して「あなたのデータが漏洩している」と圧力をかけたりします。

これらの恐喝手法の詳細は、ランサムウェアの種類と攻撃手法で解説しています。


感染経路を知る|どこから侵入されるのか

主な感染経路と割合

ランサムウェアは、主に以下の経路から組織のネットワークに侵入します。

感染経路 割合(目安) 概要
VPN機器の脆弱性 約50%以上 パッチ未適用のVPN機器を狙う
リモートデスクトップ(RDP) 約15〜20% 弱いパスワード、不正認証情報を悪用
フィッシングメール 約10〜15% 添付ファイル、不正リンクから感染
その他(USB、サプライチェーン等) 約10〜20% 物理媒体、委託先経由など

※警察庁「令和6年上半期サイバー空間をめぐる脅威の情勢」等を参考にした目安値

感染経路の詳細と対策は、ランサムウェアの感染経路7選|VPN・メール・RDPからの侵入を防ぐで解説しています。

VPN機器の脆弱性(最多経路)

VPN機器の脆弱性を悪用した侵入は、近年のランサムウェア被害の半数以上を占める最大の感染経路です。

テレワークの普及により、多くの企業がVPN機器を導入しましたが、ファームウェアのアップデートが遅れている機器が狙われています。攻撃者は、公開された脆弱性情報を悪用し、パッチが適用されていない機器を探し出して攻撃します。

なぜVPNが狙われるのか
VPN機器は社内ネットワークへの入口であり、ここを突破されると社内の様々なシステムにアクセスできてしまいます。また、インターネット上に公開されているため、攻撃者が容易に発見・攻撃できます。
対策のポイント
VPN機器のファームウェアを常に最新に保つこと、多要素認証を導入すること、使用していない不要なVPNを停止することが重要です。

フィッシングメール

フィッシングメールも、依然としてランサムウェアの主要な感染経路の一つです。

添付ファイル型
請求書や見積書を装ったExcelファイル、Wordファイルなどにマルウェアのダウンローダーやマクロが仕込まれており、ファイルを開くと感染します。
リンク型
メール内のリンクをクリックすると、不正なWebサイトに誘導され、マルウェアがダウンロードされます。正規のサービスを装った偽サイトが使われることもあります。

ソーシャルエンジニアリングの手法を用いた巧妙なメールは、セキュリティ製品をすり抜けることもあります。従業員教育と、「怪しいと思ったら報告する」文化の醸成が重要です。

サプライチェーン経由

自社のセキュリティ対策が万全でも、業務委託先や取引先が攻撃を受け、そこを踏み台に侵入されるケースが増加しています。

委託先のシステム経由
委託先のシステムが攻撃を受け、ネットワーク接続や共有システムを通じて自社に被害が及ぶケースです。
ソフトウェア・サービス経由
利用しているソフトウェアやクラウドサービスが攻撃を受け、そのアップデートなどを通じてマルウェアが配布されるケースです。

サプライチェーン経由の攻撃については、サプライチェーン経由のランサムウェア攻撃|委託先リスク対策で詳しく解説しています。


被害の実態|どれくらい深刻なのか

被害統計(2024-2025年)

ランサムウェアの被害は、年々深刻化しています。

指標 数値・傾向 出典
2024年上半期の被害件数 114件(前年同期比+11件) 警察庁「令和6年上半期サイバー空間をめぐる脅威の情勢」
大企業・中小企業の比率 大企業36%、中小企業52%、団体等12% 同上
二重恐喝の割合 約8割 同上
復旧に要した期間 1週間以上が約7割 同上
復旧費用 1,000万円以上が約30-40% 同上

中小企業が被害の過半数を占めている点は重要です。「大企業だけが狙われる」というのは誤解であり、あらゆる規模の組織がリスクにさらされています。

最新の脅威動向については、【2025年最新】ランサムウェア脅威動向レポート|被害統計と攻撃トレンドで詳しく解説しています。

企業への影響

ランサムウェア被害は、組織に多面的な影響を与えます。

業務停止
ファイルサーバー、業務システム、メールなどが使えなくなり、業務が停止します。警察庁の調査では、復旧に1週間以上を要したケースが約7割を占めています。医療機関では診療が停止し、製造業では生産ラインが止まるなど、事業への直接的な影響が発生します。
復旧費用
システムの復旧、フォレンジック調査、外部専門家への依頼、セキュリティ強化などに費用がかかります。1,000万円以上の費用を要したケースが約30-40%にのぼります。
情報漏洩リスク
二重恐喝型ランサムウェアでは、データが窃取され、リークサイトで公開されるリスクがあります。個人情報漏洩の場合、個人情報保護委員会への報告も必要になります。
信用失墜
被害が公になった場合、顧客や取引先からの信用を失う可能性があります。特に情報漏洩を伴う場合、信用回復には長い時間がかかります。

被害費用の詳細については、ランサムウェア被害の費用|復旧コスト・損害賠償・事業損失の実態で解説しています。

主な被害事例

近年、国内でも多くの組織がランサムウェア被害を公表しています。

KADOKAWA(2024年6月)
ランサムウェア攻撃により、ニコニコ動画をはじめとするサービスが長期間停止。従業員の個人情報などの漏洩も確認されました。
大阪急性期・総合医療センター(2022年10月)
電子カルテシステムがランサムウェア攻撃を受け、外来診療や救急受入が停止。復旧に約2ヶ月を要しました。
イセトー(2024年5月)
印刷・情報処理会社への攻撃により、同社に業務委託していた自治体や企業の情報が影響を受けました。サプライチェーン経由の被害の典型例です。

より多くの被害事例と教訓については、ランサムウェア被害事例と教訓|国内外の主要インシデント分析で詳しく解説しています。


対策方法|ランサムウェアから身を守る

対策の全体像(多層防御)

ランサムウェア対策は、単一の対策に頼るのではなく、複数の対策を組み合わせる「多層防御」の考え方が重要です。

技術的対策
VPN機器・OSのアップデート、EDR/アンチウイルスの導入、ネットワークセグメンテーション、多要素認証など、システム面での対策です。
運用的対策
バックアップの定期取得とオフライン保管、ログの監視、脆弱性管理など、日々の運用における対策です。
人的対策
従業員へのセキュリティ教育、標的型攻撃メール訓練、インシデント対応訓練など、人に関する対策です。

対策の詳細は、ランサムウェア対策完全ガイド|企業が今すぐ実践すべき防御策で網羅的に解説しています。

今すぐできる対策5選

限られたリソースの中で、優先的に取り組むべき対策は以下の5つです。

優先度 対策 概要
1 VPN機器・OSのアップデート 既知の脆弱性を塞ぐ最も基本的な対策
2 バックアップのオフライン保管 ネットワークから切り離した場所にバックアップを保管
3 多要素認証(MFA)の導入 パスワードだけに頼らない認証
4 従業員教育 フィッシングメールの見分け方、報告の重要性
5 EDR/アンチウイルスの導入 マルウェアの検知・対応

これらの対策は、高額な投資を必要とせず、比較的短期間で導入できるものです。まずはこの5つから始め、段階的に対策を強化していくことを推奨します。

バックアップの重要性

ランサムウェア対策において、バックアップは最後の砦となる重要な対策です。

3-2-1ルール
バックアップの基本ルールです。「3つのコピー」を「2種類以上の媒体」に保存し、「1つはオフサイト(別の場所)」に保管します。
オフラインバックアップ
ネットワークに接続されていないバックアップは、ランサムウェアによる暗号化を免れます。テープ、外付けHDDなど、オフラインで保管できる媒体を活用します。
定期的なリストアテスト
バックアップは取得するだけでなく、復旧できることを定期的に確認することが重要です。いざというときにバックアップが使えないケースは少なくありません。

バックアップ戦略の詳細は、ランサムウェア対策のバックアップ戦略|3-2-1ルールと実践ガイドで解説しています。

技術者向け対策へのリンク

より高度な対策を検討されている技術者の方は、以下のページもご参照ください。


感染してしまったら|対応と復旧

感染発覚時の初動対応

ランサムウェア感染が疑われる場合、最初の対応が被害の拡大を防ぐ上で極めて重要です。

ネットワークからの切断
感染が疑われる端末は、すぐにネットワークから切り離します。LANケーブルを抜く、Wi-Fiをオフにするなどの対応を行います。これにより、他の端末やサーバーへの感染拡大を防ぎます。
電源は切らない
感染端末の電源を切ると、メモリ上の証拠が失われ、原因調査に支障をきたす可能性があります。基本的には電源を入れたまま、ネットワークのみを切断します。
状況の記録
画面に表示されている内容(脅迫文など)のスクリーンショットを撮影し、発見日時、発見者、状況などを記録します。後の調査や報告に必要となります。
関係者への報告
社内の情報システム部門、上長、インシデント対応責任者に速やかに報告します。初動の遅れが被害拡大につながります。

初動対応の詳細は、会社PCがウイルス感染?5分間緊急初動マニュアルで解説しています。また、感染から復旧までの全体フローは、ランサムウェア感染時の対応手順|初動から復旧までの完全マニュアルで詳しく解説しています。

復旧方法

ランサムウェア感染からの復旧には、主に以下の方法があります。

バックアップからの復元
オフラインで保管しているバックアップからデータを復元します。最も確実な方法ですが、バックアップの取得時点以降に作成・変更されたデータは失われる可能性があります。
復号ツールの活用
一部のランサムウェアについては、セキュリティ研究者や法執行機関によって復号ツールが公開されています。No More Ransomプロジェクトなどのサイトで確認できます。ただし、最新のランサムウェアには対応していないことも多いです。

復号ツールの詳細は、【技術者向け】ランサムウェア復号ツール完全ガイド|No More Ransom活用で解説しています。

報告義務

ランサムウェア被害が発生した場合、法令に基づく報告義務が発生する可能性があります。

個人情報保護委員会への報告
個人情報の漏洩(またはそのおそれ)がある場合、個人情報保護委員会への報告が義務付けられています。速報(概ね3-5日以内)と確報(30日以内)の2段階で報告します。
警察への届出
ランサムウェア攻撃は犯罪です。警察への届出により、復号ツールの提供を受けられる可能性もあります。
業界監督官庁への報告
金融機関、医療機関など、業種によっては監督官庁への報告義務がある場合があります。

報告義務と法的責任については、ランサムウェアと法的責任|報告義務・損害賠償・身代金の法的論点で詳しく解説しています。報告書の書き方は、【テンプレート付】ランサムウェア被害の報告書作成ガイドをご参照ください。


業界別の対策ガイド

業界別のリスクと対策

業界によって、保有するデータの種類、規制要件、システム環境が異なるため、ランサムウェア対策も業界の特性に応じたアプローチが必要です。

業界 主なリスク 対応ガイドライン 詳細ページ
医療機関 電子カルテ停止、患者情報漏洩 厚労省ガイドライン 医療機関向け対策
製造業 生産ライン停止、サプライチェーン影響 工場セキュリティガイドライン 製造業向け対策
金融機関 顧客情報漏洩、決済システム停止 金融庁ガイドライン、FISC 金融機関向け対策
小売・EC 顧客情報・決済情報漏洩 PCI DSS 小売・EC業界向け対策
物流・運輸 配送システム停止 港湾ガイドライン 物流・運輸業界向け対策
教育機関 学生・教職員情報漏洩 文科省ガイドライン 教育機関向け対策
自治体 住民情報漏洩、行政サービス停止 総務省ガイドライン 自治体向け対策
中小企業 リソース不足、サプライチェーンの踏み台 各種ガイドライン 中小企業向け対策

業界別詳細ページへのリンク一覧

業界ごとの詳細な対策については、以下のページで解説しています。


2025年最新の脅威動向

最新のトレンド

ランサムウェアの脅威は常に進化しています。2025年現在、特に注目すべきトレンドは以下の通りです。

AI駆動型ランサムウェア
生成AIを活用して、より巧妙なフィッシングメールの作成や、検知回避技術の高度化が進んでいます。詳しくはAI駆動型ランサムウェアとは|生成AIを悪用した新時代の脅威をご覧ください。
ノーウェアランサムの増加
ファイルを暗号化せず、データ窃取のみを行い、「公開する」と脅迫する手口が増加しています。暗号化対策をすり抜ける新たな脅威です。
新興攻撃グループの台頭
Qilin、RansomHubなど、新たなランサムウェアグループが台頭しています。グループの勢力図についてはランサムウェアグループ勢力図で解説しています。
RaaSエコシステムの発達
ランサムウェアを「サービス」として提供するRaaS(Ransomware as a Service)のエコシステムが発達し、攻撃のハードルが下がっています。詳しくはRaaSエコシステムの仕組みと最新動向をご覧ください。

今後の予測

セキュリティベンダー各社のレポートによると、以下のような傾向が予測されています。

  • ランサムウェア攻撃は引き続き増加傾向
  • 中小企業やサプライチェーンを狙った攻撃の増加
  • AI技術を活用した攻撃の高度化
  • 法執行機関との連携強化による一部グループの摘発
  • サイバー保険の普及と保険料上昇

最新の脅威動向については、【2025年最新】ランサムウェア脅威動向レポートで詳しく解説しています。


よくある質問(FAQ)

Q: ランサムウェアとウイルスの違いは何ですか?
A: ランサムウェアは、マルウェア(悪意のあるソフトウェア)の一種です。一般的な「ウイルス」との違いは、ファイルを暗号化して身代金を要求するという明確な「金銭目的」がある点です。詳しくはなぜランサムウェアは特別なのか|マルウェアとの違いをご覧ください。
Q: 身代金を払えばデータは戻りますか?
A: 支払ってもデータが復旧する保証はありません。セキュリティベンダーの調査によると、身代金を支払っても完全にデータが復旧したケースは半数程度とされています。また、支払いは犯罪組織への資金提供となり、再び標的にされるリスクもあります。詳しくは身代金要求メールが届いたら|対応と判断の考え方をご覧ください。
Q: 中小企業も狙われますか?
A: はい、狙われます。警察庁の統計では、ランサムウェア被害の半数以上が中小企業です。大企業と比べてセキュリティ対策が手薄な場合が多く、攻撃者にとっては狙いやすい標的です。また、大企業への攻撃の足がかり(サプライチェーン攻撃)として狙われることもあります。詳しくは中小企業のランサムウェア対策10選をご覧ください。
Q: 個人のパソコンやスマホも感染しますか?
A: 個人も標的になる可能性があります。特に、フィッシングメールや不正なWebサイト、不正アプリなどを通じて感染するリスクがあります。身代金額は企業向けより少額(数万円程度)ですが、思い出の写真など、金額では測れない価値のあるデータが失われるリスクがあります。詳しくはランサムウェアは個人も狙われる?家庭向けセキュリティ対策ガイドをご覧ください。
Q: ウイルス対策ソフトを入れていれば安全ですか?
A: ウイルス対策ソフトは重要な対策の一つですが、それだけでは安全とは言えません。最新のランサムウェアは、検知を回避する技術を備えており、ウイルス対策ソフトをすり抜けることもあります。多層防御の考え方に基づき、複数の対策を組み合わせることが重要です。詳しくは【技術者向け】ランサムウェア対策ソフト比較|EDR・XDR・MDR徹底検証をご覧ください。
Q: 感染したらまず何をすべきですか?
A: まず、感染が疑われる端末をネットワークから切断してください(LANケーブルを抜く、Wi-Fiをオフにする)。これにより、他の端末への感染拡大を防ぎます。電源は切らず、画面の状況を写真に撮り、情報システム部門に報告してください。詳しくは会社PCがウイルス感染?5分間緊急初動マニュアルをご覧ください。
Q: バックアップを取っていれば安心ですか?
A: バックアップは極めて重要な対策ですが、「取っているだけ」では安心できません。ネットワークに接続されたバックアップは、ランサムウェアによって一緒に暗号化されてしまう可能性があります。オフラインでの保管、定期的なリストアテスト(復旧できることの確認)が重要です。詳しくはランサムウェア対策のバックアップ戦略|3-2-1ルールと実践ガイドをご覧ください。

ランサムウェア対策 総合ガイド

本サイトでは、ランサムウェアに関する54ページの専門コンテンツを提供しています。目的に応じて、以下のカテゴリからお探しください。

基礎から学ぶ

対策を実践する

万が一に備える

技術者向け

コスト・保険

2025年最新動向

被害事例


まとめ

ランサムウェアは、ファイルを暗号化して身代金を要求するマルウェアの一種です。近年は二重恐喝型が主流となり、バックアップから復旧できても情報漏洩のリスクが残る、より深刻な脅威となっています。

被害を防ぐためには、VPN機器のアップデート、バックアップのオフライン保管、多要素認証の導入、従業員教育など、多層的な対策が重要です。「うちは大丈夫」という過信は禁物であり、あらゆる組織がリスクにさらされています。

万が一感染してしまった場合は、まずネットワークからの切断を行い、関係者に報告してください。バックアップからの復旧、復号ツールの活用、専門家への相談など、状況に応じた対応を進めます。個人情報の漏洩の可能性がある場合は、法令に基づく報告義務も発生します。

本サイトでは、ランサムウェアに関する54ページの専門コンテンツを提供しています。基礎知識から対策、感染時の対応、業界別ガイドまで、必要な情報をお探しいただけます。セキュリティ対策に「完璧」はありませんが、正しい知識と適切な対策により、リスクを大幅に軽減することは可能です。


ご注意・免責事項

  • 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況に対する専門的助言ではありません
  • 実際に被害に遭われた場合は、以下の公的機関にご相談ください
    • 警察相談専用ダイヤル:#9110
    • 消費生活センター:188
    • IPA情報セキュリティ安心相談窓口:03-5978-7509
  • 法的な対応が必要な場合は、弁護士などの専門家にご相談ください
  • セキュリティ対策の導入は、専門家やベンダーと相談の上ご判断ください
  • 記載内容は作成時点の情報であり、攻撃手口は日々進化しています

ランサムウェア総合対策ナビ

ランサムウェアのよくある質問

いいえ、保証はありません。統計では約40〜65%がデータを完全に取り戻せていません。さらに支払った組織の約80%が再び攻撃されています。セキュリティ専門家や法執行機関は支払わないことを推奨しています。

すぐにネットワークから切断し、感染拡大を防ぎます。端末の電源は維持し、証拠を撮影記録します。身代金は即座に支払わず、セキュリティ専門家と警察に相談してください。

バックアップは重要ですが、それだけでは不十分です。最近のランサムウェアはバックアップも標的にするため、オフライン保管が必須です。また二重脅迫では盗まれたデータの公開を防げません。

フィッシングメールの添付ファイルやリンクが最多です。他にソフトウェアの脆弱性、RDP接続の脆弱なパスワード、不正なウェブサイト、USBメモリ、サプライチェーン攻撃などがあります。

はい、個人も標的になります。身代金は数万円程度と少額に設定されることが多く、思い出の写真などを人質に取られて支払いを検討してしまう人も少なくありません。

はい、特にAndroidは感染リスクがあります。画面ロックや写真の暗号化などの被害が発生します。公式ストアからのみアプリをダウンロードし、不審なリンクをタップしないことが重要です。

保険は補助的な手段です。基本的なセキュリティ対策が講じられていないと保険金が支払われないこともあります。まずは予防的なセキュリティ対策に投資することが最優先です。

「No More Ransom」プロジェクト(https://www.nomoreransom.org/)で多数の無料復号ツールが提供されています。ただしすべてのランサムウェアに対応しているわけではありません。

攻撃者は複数のVPN、Torネットワーク、暗号資産を使って匿名化し、法執行協力が限られている国に拠点を置くため、特定と逮捕が極めて困難です。

個人情報が流出した可能性がある場合、個人情報保護法により報告と通知が義務付けられています。透明性を持って情報開示することが倫理的にも重要です。

2023年には世界で推定200億ドル以上の被害が発生しました。大企業への攻撃では数千万ドル規模の身代金が要求されることもあり、総被害額は身代金の数倍から数十倍に膨らみます。

開発者が技術的知識の少ない犯罪者にランサムウェアツールを提供し、身代金を分配するビジネスモデルです。これにより誰でも簡単に攻撃を実行でき、攻撃件数が爆発的に増加しました。

二重・三重脅迫の一般化、クラウド環境への攻撃増加、サプライチェーン攻撃の活用、ランサムウェアとワイパーの融合、AIの悪用、重要インフラへの継続的な攻撃などがあります。

いいえ、セキュリティソフトでランサムウェア本体を削除しても、暗号化されたデータは元に戻りません。強力な暗号化は復号キーなしでは解読不可能です。

個人なら年間1〜2万円程度から、中小企業は年間数十万円から数百万円、大企業は数千万円から数億円が必要です。ただし被害を受けた場合のコストと比較すれば、予防投資は極めて費用対効果が高いです。

更新履歴

2025年情報加筆・詳細加筆
初稿公開

京都開発研究所

システム開発/サーバ構築・保守/技術研究

CMSの独自開発および各業務管理システム開発を行っており、 10年以上にわたり自社開発CMSにて作成してきた70,000以上のサイトを 自社で管理するサーバに保守管理する。