マルウェア感染の基礎知識|症状確認から対策まで

パソコンの調子が何だかおかしい、いつもより動きが遅い気がする…そんな違和感を感じたことはありませんか?もしかするとそれは、マルウェアと呼ばれる悪意のあるプログラムが原因かもしれません。でも心配しすぎる必要はありません。マルウェアは確かに厄介な存在ですが、正しい知識と適切な対策があれば、十分に対処できるものです。本記事では、パソコンが苦手な方でも理解できるように、身近な例を使いながらマルウェアの基礎知識から症状の確認方法、そして今すぐできる対策まで、ステップバイステップで解説していきます。

マルウェアの基本を理解しよう|コンピュータの病気

マルウェアを身近な例で理解する

マルウェアという言葉を聞くと、何だか難しそうで身構えてしまう方も多いのではないでしょうか。でも実は、マルウェアはコンピュータがかかる「病気」のようなものだと考えると、ぐっと理解しやすくなります。

人間が風邪をひいたり、インフルエンザにかかったりするように、コンピュータもマルウェアという「病原菌」に感染することがあるのです。そして人間の病気と同じように、予防することも、早期発見することも、治療することも可能です。

風邪とマルウェアの共通点

人間が風邪をひくのと、パソコンがマルウェアに感染するのには、驚くほど多くの共通点があります。まず、どちらも外部から「何か」が入り込むことで始まります。風邪の場合はウイルスや細菌、マルウェアの場合は悪意のあるプログラムです。

症状の現れ方も似ています。風邪をひくと、最初は「なんとなくだるい」「のどが痛い」といった軽い症状から始まり、放っておくと発熱や咳などの症状が重くなっていきます。マルウェアも同じで、最初は「ちょっと動きが遅いかな?」程度の違和感から始まり、次第にパソコンが正常に動作しなくなっていきます。

さらに興味深いのは、他人にうつる可能性があるという点です。風邪をひいた人が咳やくしゃみをすると、周りの人にうつってしまいますよね。マルウェアも、感染したパソコンからメールやUSBメモリを通じて、他のパソコンに感染を広げることがあります。

潜伏期間がある
風邪もマルウェアも、感染してすぐに症状が出るわけではありません。しばらくは普通に見えても、実は体内(パソコン内)で増殖している期間があります。
免疫(防御)システムが働く
人間には免疫システムがあり、パソコンにはセキュリティソフトがあります。どちらも侵入者を見つけて排除しようとしますが、時には防御をすり抜けてしまうことがあります。
予防接種(ワクチン)がある
インフルエンザの予防接種のように、パソコンにもセキュリティソフトの定義ファイル更新という「ワクチン」があります。最新の脅威に対応できるよう、定期的な更新が大切です。

感染と予防の考え方

風邪の予防で私たちが日常的に行っていることを、パソコンのセキュリティに置き換えて考えてみましょう。これが、マルウェア対策の基本中の基本になります。

手洗い・うがい = セキュリティソフトと更新プログラム。手洗いやうがいで風邪の原因となる病原菌を洗い流すように、セキュリティソフトはマルウェアを検出して除去します。また、OSやソフトウェアの更新プログラムは、セキュリティの「穴」を塞ぐ役割を果たします。

マスクの着用 = ファイアウォール。マスクが飛沫の侵入を防ぐように、ファイアウォールは不正な通信をブロックして、マルウェアの侵入を防ぎます。外出時にマスクをするように、インターネットに接続する時はファイアウォールを有効にしておくことが大切です。

人混みを避ける = 怪しいサイトを避ける。風邪が流行っている時期に人混みを避けるように、怪しいWebサイトや不審なメールのリンクは避けるべきです。「無料で○○がダウンロード!」「緊急!今すぐクリック!」といった誘い文句には要注意です。

十分な睡眠と栄養 = 定期的なメンテナンス。体調を整えることで免疫力が上がるように、パソコンも定期的なメンテナンスで「健康」を保てます。不要なファイルの削除、ディスクのクリーンアップ、定期的な再起動などが、パソコンの「体力」を維持します。

なぜ私のパソコンが狙われるのか

「でも、私のパソコンには大した情報は入っていないし、狙われる理由なんてないのでは?」と思う方も多いでしょう。これは空き巣に例えると分かりやすくなります

空き巣は必ずしも豪邸だけを狙うわけではありません。むしろ、セキュリティが甘い普通の家の方が狙いやすいのです。パソコンも同じで、「大企業のサーバー」より「個人の無防備なパソコン」の方が、実は狙いやすい標的なのです。

あなたのパソコンに直接的に価値のある情報がなくても、攻撃者にとっては十分に「使える」のです。例えば:

狙われる理由 具体例 なぜ価値があるか
踏み台として利用 他への攻撃の中継点 あなたのパソコンから攻撃することで、真犯人が特定されにくくなる
処理能力の利用 暗号通貨の採掘 電気代をあなたに払わせて、利益は攻撃者が得る
個人情報の収集 メールアドレス、連絡先 大量に集めて売買される「商品」になる
広告収入 勝手に広告を表示 クリックされるたびに攻撃者に収入が入る
身代金の要求 ファイルを暗号化 大切な写真や文書を人質に、お金を要求

つまり、泥棒にとっては「家に現金がなくても、家電を売れば金になる」のと同じ理屈です。あなたのパソコンそのものが、攻撃者にとっての「資源」になってしまうのです。

マルウェアの目的を知る

マルウェアを作る人たちは、一体何を目的としているのでしょうか。これを理解することで、なぜ対策が必要なのかがより明確になります

お金儲けが最大の目的です。昔は技術力を誇示するためや、いたずら目的でウイルスを作る人もいましたが、現在のマルウェアの約90%は金銭目的です。まるでオンライン上の強盗や詐欺師のようなものだと考えてください。

銀行強盗が銀行を襲うように、マルウェアはあなたのオンラインバンキングの情報を狙います。詐欺師が嘘をついてお金を騙し取るように、マルウェアは偽の警告を出して「修理代」を要求してきます。

直接的な金銭窃取
オンラインバンキングのパスワードを盗んで、直接お金を引き出す。クレジットカード情報を盗んで、勝手に買い物をする。まさにデジタル時代の窃盗です。
身代金ビジネス
大切なファイルを「誘拐」して、返してほしければお金を払えと要求。これがランサムウェアと呼ばれるマルウェアの手口です。
情報の転売
個人情報は「商品」として売買されています。メールアドレス1件あたり数円でも、100万件集まれば大金になります。

しかし、金銭以外の目的もあります。産業スパイのように、企業の機密情報を盗むためのマルウェアもあります。また、政治的な目的で、特定の組織のシステムを麻痺させるための攻撃もあります。

重要なのは、あなたが直接の標的でなくても、被害に遭う可能性があるということです。釣りで例えるなら、大物を狙った網に小魚も一緒にかかってしまうようなものです。だからこそ、「自分は関係ない」と思わずに、基本的な対策をしておくことが大切なのです。


感染しているか確認する方法|今すぐチェック

マルウェアに感染しているかどうか、早期発見が被害を最小限に抑える鍵です。体調不良を感じたらすぐに体温を測るように、パソコンの「健康状態」も定期的にチェックしましょう。

パソコンの動作をチェック

パソコンの動作に異常がないか、日頃から注意深く観察することが大切です。いつもと違う「違和感」が、感染の最初のサインかもしれません。

起動時間の変化

朝、目覚まし時計が鳴ってから起き上がるまでの時間が、体調のバロメーターになるように、パソコンの起動時間も健康状態を示す重要な指標です。

通常、電源ボタンを押してからデスクトップが表示されるまで、お使いのパソコンではどのくらい時間がかかりますか?最新のパソコンなら30秒〜1分、少し古いものでも2〜3分程度が一般的です。

もし起動時間が以前の2倍以上になっていたら、要注意です。これは、マルウェアが起動時に一緒に立ち上がろうとしているサインかもしれません。泥棒が家に入る時、まず合鍵を作って堂々と入ってくるように、マルウェアも起動プロセスに「登録」して、毎回自動的に起動するようになります。

正常な起動時間の目安
SSD搭載:30秒〜1分、HDD搭載:1〜3分、5年以上前のPC:2〜5分程度。これより大幅に遅い場合は、何か問題がある可能性があります。
確認方法
スマートフォンのストップウォッチ機能を使って、電源ボタンを押してから、デスクトップが完全に表示されて操作できるようになるまでの時間を測ってみましょう。

動作の重さ

パソコンを使っていて「なんだか最近、動きがもっさりしている」と感じることはありませんか?それは、見えないところでマルウェアが動いている可能性があります。

これは部屋に隠れている泥棒のようなものです。あなたが部屋にいる時は息をひそめているけれど、実は押入れの中でごそごそと動いている。パソコンの処理能力(部屋のスペース)の一部を、マルウェア(泥棒)が使っているので、あなたが使える分が減ってしまうのです。

チェックリスト:動作が重くなっていないか確認

□ ブラウザでWebページを開くのに10秒以上かかる
□ 文字を入力してから画面に表示されるまでに遅延がある
□ ファイルをダブルクリックしてから開くまで異常に時間がかかる
□ 複数のウィンドウを開くとすぐにフリーズする
□ 動画再生がカクカクする、音声が途切れる
□ ファイルのコピーや移動が異常に遅い
□ 何もしていないのにハードディスクのアクセスランプが点滅し続ける
□ ファンが常に全開で回っている(うるさい)

3つ以上当てはまる場合は、マルウェア感染の可能性があります。ただし、単にパソコンが古くなっただけの可能性もあるので、他の症状と合わせて判断することが大切です。

画面表示の異常

画面に表示される内容の変化は、マルウェア感染の分かりやすいサインです。人間で言えば、発疹や腫れのような「目に見える症状」にあたります。

勝手に出る広告

インターネットを見ていないのに、デスクトップに突然広告が表示される。これはアドウェアというマルウェアの典型的な症状です。

家の中に勝手に入ってきたセールスマンが、あちこちにチラシを貼っていくようなものです。最初は右下に小さく表示されるだけかもしれませんが、放っておくと画面全体を覆うような大きな広告が頻繁に出るようになります。

特に注意すべき広告の種類:

広告の種類 内容 危険度
偽の警告 「ウイルスに感染しています!」 ⚠️ 高
偽の当選通知 「おめでとうございます!」 ⚠️ 高
アダルト広告 不適切な内容 ⚠️ 中
ソフトウェアの宣伝 「PCを高速化!」 ⚠️ 中
ゲームの広告 オンラインカジノなど ⚠️ 低〜中

これらの広告はクリックしてはいけません。クリックすると、さらに悪質なマルウェアをダウンロードしてしまう可能性があります。

見慣れないアイコン

デスクトップやタスクバーに、インストールした覚えのないアイコンが増えていませんか?これは、マルウェアが勝手にプログラムをインストールした証拠かもしれません。

まるで留守中に誰かが勝手に家具を置いていったようなものです。「PC Cleaner」「System Optimizer」「Speed Booster」など、いかにもパソコンを快適にしてくれそうな名前のソフトは、実は偽物の可能性が高いです。

要注意なアイコンの特徴
派手な色使い、「無料」「Free」の文字、スピードメーターのような図柄、盾やロックのマーク(偽セキュリティソフト)など。正規のソフトウェアは、もっとシンプルで洗練されたデザインが多いです。
確認すべき場所
デスクトップ、タスクバー、スタートメニュー、システムトレイ(時計の近く)、ブラウザのツールバーなど。定期的にチェックして、見慣れないものがないか確認しましょう。

セキュリティソフトでスキャン

症状をチェックして「怪しいな」と思ったら、セキュリティソフトで詳しく検査してみましょう。これは病院で検査を受けるようなものです。

Windows 10や11をお使いの方は、Windows Defenderという優秀な「主治医」が最初から付いています。これを使った簡単なスキャン方法を説明します。

Windows Defenderでスキャンする手順:

  1. スタートボタンをクリック
  2. 設定(歯車のアイコン)を選択
  3. 更新とセキュリティをクリック
  4. 左側メニューのWindowsセキュリティを選択
  5. ウイルスと脅威の防止をクリック
  6. クイックスキャンまたはスキャンオプションを選択

クイックスキャンは約10〜20分で、重要な場所だけをチェックする「簡易健康診断」です。もっと詳しく調べたい場合は、フルスキャンを選びますが、これは1時間以上かかることがあるので、時間に余裕がある時に実施しましょう。

スキャン結果の見方:

  • 「脅威は見つかりませんでした」 → ひとまず安心ですが、症状が続く場合は他の原因も考えましょう
  • 「脅威が見つかりました」 → 指示に従って削除や隔離を実行。より詳しい対処法はこちら
  • 「潜在的に望ましくないプログラムが...」 → グレーゾーンのソフト。不要なら削除を推奨

身近な感染事例と対処法|よくある症状

実際によくある感染事例を、具体的な症状と対処法と共に紹介します。「あ、これうちのパソコンと同じだ!」という方は、落ち着いて対処していきましょう。

ケース1:パソコンが異常に遅い

「最近、パソコンの動きがとても遅くなった」という相談は非常に多いです。これは暗号通貨マイニングマルウェア(クリプトジャッカー)の可能性があります。

あなたのパソコンの処理能力を勝手に使って、ビットコインなどの暗号通貨を「採掘」しているのです。電気泥棒のようなもので、あなたの電気代とパソコンの性能を使って、犯人がお金儲けをしているのです。

症状の特徴:

  • ファンが常に全開で回っている(ブォーンという音)
  • 何もしていないのにCPU使用率が50%以上
  • 電気代が急に高くなった
  • ノートパソコンのバッテリーがすぐなくなる
  • パソコン本体が異常に熱い

対処法:

  1. タスクマネージャーで確認(Ctrl + Shift + Esc)

    • CPU使用率の高いプログラムを特定
    • 見慣れない名前のプログラムがないかチェック
  2. 不審なプログラムを終了

    • 怪しいプログラムを右クリック
    • 「タスクの終了」を選択
  3. セキュリティソフトでフルスキャン

    • Windows Defenderでフルスキャンを実行
    • 検出されたら削除
  4. 起動プログラムの確認

    • タスクマネージャーの「スタートアップ」タブ
    • 不要なプログラムを無効化

ケース2:勝手に広告が表示される

「ブラウザを開いていないのに、広告がポップアップで出てくる」「ブラウザを開くと、設定していないホームページが表示される」という症状は、アドウェアやブラウザハイジャッカーの典型的な症状です。

これは家の中に勝手に看板を立てられたようなものです。どこを見ても広告だらけで、本来見たいものが見られなくなってしまいます。

症状の特徴:

  • デスクトップに広告ウィンドウが表示される
  • ブラウザのホームページが勝手に変更される
  • 検索結果が別のサイトにリダイレクトされる
  • 新しいタブが勝手に開く
  • ツールバーが勝手にインストールされている

対処法:

1. ブラウザの設定をリセット
Chrome:設定→詳細設定→リセットとクリーンアップ→設定を元の既定値に戻す
Edge:設定→設定のリセット→設定を既定値に戻す
Firefox:ヘルプ→トラブルシューティング情報→Firefoxをリフレッシュ
2. 不要な拡張機能を削除
ブラウザの拡張機能(アドオン)を確認し、見覚えのないものは削除。特に「Toolbar」「Search」などの名前が付いたものは要注意です。
3. プログラムのアンインストール
コントロールパネル→プログラムと機能から、インストール日が最近で見覚えのないプログラムを削除。

ケース3:メールが勝手に送信される

「友人から『変なメールが届いた』と連絡があった」「送信済みフォルダに見覚えのないメールがある」という場合、あなたのパソコンがスパムボットになっている可能性があります。

これはあなたの名前を勝手に使って、詐欺の片棒を担がされているようなものです。信用を失うだけでなく、場合によっては加害者として責任を問われる可能性もあります。

症状の特徴:

  • 送った覚えのないメールが送信済みフォルダにある
  • メールの送信エラーが大量に表示される
  • プロバイダから警告メールが来る
  • メールアドレスがブラックリストに登録される
  • 友人・知人から苦情が来る

対処法:

  1. すぐにパスワードを変更

    • メールのパスワードを複雑なものに変更
    • 可能なら二段階認証を設定
  2. メールソフトの設定確認

    • 転送設定が勝手に追加されていないか確認
    • 署名に不審なリンクが追加されていないか確認
  3. 感染源の特定と除去

  4. 被害の拡大を防ぐ

    • 連絡先の人たちに注意喚起
    • 不審なメールは開かないよう伝える

ケース4:ファイルが開けない

「昨日まで開けていたファイルが、急に開けなくなった」「ファイルの拡張子が変わっている」という症状は、ランサムウェア感染の可能性があります。これは最も深刻な感染の一つです。

大切な写真や書類を人質に取られたような状態です。「お金を払えば返してやる」という脅迫文が表示されることもありますが、絶対に支払ってはいけません

症状の特徴:

  • ファイルの拡張子が「.locked」「.encrypted」などに変更
  • デスクトップの壁紙が脅迫文に変更
  • 「READ_ME.txt」などの身代金要求文書が作成される
  • ドキュメント、写真、動画などが開けない
  • ファイル名が意味不明な文字列に変更

対処法:

対応段階 やるべきこと やってはいけないこと
即座に ネットワークから切断 身代金を支払う
確認 被害範囲を確認 パニックになる
バックアップ確認 外付けHDDやクラウドのバックアップを確認 感染PCにUSBを接続
専門家に相談 情報処理推進機構(IPA)に相談 自己判断で復号ツールを使う
復旧 クリーンインストール後、バックアップから復元 感染したまま使い続ける

ランサムウェアは非常に深刻な脅威なので、専門的な対処法のページも必ず確認してください。


今すぐできる基本対策|最低限の防御

マルウェアから身を守るために、今すぐできる基本的な対策を紹介します。特別な知識や高価なソフトは必要ありません。Windowsに最初から入っている機能だけで、かなりの防御ができます。

Windows標準機能を活用

Windowsには優秀な防御機能が最初から備わっています。これらを正しく設定するだけで、多くのマルウェアを防ぐことができます。まるで家に最初から付いている鍵や窓の施錠のようなものです。

Windows Defenderの設定

Windows Defenderは、Windows 10/11に標準搭載されている無料のセキュリティソフトです。性能は有料ソフトにも引けを取らないレベルまで向上しています。

設定の確認と有効化の手順:

  1. Windowsセキュリティを開く

    • スタートメニュー → 設定 → 更新とセキュリティ → Windowsセキュリティ
  2. 保護の設定を確認

    ✅ リアルタイム保護:オン
    ✅ クラウド提供の保護:オン
    ✅ サンプルの自動送信:オン
    ✅ 改ざん防止:オン
    
  3. 定期スキャンの設定

    • ウイルスと脅威の防止 → スキャンオプション
    • 「Windows Defenderオフラインスキャン」を月1回実行
リアルタイム保護とは
ファイルを開いたり、ダウンロードしたりする時に、その都度チェックする機能。まるで玄関に立っている警備員のように、怪しいものが入ってこないか常に見張っています。
クラウド提供の保護とは
世界中のWindows Defenderから集められた最新の脅威情報を使って、新しいマルウェアも検出する機能。みんなで情報を共有して、お互いを守る仕組みです。

ファイアウォールの確認

ファイアウォールは、インターネットとパソコンの間の「門番」のような存在です。不審な通信をブロックし、マルウェアの侵入や情報の流出を防ぎます。

ファイアウォールの状態確認:

  1. コントロールパネル → システムとセキュリティ → Windows Defender ファイアウォール
  2. 左側の「Windows Defender ファイアウォールの有効化または無効化」をクリック
  3. 以下の設定になっているか確認:
    • プライベートネットワーク:✅ Windows Defenderファイアウォールを有効にする
    • パブリックネットワーク:✅ Windows Defenderファイアウォールを有効にする

注意点:「ファイアウォールが邪魔でソフトが動かない」という理由で無効にする人がいますが、これは家の鍵を開けっ放しにするようなものです。必要な通信だけを許可する設定をすることが大切です。

ブラウザのセキュリティ設定

インターネットブラウザは、マルウェアが侵入する最も一般的な入り口です。玄関のドアに相当する重要な場所なので、しっかりと設定しましょう。

Microsoft Edge / Google Chrome の基本設定:

設定項目 推奨設定 理由
ポップアップブロック オン 勝手に広告ウィンドウが開くのを防ぐ
セーフブラウジング 標準保護以上 危険なサイトを事前に警告
Cookie設定 サードパーティCookieをブロック トラッキングを防ぐ
ダウンロード確認 常に確認 意図しないダウンロードを防ぐ
パスワード保存 信頼できるサイトのみ 情報漏洩のリスクを減らす

追加の対策:

  • 不要な拡張機能は削除する(月1回チェック)
  • JavaScriptを無効にする(上級者向け)
  • プライベートブラウジングを活用する

定期的なバックアップ

バックアップは最後の砦です。たとえマルウェアに感染しても、バックアップがあればデータを復元できます。保険のようなもので、使わないに越したことはありませんが、いざという時に救われます。

簡単なバックアップ方法:

1. Windows標準のバックアップ機能
設定 → 更新とセキュリティ → バックアップ → 「ファイル履歴を使用してバックアップ」をオン。外付けHDDを接続して、自動バックアップを設定できます。
2. クラウドストレージの活用
OneDrive(5GBまで無料)、Googleドライブ(15GBまで無料)などを使って、大切なファイルをクラウドに保存。パソコンが壊れても、別のパソコンからアクセスできます。
3. 手動での定期バックアップ
月に1回、大切なファイル(写真、文書など)をUSBメモリや外付けHDDにコピー。面倒ですが、確実な方法です。

バックアップのポイント:

  • バックアップメディアは、普段はパソコンから外しておく(ランサムウェア対策)
  • バックアップが正常に復元できるか、定期的にテスト
  • 本当に大切なデータは、複数の方法でバックアップ

次のステップへ|さらに詳しく学ぶ

ここまでで基本的な知識と対策を学んできました。でも、セキュリティの世界は日々進化しています。より安全にパソコンを使うために、次のステップに進んでみましょう

より高度な対策を知る

基本対策ができたら、次は一歩進んだ対策を検討してみましょう。

推奨される追加対策:

  1. 有料セキュリティソフトの検討

  2. ネットワークセキュリティの強化

  3. 多要素認証の活用

    • パスワードだけでなく、スマートフォンでの確認も追加
    • 重要なアカウントには必須
  4. 定期的な脆弱性診断

これらの対策は少し技術的ですが、一度設定すれば長期間効果が持続します。分からないことがあれば、詳しい人に相談するのも良いでしょう。

専門的な知識を身につける

セキュリティについてもっと深く学びたい方のために、段階的に学べる情報をご用意しています。

初級:脅威を理解する
最新マルウェアトレンドで、どんな脅威があるのかを知る。敵を知ることが防御の第一歩です。
中級:対策を実践する
マルウェア感染への対策方法で、4段階アプローチ(予防・検知・対応・復旧)を詳しく学ぶ。
上級:組織を守る
セキュリティポリシー策定ガイドで、会社や組織全体のセキュリティを考える。

学習のコツは、一度に全部を理解しようとしないこと。まずは自分に関係のある部分から始めて、徐々に知識を広げていくことが大切です。

組織での対策を考える

個人だけでなく、会社や組織でのセキュリティも重要です。一人が感染すると、組織全体に被害が広がる可能性があります。

組織で取り組むべきこと:

レベル 対策内容 参考情報
基礎 セキュリティ教育の実施 セキュリティ教育・訓練
標準 インシデント対応体制の構築 CSIRT/SOC構築ガイド
応用 ゼロトラスト環境への移行 ゼロトラスト組織への移行戦略
高度 継続的な改善サイクル セキュリティ監査とアセスメント

組織のセキュリティは、最も弱い部分が全体のレベルを決めると言われています。全員が基本的な知識を持つことが、組織全体を守ることにつながります。


まとめ

マルウェア感染は確かに怖いものですが、正しい知識と適切な対策があれば、十分に防ぐことができます。風邪の予防と同じように、日頃からの心がけが大切です。

今日から実践できること:

  1. Windows Defenderが有効になっているか確認
  2. ファイアウォールの設定を確認
  3. 大切なデータのバックアップを取る
  4. 怪しいメールやリンクをクリックしない
  5. 定期的にセキュリティスキャンを実行

セキュリティに「完璧」はありません。でも、基本的な対策をきちんと実施するだけで、リスクを大幅に減らせます。今回学んだことを少しずつ実践して、安全で快適なデジタルライフを送りましょう。

もし「感染したかも?」と思ったら、慌てずに本記事の確認方法を試してみてください。そして、より詳しい情報が必要な場合は、マルウェア感染の総合ガイドをご覧ください。


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重要なお知らせ

  • 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況に対する助言ではありません
  • 実際に被害に遭われた場合は、情報処理推進機構(IPA)の安心相談窓口などの公的機関にご相談ください
  • セキュリティ対策に「完全」はありません。継続的な注意と更新が必要です
  • 記載内容は作成時点の情報であり、脅威は日々進化しています

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初稿公開

京都開発研究所

システム開発/サーバ構築・保守/技術研究

CMSの独自開発および各業務管理システム開発を行っており、 10年以上にわたり自社開発CMSにて作成してきた70,000以上のサイトを 自社で管理するサーバに保守管理する。